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【シリーズ連載】40代50代で相続した空き家はどうする?(第三話「空き家売却の実践的知識編」)

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.9

公開日:2017年8月31日

この記事の概要

  •  中古住宅として売却する場合は、小規模なリフォームをするなどをし、住宅に付加価値を付けて物件をより良く見せる努力が必要。
  •  古家付き土地として売却する場合は、新居のイメージづくりに有効な場合がある。また、古家そのものに価値を見出してくれるケースもあるが、その場合はホームインスペクション(建物検査)も重要になる。
  •  更地にして土地として売却する場合は、建物があるときよりも固定資産税の負担が大きくなる可能性がある。
  •  隣家に売却すると比較的早期・高値で売却できるケースがある。その場合も、口約束ではなく不動産仲介会社に依頼し、売買契約をきちんと締結することでトラブルを防止できる。
  •  建物が古い場合は、瑕疵担保責任を免責とする調整が必要な場合がある。

第3話 空き家売却の実践的知識編

【Bさんファミリー】
夫55歳会社員、妻54歳専業主婦。2人の息子(29歳、24歳)はそれぞれ独立したため、1年前に家族で過ごした住まいは売却し、夫婦2人暮らしに合ったコンパクトで利便性の高い住まいに住み替え。

築年数が経過した住宅の売り方。考えておくべき3つのポイント

①中古住宅として売却する場合のポイント

中古住宅の流通促進が政策として後押しされている中で、購入時の条件として住宅が古いか新しいかに加え、家自体の性能を重視するという消費者の意識の変化が見られるようになってきています。不動産売却時には水回りや最低限必要な設備を整えるなどの小規模なリフォームをして、付加価値を付け、物件をよく見せる努力をしておくことは、ポイントと言えるでしょう。

②古家付き土地として売却する場合のポイント

A.新居のイメージづくりのために古家を残すケース
古家付き土地とは一般的に、耐用年数を超えた建物がある土地のことです。耐用年数は建物構造によってまちまちですが、概ね30年を超えると、建物に価値を見出すのは難しくなると言われています。
古家付き土地は、周到に計画して住宅を設計したいという場合に好まれるケースがあります。建物がある状況で現地を見学することで、日当たりや現況を基準に大きめもしくは小さめの戸建てを建てる場合のイメージづくりに有効だからです。また、周辺の騒音についても確認できるので、もっと防音性に注力した家にすべきかどうかの判断にも役立てることができます。買主にその物件に関するできるだけ多くの情報を提供し、具体的にイメージしてもらうために、古家を残した状態で交渉していくという判断もあることを覚えておきましょう。

B.古家自体に価値を見出せるケース
買主が古家自体に価値を見出すケースもあります。自分好みにカスタマイズする「リノベーション」を前提とした購入の場合、古くても活用できるという判断が買主にあれば、需要はあると言えるでしょう。その場合、出来るだけ少額で買主にとって価値を見いだせる住居に転換できる可能性があるかどうかを見極めることが重要で、特に建物の構造がしっかりしているかどうかが重要になります。例えば、ホームインスペクション(建物検査)を受けておくと、買主の判断材料になりますし、売却するにあたってアピール材料ともなります。

③更地にして土地として売却する場合のポイント

立地が良く面積が広い土地であれば、更地にして土地を売却するという方法も有効です。しかし、更地で売り出すのであれば税金面のデメリットを考えておかなければなりません。建物が残っていれば土地の固定資産税の課税基準は6分の1へ軽減されます(別途、面積要件あり)。しかし、建物がないと、この軽減処置は受けられない場合があります。買主がなかなか見つからなかった場合、固定資産税の負担が重くのしかかってしまうケースがありますので、注意が必要です。

隣家への売却打診のメリット

隣家への土地の売却は買主・売主の双方にメリットがあります。買主には、お隣なので事情が分かっている、敷地面積を広げて土地利用の幅が広がるなどのメリットがあり、売主には、相場より高く売れる可能性がある、早期売却が期待できるなどのメリットがあります。

その場合、直接隣家に売却を提案するのではなく、不動産会社に仲介してもらいましょう。個人間で交渉を行った場合、相手に遠慮してしまったがために細かい取り決めができず、結果的にトラブルに発展してしまうケースがあります。気心の知れた隣家へ売却する際でも、不動産会社に契約内容を詰めてもらい、不動産売買契約書を作成してもらうようにしましょう。

不動産売買契約書には、引渡し時期、手付金額、瑕疵担保特約、債務不履行の際の解除条項など、さまざまな項目が記載されています。口約束での売買によるトラブル防止のために重要な書類ですので、作成は必須と言えるでしょう。

瑕疵担保責任を免責してもらって売却

建物が古いため、瑕疵担保責任を負えないなどの場合には、買主合意のもと、瑕疵担保責任を免責してもらうことが可能です。基本的に瑕疵担保責任は売主にありますので、上述した不動産売買契約書に「免責」の旨を明記しておくことが必要です。この場合も、不動産会社の仲介があれば、適切なアドバイスの下で契約を進めることができます。瑕疵担保責任の免責条項を契約書に入れ、買主に対してもしっかりとした説明をしてくれるでしょう。

知識と経験豊富な不動産会社にまずは相談

売却は、空き家を処分する方法の中で最もシンプルで分かりやすい方法としてご紹介しました(第二話「空き家の処分方法」編)。とはいえ、不動産の売却にあたって専門的な知識が不要というわけではなく、不動産のプロのアドバイスや仲介が必要となります。売却を検討する際は、まずは不動産会社に足を運び、売却の流れ、必要なコストなどについて相談し、売却の全体像をつかんでおくことをおすすめします。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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