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働き方改革とこれからの住まいの関係性を考える(第四話「郊外で暮らす。空き家という選択編」)

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.43

公開日:2019年3月29日

この記事の概要

  • 空き家の総数は、1993年では約448万戸、2013年では約820万戸と約1.8倍になっている。
  • 空き家を取得することになった主な理由として、相続が最も多い割合となっている。メンテナンスが行き届かないケースが多く、地域や周辺住民にとって問題のある空き家が増加。この対策として、2015年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行された。
  • 簡単な手入れをすることで再利用できる空き家は全国で約48万戸ある。これらにリフォームやリノベーションを施し活用することで、空き家問題の緩和が期待できるだけでなく、物件に新たな価値を見出すことができるようにもなる。
  • 働き方改革で住まいの選択肢が広がる今、郊外や地方にある広々とした空き家をリフォーム・リノベーションして移住するというのも考え方のひとつ。空き家の活用によって地域活性化に貢献できるというのも特筆すべき点といえる。

第四話「郊外で暮らす。空き家という選択編」
働き方改革とこれからの住まいの関係性を考える(第四話「郊外で暮らす。空き家という選択編」)のイメージ図

【Eさんファミリー】
Eさんは東京駅近くのオフィスで働く30代のサラリーマン。結婚して5年が経ち、元気いっぱいの息子(2歳)と専業主婦の妻と一緒に、オフィスからドア・ツー・ドアで30分のところにある都内の賃貸マンションで暮らしている。勤務先は働き方改革の流れをくんで、必ずしもオフィスで仕事をしなくてもいいという方針に。息子を伸び伸びとした環境で育てたい、趣味のサーフィンをもっと気軽に楽しみたいと考えているEさんは、郊外でのマイホーム購入を検討中。

年々深刻になる空き家問題

総務省が5年ごとに行っている「住宅・土地統計調査」によると、空き家の総数は、1993年では約448万戸、2013年では約820万戸と約1.8倍になっています。さらに細かく見てみると、“その他の住宅”(=別荘、賃貸用又は売却用の住宅を除いたもの)は、約149万戸から約318万戸と約2倍という状況です。また、約318万戸のうち、木造の一戸建住宅が約220万戸と約7割を占めています。
各メディアで報道のとおり、今後ますます空き家が増える傾向であり、空き家について真剣に考えていく必要があります。

空き家の現状を改善すべく、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行

空き家を取得することになった主な理由として、相続が最も多い割合となっています。相続した住宅というと、自分が住んでいるエリアから遠方にあることが多いせいか、マメに足を運ぶことができず、メンテナンスが行き届かないというケースが散見されます。こうして、次の問題を引き起こす可能性が高まります。

  • 防災・防犯性の低下
  • ゴミの不法投棄
  • 衛生面の悪化
  • 悪臭の発生
  • 樹木の繁茂による通行妨害

このような背景を受けて、2015年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。それまでは、どのような状態の空き家であっても所有者の許可なく第三者が立ち入ることはできませんでしたが、施行後は管理が行き届いていない空き家(特定空家)であれば、自治体は立ち入り調査が行えるほか、所有者を確認するために個人情報を得ることができるようになりました。
この措置法を受けて2015年10月に横須賀市によって初の強制撤去が執行され、以降もいくつかの自治体で実施されています。

空き家をリフォーム・リノベーションして住むという考え方も

特定空家がある一方、駅から1km以内に所在し、簡単な手入れをすることで再利用できる空き家は全国で約48万戸あるという結果が出ています(2013年「住宅・土地統計調査」(総務省))。これらをリフォームやリノベーションして活用していくことで、空き家問題の緩和が期待できるだけでなく、単なる空き家として評価が低かった物件に新たな価値を見出すことができるようにもなります。
これら空き家の情報を得るためには、各自治体のホームページや不動産のポータルサイトなどで公開されている「空き家バンク」というサイトをチェックするという方法があります。自治体ごとに異なりますが、助成金や優遇制度を用意しているところもあるので確認してみるといいでしょう。

空き家の活用で地域活性化にも貢献

空家率の割合は、都心よりも郊外や地方のほうが高い傾向にあります。日本の総人口が減少していることに加え、人口が都心部に集中している点が、郊外や地方の空き家増につながっています。
働き方改革で住まいの選択肢が広がる今、郊外や地方にある広々とした空き家をリフォーム・リノベーションして移住するというのも考え方のひとつかもしれません。購入側のメリットとしては、都心よりも比較的購入価格が安いことや子育てに適した環境が手に入る、自宅に仕事のスペースが確保しやすいということが挙げられます。また、空き家の活用によって地域活性化に貢献できるというのも特筆すべき点です。
住まいの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2019年3月29日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

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