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リフォーム予算の目安を把握しておこう

新生活を快適にするマンションリフォームのコツ vol.2

公開日:2016年10月26日

中古マンションのマイホームを手に入れる場合、物件購入はまだステップの“道半ば”です。目指す暮らし方に合ったリフォームを実施して、初めて新生活の本当のスタートが切れるからです。中古マンション購入とリフォームは基本的にセットで考えましょう。

いくら安い中古マンションを見つけても、状態が悪くてリフォームに多額のコストがかかってしまえば、少々高めでもリフォームの必要がないコンディションいい物件のほうが、総支払額は安くなります。住み替えでは多くの場合、予算に限りがあります。その予算を物件購入費とリフォーム費用にどう振り分けるのかを検討する必要があるのです。

そのためには、リフォーム費用の目安程度は知っておく必要があります。リフォームは個別性が強く、一般的には同じ工事に見えても費用は違ってくるケースもあります。それでも、ある程度の目安を把握しておくことは大切です。

金額によってできることは限られてくる

当たり前のことですが、リフォーム費用は実施する面積などによって大きく変動します。今回は60㎡程度のファミリータイプの物件のリフォームを念頭におきます。リフォームにはあまり予算を割かないケース、ある程度は予算を投じるケース、思いきってお金をかけるケースに分けて説明しましょう。

マンションリフォームにおける予算別工事例

リフォーム予算 工事内容
20~150万円 基本的に一部の機器、部材のリフォーム(一部住宅機器の取り換え、壁、床など内装の張り替えなど)
150〜300万円 間取りの大きな変更は難しいが、ある程度全体的なリフォーが可能(水まわりの設備機器の総合的な更新など)
300万円以上 間取りの変更も含めて、抜本的なリフォームも可能。ハイグレードな設備機器も導入できる

*あくまでも目安です。物件の状態などにより異なります

リフォームの費用は2つの要素で決まります。リフォームの対象とグレードです。つまり、システムキッチンだけの取り換え、それに加えシステムバス、さらにトイレといったように、対象が増えるほど費用は膨らみます。また同じ大きさのシステムキッチンでもグレードによって価格は大きく違います。ですから同じ予算でリフォームするとしてもそれほど高くないグレードの機器を選んで多くの対象に手を入れるのか、高いグレードを選んで対象を絞るのかは好みによることになります。今回、紹介する目安に幅があるのは、選択するグレードによって、価格もかなり違うことが影響しています。

リフォーム予算20~150万円なら対象を絞る

リフォームにかけられる予算が20~150万円程度の場合、対象を絞り、グレードも抑える必要があります。まずは傷みが目立つ内装や、故障する可能性が高い機器を優先しましょう。

例えば、中古マンションでは壁のクロスの汚れが目立つケースが少なくありません。8~12畳程度のリビングダイニングの壁や天井のクロスを貼り替えて、窓やドア部分の木部を塗り直す工事で15~30万円程度はかかります。それに床のフローリングの貼り替えを加えたリビングダイニングのお化粧直し全部では、内装部材のグレードにもよりますが、30~100万円程度になります。

和室のリフォーム例

希望する方が多い水まわりのリフォームとして、主な対象になるのはキッチン、バス、トイレです。キッチンのリフォームは、ベーシックなグレードを選んでも、機器と付帯工事費用を合わせて30~40万円は必要です。バスのリフォームは同じく40~60万円、トイレは10~20万円はかかるでしょう。これらに関してグレードを上げれば、費用はかなり上がることの覚悟が必要です

ここまででお分かりのように、リビングダイニングと水まわりというニーズが高い対象を全部リフォームする場合、すべてベーシックなグレードにしても予算100万円程度で納めることは容易ではありません。それにエアコンや給湯器といった経年劣化が考えられる設備機器の交換も含めれば全体リフォームで予算150万円以内というのは厳しいでしょう。この予算ではリフォームの対象を絞ることがポイントになります。

リフォーム予算150~300万円では全体リフォーム

予算150~300万円の場合、基本的に全面的リフォームを考えることができます。ただし、生活の満足度を上げるためにグレードの高い内装部材や住宅機器を選びたいなら、この予算でもリフォーム対象を多少は絞る必要が出てきます。最新式のガスコンロや食器洗浄機を備えたシステムキッチンを選べば、機器価格だけで100万円を超えることは珍しくありません。同じく、グレードが高いユニットバスへの交換も100万円を超える可能性が高いでしょう。つまり、各リフォーム対象で高いグレードばかりを選んでいけば300万円にすぐ達してしまうのです。

全体的にリフォームが可能なこの予算で満足度を上げるためには、グレードを上げる対象、ベーシックグレードで済ませる対象、あるいは、リフォームをしない対象といった具合に分類したメリハリをつけたプランを作成することがポイントになります。

リフォーム予算300万円以上なら、大胆なリフォームも

予算が300万円以上になれば、グレードの高い機器、部材もかなり幅が広がります。また、壁を壊したり、キッチンの位置を変えたりといった間取りの大胆な変更も考えられます。キッチンなど水まわりのレイアウトを変更するには、給排水管やガス管などの引き回しを変えなくてはならないのでかなりのコストがかかります。ある程度の予算がないとできないリフォームなのです。

さらに予算に余裕があれば、レイアウトの一部の変更を超えて、専有部の内装をすべて壊して更新するスケルトンリフォームも検討できるでしょう。基本プランの固まった新築マンションを購入するよりも、あえて低価格の中古マンションを購入し、スケルトンリフォームをしたほうが自分だけのこだわりの住空間が実現するかもしれません。つまり住まいを新築するようなものです。

スケルトンリフォームのイメージ画像

パッケージリフォームなら分かりやすい

マンションリフォームを手掛ける会社の中には、いわゆる定額制リフォームを用意しているケースがあります。坪単価(あるいは㎡単価、基本金額+面積負担額)など一律の金額で分かりやすくリフォーム価格を明示したプランです。プランに含まれる工事内容ももちろん、明らかにしています。

定額リフォームの中には、選べる部材や機器に制限があり、選択の幅が限られているケースが珍しくありません。基本的にはベーシックなグレードの部材や機器になりますが、それでも特に不満がなければ、割安に済むケースもあるので検討する価値はあります。こうしたプランは、一括大量仕入れによって機器や部材のコストを下げ、工事をまとめることで職人の人件費も抑えて、お得な価格を実現していることがあるからです。

こうした定額プランを選ぶのでなければ、マンションリフォームは個別性の高い工事なので、きちんと見積もりを取らないと実際の費用を正確に把握することはできません。それも見積もりは1社ではなく複数の会社にとることも大切です。「何が経年劣化しているのか」「目指す空間はどのようなイメージか」「どこまでグレードや質感にこだわるか」など、リフォームにおける検討要素は多々あります。目的と予算を上手に摺り合わせ、コストパフォーマンスの高いリフォームを目指してください。

執筆

谷内信彦 (たにうち・のぶひこ)

建築&不動産ライター。主に住宅を舞台に、暮らしや資産価値の向上をテーマとしている。近年は空き家活用や地域コミュニティにも領域を広げている。『中古住宅を宝の山に変える』『実家の片付け 活かし方』(共に日経BP社・共著)

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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