眺望のよいタワーマンションに引っ越したい。湾岸エリアと都心エリアどちらを選ぶ?~第3話「都心エリアのタワーマンション。チェックポイント編」

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.91

この記事の概要

  •  都心エリアのタワーマンションは、複数の交通手段が利用できるなど利便性の高さが魅力。
  •  利便性が高いという点から、人の往来が多いことなどは認識しておく必要がある。
  •  湾岸エリアのマンションとは違い、既に形成されている街に建設されることが多いため、教育施設や住環境、街の雰囲気もチェックしておくと良い。

眺望のよいタワーマンションに引っ越したい。湾岸エリアと都心エリアどちらを選ぶ?~第3話「都心エリアのタワーマンション。チェックポイント編」

【Kさん】
現在3階建ての賃貸マンションに住むKさんファミリー。夫婦とも40代で小学生の子どもが1人いる。共働きで忙しい毎日を送っており、帰宅後は夫婦で1日のことを報告しあうのが日課。今のマンションは子どもが生まれたときから住んでいるが、10年の間に周りに高い建物が建ってしまい眺望を楽しむというのにはほど遠い状況となっている。仕事後は、綺麗な眺めを見ながらゆっくり過ごしたいということになり、タワーマンションの購入を決意する。湾岸エリアか都心エリアかは迷っている状態。

第2話では「湾岸エリアのタワーマンション。チェックポイント編」として、湾岸エリアに建つタワーマンションの特徴やメリット・デメリットをお伝えしました。今回の第3話では、エリアを都心に移して、魅力やその注意点などをお伝えしていきます。

都心エリアのタワーマンションは、なんといっても利便性の高さが魅力

東京都を例にあげると、品川区や港区、新宿区などがタワーマンションの多いエリアとなっています。このエリアは、鉄道だけでなく、バス便も充実。複数の交通手段を利用することができ、都内だけでなく、近県との行き来がしやすい点が特長です。駅やバス停から徒歩圏内にある物件が多いため、ストレスなく交通機関を利用することが可能です。

例えば、品川区にある大崎駅周辺。駅のホームから確認できる場所に、複数のタワーマンションが建っています。大崎駅はJR山手線のみを利用できる駅でしたが、JR埼京線、JR湘南新宿ライン、りんかい線が2002年12月に乗り入れてから、タワーマンションの建築が加速しました。2000年代に竣工した物件が多く、周辺には商業施設なども充実しています。そして、隣駅はターミナル駅である品川駅。JR線や京浜急行線のほか、JR東海道新幹線が利用できる点もポイントです。

商業施設、飲食店、学校、病院などの数も多く、子育て世代はもちろん、働き盛りのパワーカップルやリタイア後の高齢夫婦など幅広い世帯が注目しています。また部屋を借りたい方のニーズも強いため、賃貸するために購入するという投資家も多いのが特長です。

ニーズが高いこともあって資産価値も期待でき、当初購入した価格よりも高く売却できたという事例もゼロではありません。

また、湾岸エリアのように「目の前に海が広がっている」というロケーションではありませんが、高層階のお部屋であれば遠くまで見渡すことが可能。都心の夜景の美さに、夜の過ごし方もゆったりとしたものになるでしょう。

便利だからこそ気にしておきたいポイント

利便性の高さが注目される都心エリアのタワーマンションですが、注意点についても認識しておく必要があります。
まずは、商業施設等が多いということはそれなりに人の往来も多いということ。エリアによっては夜遅い時間まで賑わっていることもありますし、休日などはエリア外からの来街者も増えることでしょう。立地によっては、余暇をゆったり過ごせる環境とはいえないかもしれません。また、主要道路や高速道路の出入り口にアクセスしやすいというのもメリットではありますが、交通量が多く、渋滞になることも考えられます。車で出かける場合は、少しゆとりを持って家を出るという点に留意する必要があるでしょう。

教育施設や住環境、街の雰囲気もチェック

小さなお子さんがいる場合は保育園、幼稚園、小学校などの場所を事前にチェックしておくというのも気にしておきたい点。都心部では学校の統廃合が進み、マンションが駅から近くても学校までは距離がある…というケースもあるからです。湾岸エリアは都市計画をもとに街が形成されているケースが多いですが、都心部は既に出来上がった街の一部にマンションを建設していることがほとんどです。こういった面から、住環境や街の雰囲気についても「家族のライフスタイルに合致しているかどうか」という点はしっかり確認・納得したうえで決めていくようにしましょう。

第2話では湾岸エリア、今回は都心エリアのタワーマンションについてお伝えしてきました。各々特徴がありますので、希望条件を整理し、ご家族のライフスタイルと照らし合わせながら検討するようにしてください。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2022年10月28日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。