- 都心での生活は、利便性の高さが魅力といえる。各種施設が充実してるので選択肢が多く、多彩な暮らし方ができる。
- 隣家との距離が近い物件が多い、洗濯物が屋外に干せない物件があるなど“都心ならではの住まいや暮らしのカタチ”を理解しておくのがポイント。
- お子さんがいる場合は大人目線だけのメリットだけでなく、転校のタイミングや環境の変化などを慎重に考えることが必要。
第二話「注力したいポイント編」
【Iさんファミリー】
Iさんは40代半ばの都心に通うサラリーマン。妻と小学生・幼稚園児の娘二人と海に近い一戸建てで暮らしている。第一子が生まれたタイミングで自然に囲まれたところで子育てをしたいと郊外の駅から徒歩20分の所に注文住宅を建築。通勤時間も我慢のできる範囲と考えていた。しかし、最近は責任のある仕事を任せられることが増え、できれば通勤時間を短縮してその分業務時間にあてたいと思うようになってきている。
都心での生活は、利便性の高さが魅力。選択肢が多く、多彩な暮らし方ができる
郊外は電車やバスの本数が限られているエリアが多く、1本逃してしまうと次まで何十分も来ない・・・というような経験をされた方も多いと思います。電車が複数路線が乗り入れているのはめずらしく、遅延や運休などが起こった場合は予定を大幅に変更しなくてはならないこともあるでしょう。
都心の魅力は、交通網が発達していて、どこへ行くにも不便を感じにくいという点です。複数の路線が利用できますので、多方面へのアクセスが可能。車がなくても平日・休日問わずアクティブに過ごせます。
スーパーやコンビニ、百貨店、駅ビルなどが充実しているため、買い物や外食をする場所に困ることはないでしょう。遅くまでやっているお店も多いので、買い忘れなどがあっても安心。子育て支援施設が多くあるなど子育て世帯にもうれしい環境が整っています。幼稚園や学校は公立だけでなく、私立も点在しているのでさまざまな選択肢から適した教育機関が選べるのも特徴です。
また、通勤時間が短縮されたことで、自宅で家族と過ごす時間が増えたというお話を聞くことがあります。郊外にいたときは、夕飯を一緒に食べるのは土日や長期休みのときぐらい・・・子どもとお風呂に入るのは月に数回だったという方でも、帰宅時間が早くなれば自然とその時間が増えます。
“都心ならではの住まいや暮らしのカタチ”を理解しておく
郊外では、ゆったりとした敷地にマイホームを構えることは難しいことではありませんが、都心に近ければ近いほど“庭付き一戸建て”のようなマイホームを手に入れるのはなかなか難しいと言えます。価格が高いという側面もありますが、そもそも住宅を建てるための土地がないというものその理由です。広さが確保できない分、一戸建てであれば、3階建ては珍しいことではありません。また、隣家との距離が近い物件が多いという点も知っておきましょう。
広々としたマイホームの庭で子どもと時間を過ごしたいと考えても、都心ではそれがなかなかかなわないのが実情。庭がなくても公園をうまく活用するというのが都心スタイルと言えるでしょう。
駅から近く、利便性を求める層に応えるために、タワーマンションの建設が進んでいるのも都心ならではの傾向と言えます。例えば1,000戸のファミリータイプのタワーマンションが1棟建つと、一気に数千人の人口が増えることになります。少子高齢化が問題になっている中でも子育て世帯の移住が進み、ここ数年で新しい小学校が建設されたエリアもあります。マンションの建設・人口増に合わせて、商業施設や公園などの周辺環境が整っていくので、その利便性はより高いものに変化していくことが期待できます。タワーマンションに住む際に認識しておきたいのは洗濯物や布団が屋外に干せないケースがあるという点。また、タワーマンションでなくても、線路に近いマンションでは洗濯物が線路に落下して運行を妨げる可能性があることから、屋外干しを禁止しているところもあります。“部屋干しだと洗濯物が生乾きになるのでは・・・”という心配もあると思いますが、みなさん消臭・除菌剤を洗剤に加えたり、浴室乾燥機をうまく活用したりするなど上手に工夫されているようです。
お子さんの転校のタイミングや環境の変化に対する配慮も忘れずに
通勤が楽になることや家族との時間が増えるといった大人の目線だけに関心を寄せるだけでなく、お子さんがいる場合は、転校のタイミングを計りながら住み替えることも重要です。郊外から都心への転居は大きな環境の変化も伴いますから、引越す前に何度か現地に足を運んで街を散策するなど慣れておくのもいいかもしれません。その際は、安全面なども一緒に確認しておくと安心です。
お子さんにとっては、毎日会っていたお友達との別れも伴います。住み替えは家族全員が納得することが重要ですので、あせらず、じっくり進めるということも忘れないようにしてください。
20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。
※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。
※ 2019年6月28日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。