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【シリーズ連載】40代50代で相続した空き家はどうする?(第一話「空き家のリスク編」)

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.7

公開日:2017年6月30日

この記事の概要

  •  核家族化、人口・世帯数の減少の影響で空き家が増加の一途をたどっている。
  •  政府はその対応策として特別措置法を施行。空き家のままだと固定資産税の軽減措置が適用されなくなる可能性がある。
  •  空き家はメンテナンスの時間とコストがかかる。
  •  放置された空き家は、建物の傷みが進みやすく、資産価値が下がるなどのデメリットがあるほか、倒壊や治安の面で近隣に迷惑や危険をおよぼすおそれがある。
  •  空き家を所有している場合は、適切なタイミングで対応することが重要。

第1話 空き家のリスク編

【Bさんファミリー】
夫55歳会社員、妻54歳専業主婦。2人の息子(29歳、24歳)はそれぞれ独立したため、1年前に家族で過ごした住まいは売却し、夫婦2人暮らしに合ったコンパクトで利便性の高い住まいに住み替え。

空き家のままだと固定資産税の軽減措置がなくなってしまう

総務省統計局の平成25年「住宅・土地統計調査」(5年に一回実施)によると、空き家の数は平成25年で820万戸に及んでいます。平成20年よりも約63万戸増えており、住宅全体の13.5%が空き家という状態です。今後も核家族化に加え、人口・世帯数の減少に応じて空き家の件数は増えていくものと考えられます。
空き家が増え続けている主な原因として、誰も住んでいなくても建物が建っていれば土地の固定資産税が安くなるということがありました。建物が古く、住めないような物件であれば取り壊して更地にするほうが・・・と考えても、取り壊しに費用がかかる上に固定資産税の軽減措置がなくなってしまうとなれば、空き家のままにしておく人が増えてしまうことでしょう。
そこで、防犯・景観などにも影響を及ぼすなどの理由から解体が望ましいと判断された「特定空き家」は、固定資産税が最大1/6に軽減される優遇措置が適用されなくなりました。空き家のまま放置しておくと、改正前に比べて固定資産税が最大6倍かかるということは覚えておきましょう。

総務省統計局の平成25年「住宅・土地統計調査」

住まないと家は傷む、価値が下がる

空き家を抱えていてもメンテナンスをしっかりとされている方もいらっしゃるでしょう。しかし、管理には時間とコストがかかります。空き家が遠方にある場合は現地までの交通費や移動時間が負担となりますし、室内の掃除や伸び放題の草木の手入れなどをしているだけであっという間に1日が過ぎてしまうかもしれません。頻繁に通える距離でない場合は、業者に管理をお願いするという方法もありますが、定期的に頼むのであればその分の出費を考えておく必要があるでしょう。管理が面倒だと放置していれば、住まない建物は傷みが早いですから、資産価値も下がっていくことになります。

空き家に伴うリスクとは?

「空き家を抱えているけれど、どうしよう…」とお悩みの方も多いようですが、空き家を所有していることはご自身だけの問題ではない点を認識しておく必要があります。建物が傷んで倒壊の恐れがある、土台にシロアリ被害がある、窓ガラスが割れ放題、庭木が繁茂し過ぎて公道の通行を妨げている、ゴミの投棄や放置で近隣に影響を与えているなどの空き家は、近隣に危険や迷惑を及ぼす恐れがあります。ゴミによる悪臭で窓が開けられない、伸び放題の庭木が通学路を妨げているなど、行政へは数々の苦情も寄せられています。
このような危険な空き家を解消するために、平成27年度に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行。この措置法によって自治体が、固定資産税の納税者情報を空き家所有者の把握のために利用し、空き家に立ち入り調査をした上で、所有者へ勧告・命令をすることができるようになりました。なお、所有者が正当な理由なく、勧告に係わる措置を取らず、命令に応じない場合は、行政代執行となることもあります。

適切なタイミングで、空き家への対応を

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、世帯数は2019年をピークに減少に転じるとされ、今後も空き家は増え続けていくものと思われます。「放置しておくと固定資産税が高くなる」という情報を得て、空き家を売却する人が増えていきそうです。「空き家をどうする?」と検討を始めたら、政策や税制、所在地エリアの不動産価格動向に注視しつつ、適切なタイミングで対応や処分について考える必要があります。

「40代50代で相続した空き家はどうする?」第二話(7月31日公開予定)では「空き家の処分方法」について考えます。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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