フリーランスの住宅購入~第四話「フリーランスだからこそ気にしておきたい快適な住環境編」

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.86

この記事の概要

  •  理想は、できるだけリビングから離れたところに仕事部屋・ワークスペースを設けること。
  •  リビングの一角をワークスペースにする場合は、可動式のパーテーションなどで区切るとよい。
  •  最近のマンションにはワークスペースが備わっているものも。利用時間を確認しつつ活用するほか、フリーランスは作業が夜中に及ぶこともあるため、自宅でのスペースも確保しておく必要がある。

フリーランスの住宅購入~第四話「フリーランスだからこそ気にしておきたい快適な住環境編」
フリーランスの住宅購入~第四話「フリーランスだからこそ気にしておきたい快適な住環境編」

【Iさん】
小学校6年生の息子と近所の雑貨店でパート勤務の妻と賃貸マンションで暮らしている40代前半のIさん。脱サラしてフリーランスのデザイナーとして仕事をしており、ほぼ在宅の毎日。最近の悩み事は、住んでいる地域が住まいのエリアとして人気が出てきたこと。今後家賃が上がるようで、どこまで上がるかわからない毎月の出費が気がかりになっている。そこで、毎月の返済が安定する固定金利でローンを組んで住宅を購入することを決意する。

自宅で仕事をする場合は、その快適性にも注視しておきたいもの。特に生活と仕事が混在し過ぎると、いずれにおいても不具合が生じ、ストレスの原因になってしまいます。家族の生活を妨げず、仕事もしやすい環境について見ていきましょう。

理想は、できるだけリビングから離れたところに仕事部屋・ワークスペースを設けること

リビングは比較的広い空間なので、作業スペースが確保しやすいですが、家族が団らんする場所というのも忘れてはいけません。パソコンに向かって作業するだけならまだしも、リモート会議や通話などが始まってしまうと、そこにいる家族が気を使う必要がでてきます。最初は「仕事だから」と我慢していたとしても、それが続いてくると気を使う側・使わせている側、双方のストレスになってしまうことも考えられます。
理想は、リビングからできるだけ離れた場所に仕事部屋やワークスペースを設けること。人の出入りが多いリビングに近いと、物音や会話が意外と気になって集中できないこともあります。
1人分の作業スペースが確保できればいいので、3帖程度あれば十分。居室ほど広いスペースは必要ありません。
また、最近の住宅は収納が充実していて、ウォークインクローゼットが備わっている物件があります。形状や広さにもよりますが、こういったスペースをワークスペースとして利用しているケースも。ロフトの下、階段の下、階段を上った先にあるちょっとした空間を活用するのも1つの選択肢です。

リビングの一角をワークスペースに

3帖程度あれば十分とはいっても、リビングから離れた場所にワークスペースを設けるのが難しい住宅もあります。やむを得ずリビングの一角をワークスペースにする場合は、できれば可動式のパーテーションなどを設置し、区切られた空間を作るといいでしょう。ただ、家族が帰宅した際に騒がしくなる可能性もあるので、パーテーションの見えるところに「仕事中」と書いておくのがベスト。可動式なので、仕事をしていない時間帯はリビングを広々と使うことが可能です。
家族がいる時間に会議などが入ってしまった場合は、その時だけ別の部屋で行うなど使い分けをすると互いにストレスがないかもしれません。また、子どもが学校に行っている間は、子ども部屋をワークスペースにして、子どもが部屋を使う時間になったらリビングの区切られた空間へ移動するというのも使い分けのひとつ。調整が可能であれば、なるべく子ども部屋での作業時間中にリモート会議を設定してもらうというのもいいかもしれません。

マンションの場合は、共有スペースに注目

最近のマンションの中には、Wi-Fiやコンセントが備わっている共有のワークスペースがある物件もあります。こういったところを利用できるのであれば、家族にも気を使わずに作業が可能です。ただし、利用時間などが限られている場合もあるので、事前にチェックしておくようにしましょう。また、フリーランスの場合は会社員のように就業時間内で働くのではなく、納期や業務量によっては作業が深夜に及ぶこともあります。やはり自宅で作業することも考えて、自宅の中のワークスペースを確保しておく必要はあるでしょう。

会社員の間でもテレワークが進んだことで、新築住宅の中にはワークスペースを備えた物件が見られるようになってきました。そういった意味でも、これからは自宅で作業するフリーランスにとっては物件探しがしやすいタイミングかもしれません。家族構成やライフスタイルによって、ベストな間取りはさまざまだと思いますが、記事を参考にしながら「仕事がしやすく、家族が快適に過ごせる住まい」を見つけてください。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2022年2月24日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。