遺産分割

遺言がない場合、相続が発生すると相続財産は相続人全員の共有となり、遺産分割協議がまとまり、或いは、家庭裁判所の審判でもって、個々の遺産を各相続人に分割する手続(遺産分割)を経て、はじめて各相続人の財産となります。ただし、預金以外の金銭債権や金銭債務は、相続発生により、法定相続分でもって当然に分割されます。

相続財産の権利移転イメージ

相続関係図・所有資産 相続関係図・所有資産 相続財産の権利移転イメージ 相続財産の権利移転イメージ

遺産分割の方法

1.指定分割

遺言で遺産分割方法の指定をした場合には法定相続に優先する(分割協議が不要)

2.協議分割

遺言が無い場合(有っても分割方法の指定がない場合)、相続人全員の参加と合意が必要

  1. (ア)現物分割

    相続財産をその状態のまま分割

  2. (イ)換価分割

    相続財産を換金し、その換金代金を分割

  3. (ウ)代償分割

    特定の相続人が分割しにくい相続財産(不動産等)を多く相続する代わりに、他の相続人へ代償金を支払う分割

  4. (エ)共有分割

    不動産等の相続財産を共有持分として分割

3.調停・審判による分割

家庭裁判所へ申し立てる

  1. (ア)調停

    調停委員会(裁判官と調停委員で構成)が合意をあっせんし、当事者間の話し合いによって紛争の解決を図る手続き

  2. (イ)審判

    調停が不調になった場合に、裁判官が調停に提出された資料等に基づいて決定する手続き

4.遺産分割は10年以内に

相続開始後10年以上が経過すると、遺産分割の上で、不利益が発生する恐れがありますので、ご留意ください

2については、民法が定める法定相続分に従う必要はなく、相続人同士で、自由に話し合って、遺産分割の方法や割合を決めることができるのもポイントね。 2については、民法が定める法定相続分に従う必要はなく、相続人同士で、自由に話し合って、遺産分割の方法や割合を決めることができるのもポイントね。

【不動産 耳寄りな話】

不動産を相続したらキチンと登記をする

不動産を相続した時は、原則として3年以内に不動産の名義変更(相続登記)を不動産所在地の法務局にておこなう必要があります。正当な理由がないのに怠ったときは、10万円以下の過料に処せられますので、ご注意ください。
また、相続人以外の第三者にも権利を主張するためには、相続登記が必要です。
相続登記の申請には、遺産分割協議書が必要な場合があります。遺産分割協議書は登記事項証明書(登記簿謄本)の記載のとおりに書きましょう。

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遺産分割協議書
  • 2024年4月1日現在の法令に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。
  • 法務監修:宏和法律事務所
    税務監修:東京シティ税理士事務所