フリーランスの住宅購入~第二話「できるだけ購入・返済リスクの低い物件を選ぶには・・・編」

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.80

この記事の概要

  •  自宅で作業するフリーランスであれば、駅から離れた物件や最寄り駅の変更、郊外への移転もおすすめ。価格が抑えられ、広さや築年、設備など、ある程度希望にそった物件が見つかることもある。
  •  頭金を増やすというのは、安心やゆとりにつながる。借り入れや贈与など、親の援助を受けるというのもひとつの手。

フリーランスの住宅購入~第二話「できるだけ購入・返済リスクの低い物件を選ぶには・・・編」
フリーランスの住宅購入~第二話「できるだけ購入・返済リスクの低い物件を選ぶには・・・編」

【Iさん】
小学校6年生の息子と近所の雑貨店でパート勤務の妻と賃貸マンションで暮らしている40代前半のIさん。脱サラしてフリーランスのデザイナーとして仕事をしており、ほぼ在宅の毎日。最近の悩み事は、住んでいる地域が住まいのエリアとして人気が出てきたこと。今後家賃が上がるようで、どこまで上がるかわからない毎月の出費が気がかりになっている。そこで、毎月の返済が安定する固定金利でローンを組んで住宅を購入することを決意する。

最近は会社という枠にとらわれず、フリーランスとして働く人が増えてきました。主に自分の専門知識などを活かし、商品やサービスを提供するという働き方で、それぞれの仕事ごとに対価をもらって生計を立てています。月給制ではないため月毎の収入に差はありますが、専門知識を十分に発揮することで固定客が付き、同年代のサラリーマンより高い年収を得ている人もいます。フリーランスの中には「収入にバラつきがあるから、長期的な住宅ローンを組んでマイホームを買うなんて」と、最初から諦めている方もいるようですが、フリーランスだからマイホームの購入は無理ということはありません。また、「買うにしても住宅ローンの借入額を抑えて、できるだけリスクを回避したい。新築は諦めるしかない」とお聞きすることもありますが、条件によっては新築を購入することも可能です。


今回は、フリーランスの方が金銭面で苦慮せず、少しでも安心して購入・返済していくために知っておきたい物件選びのポイントなどをお伝えしていきます。

駅近という条件を外してみる

駅から近い立地というのは、利便性の高さから好まれる条件のひとつです。駅前には、生活必需施設が集積していることが多いですし、頻繁に電車で移動する方であれば、すぐ駅にアクセスできるというのは理想的な立地でしょう。確かに便利に越したことはありませんが、フリーランスの場合、自宅を拠点にしている方も多いようです。通勤時間を気にすることがないのであれば、駅近という条件を外してみると、価格が下がり一気に選択肢が広がります。駅近だと中古しか買えなかったものが、最新設備が備わっている新築が手に入ることも。また、駅から離れたところに大型の商業施設があるエリアも多くなっていますから、駅近でなくても場所によっては日常の利便性は得られます。

最寄り駅を変更してみる

今利用している最寄り駅が、急行などの停車駅、ターミナル駅などの場合は、住宅の価格が高くなる傾向にあります。また、住みたい街のランキングの上位に入るような駅もそれなりに価格帯はアップします。転居先のエリアを大幅に変えたくないという場合、例えば現在の最寄り駅が急行などの停車駅であれば、検討していただきたいのが最寄り駅の条件を近隣駅に変更することです。近隣の各停のみの停車駅エリアでも探してみると、広さや設備が同等でも価格が大きく変わることがあります。
また、エリアを大幅に変更しても構わないというのであれば、これを機に郊外への移住を考えるのもいいでしょう。最近は、移住者に助成金を支給する地方自治体もあります。各自治体のサイトなどに情報が出ているケースがあるので、チェックしてみるのもいいかもしれません。

親からの援助で頭金を増やす

月々の返済額は、頭金の額によっても変わってきます。当然のことながら、頭金が多いと借入額が少なくなるので、返済負担が軽減されます。頭金を増やすには、シンプルに親から借り入れるという方法がありますが、口約束ではなく借用書を作成しておく必要があります。親子だからと、なあなあになるのを防ぐだけでなく、贈与とみなされないようにするというのも目的です。そういった意味では、金利も設定しておくようにしましょう。借用書に記載するのは、借主・貸主の氏名、借入額、返済期限、返済方法、金利などです。証拠を残すため、お金のやり取りは全て銀行振込みで行うのがベストです。

まとめ:条件の見直しや親の援助で、日々の生活にゆとりを

駅前でなく少し離れたところに住む、最寄りは急行駅やターミナル駅などを避けて各駅停車の駅にするなど条件を見直すと、広さや築年、設備などがある程度希望に合った物件が見つかることもあります。また、親の援助を得ることで、返済や日々の生活にゆとりが生まれます。マイホーム購入は無理と諦める前に、さまざまなパターンを探ってみはいかがでしょうか。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2021年6月30日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。