「アンケートで見る不動産トレンド」。物件契約に至ったユーザーの行動・特徴とは?

アンケートから分かる購入・売却の「ポイント」vol.18

この記事の概要

  •  「不動産情報を調べる際に利用したもの」という質問では、2016年は10代~40代においてスマートフォンがパソコンを上回っているが、2019年ではすべての世代でスマートフォンが上回る結果となっている。
  •  情報量の増加は、エンドユーザーがなかなか物件を決められないという状況なども生み出している。物件の検討期間は長期化の傾向にある。
  •  不動産の購入を進めるためには、知識・情報の収集が欠かせないが、情報の取捨選択は難しい。最終的には不動産会社にアドバイスを受ける人が多い様子。

「アンケートで見る不動産トレンド」。物件契約に至ったユーザーの行動・特徴とは?

不動産の購入は人生に何度もあることではありません。
いつかはマイホームを購入したいと考えていても、“どこから始めていいのか分からない”“大きなお金が動くから不安”というような理由から、なかなかその一歩が踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。
そのようなとき参考になるのが、先輩購入者たちの声です。
今回は、不動産情報サイト事業者連絡協議会(略称:RSC)が年1回実施している「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の調査結果を見ながら、物件契約に至ったユーザーの行動・特徴を見ていきたいと思います

“情報収集はスマートフォン”が主流に。各年代で広がるスマートフォンの利用率

不動産情報を調べる際に利用したもの

「不動産情報を調べる際に利用したもの」という質問では、2016年は10代~40代においてスマートフォンがパソコンを上回っていますが、2019年ではすべての世代でスマートフォンが上回る結果となりました。 スマートフォンの特徴は移動中でも情報収集できる点。パソコンではかなわなかった手軽さが、メリットとして受け入れられているようです。1990年代までは、物件を探すのは情報誌をチェックしたり不動産会社へ直接行ったりする方法が主流でしたが、今はインターネットを使って条件を絞り込めば、希望にそった物件が一覧表で閲覧できる時代に。情報がデジタル化されたことや通信速度が速くなったことで、より多くの情報が流通するようになりました。一方、このような情報量の増加は、エンドユーザーがなかなか物件を決められないという状況も生み出しているようです。

物件の検討期間は長期化の傾向に

物件の検討期間は長期化の傾向に

「問合せをしてから契約までにかかった期間」は、1週間~1カ月未満が2016年は41.0%だったのに対し、2019年は13.0%と約3分の1という結果になっています。また、3年間で増えたのは3カ月~6カ月以上で、12.5%が約50%になっています。全体でも1カ月~6カ月以上が約80%を占めており、住まい探しが長期化していることが分かります。
長期化の要因としては、住宅供給数の増加、価格の高騰のほか、消費者の生活スタイルの多様化や情報量の増加などが考えられます。

不動産会社に求めるのは、「正確な物件情報の提供」や「物件に対する詳細な説明」。
不動産購入時に知っておきたい「住宅瑕疵担保責任保険」や「建物状況調査」などの内容を「理解していない」「聞いたことはある」という人が半数以上という結果に

不動産会社に求めるものは?また、その中で特にポイントとなるものは? 下記の用語や内容をご存知ですか?

「不動産会社に求めるものは?」という質問では「正確な物件情報の提供」「物件に対する詳細な説明」が上位となっています。また、「下記の用語や内容をご存知ですか?」という問いに対しては、「住宅瑕疵担保責任保険」や「建物状況調査」について半分以上の人が「知らない」「聞いたことはある」とその意味をよく理解していないことが分かります。

※建物状況調査等についてはこちらをチェック

スマートフォンで多くの情報を得られる時代になりましたが、その情報だけで決めるのではなく、不動産会社から詳細情報を得て検討したいと考えている人が多いようです。また、インターネットでいろいろなことが調べられる時代ではあっても、日常生活に出てこないような専門用語に関しては、理解が進んでいないという結果になっています。

検討者の方がどのように課題を解決して購入に至ったかというような内容はご自身の住宅購入にも役立てることができるでしょう。
不動産は大きな買い物です。専門家の力やノウハウ、今までの事例を活用してベストな選択につなげてください。

※不動産を購入した方・売却した方の生の声を下記にて掲載中。ぜひ参考になさってください

<成約者インタビュー「私の体験談」>

<調査概要>
(1)調査方法・・・不動産情報サイト事業者連絡協議会サイト、会員サイト、不動産情報サイト上で行ったオープン型調査
(2)調査期間・・・2019年3月19日(木曜日)~6月19日(水曜日)の91日間
(3)有効回答数・・・1,560人(過去1年のうちにインターネットでご自身が住む住まいを賃貸または購入するために不動産物件情報を調べた(調べている)方)
※今回掲載分について:「不動産情報を調べる際に利用したもの」以外に賃貸は含まれていません

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2019年12月26日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。