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50代の売却。~親から相続した不動産を売却するまでのステップ~第十話「不動産を売却して現金化し均等に相続するという解決法編」

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.74

公開日:2021年02月26日

この記事の概要

  •  換価分割とは遺産を現金に換えて、相続人で分ける方法のこと。
  •  まずは相続人同士で話し合い、換価分割するかどうかを決める。
  •  換価分割は争族を避けやすいという点が大きなメリット。
  •  相続税だけでなく、贈与税・譲渡所得税が課税される可能性がある点も認識しておく。

50代の売却。~親から相続した不動産を売却するまでのステップ~第十話「不動産を売却して現金化し均等に相続するという解決法編」
50代の売却。~親から相続した不動産を売却するまでのステップ~第十話「不動産を売却して現金化し均等に相続するという解決法編」

【Gさん】
Gさんの父親は30年前に他界。母親は20年前まで都内の中心部にある一戸建てで暮らしていましたが、整備計画により売却。そこで得た現金で、都内に区分所有マンションを三戸(一戸は自宅、二戸は賃貸)購入し、所有していました。そのような中、母親が室内で転倒し骨折。入院生活で次第に体力が低下し、他界してしまいます。遺言書はなく、慌てる2人兄弟のGさんとGさんのお兄さん。遺言書があればな・・・、不動産の組み換えをすすめておけばよかったな・・・など後悔しながら、売却へ向けて動き出しているところです。

換価分割とは遺産を現金に換えて、相続人で分ける方法

不動産などの遺産を売却して現金化し、その現金を相続分に則って相続人で分ける方法を「換価分割」といいます。不動産を複数所有している場合、それぞれの価値が変わってくるので均等に分けるというのはなかなか難しいもの。土地を同じ面積で分けた(共有分割)としても、接道や日照の関係で必ずしも同面積=同価値とはなりません。また、相続人の誰かが不動産をそのまま相続し、その価値に相当する現金を他の相続人に支払うというケース(代償分割)もありますが、まとまった現金が用意できない場合は不可能な対応です。そこで一旦売却して現金化し、現金を均等に分けることで争族を避けるという換価分割を選択するケースが少なくありません。

まずは、換価分割の流れを知っておく

大まかな流れを知っておくと、いざというときも安心です。ここでは、一般的な相続人同士の話し合いから現金の分配までの流れをご紹介します。ただし、それぞれをすべて自分たちで対応するのは大変なので、不動産の遺産分割に精通している信託銀行などにまずは相談し、進めていくと安心でしょう。


①換価分割で問題ないか相続人全員の賛成を得る

1人でも反対した場合は、円滑な換価分割できません。また、換価分割後にやっぱり売却したくなかった・・・という人が出ないようしっかり話し合うようにしましょう。


②代表相続人や分割割合など基本的なことを決める

課税譲渡所得金額(=利益)意思決定をしたり、相続登記時の名義人になったりする代表相続人を決めます。現金の分割割合もこの時点である程度認識を合わせておきましょう。


③相続登記をする

被相続人名義では売却できないので、便宜上代表相続人へ名義変更をします。(相続人同士の共有名義にするケースもあります。)


④不動産会社に依頼し、売却・引渡しをする

不動産会社と媒介契約を結び、販売活動を通して購入希望者を募っていきます。買主が見つかったら、売買契約を締結。引渡しまでに、遺品整理などは済ませておきましょう。


⑤相続人への報告と現金の分配

売買契約締結・引渡しが済んだら、代表相続人は相続人へ報告します。また、売買代金から経費を引いた額も伝え、分配額を確定し分配します。

換価分割のメリットとは

争族を避けるのは誰もが望んでいることで、換価分割はそれが叶いやすいという点が大きなメリットと言えます。さらに、不動産はそれなりに価値のあるものですが、遺産である不動産が遠方にある場合は相続人全員が取得したくないというケースがあります。そういった場合は、現金に換えて分割する換価分割という選択が賢明でしょう。また、相続時に悩ましいのが納税です。でも、換価分割であれば相続人が納税資金を持っていなくても、納税資金の調達が可能。このように現金に換えることで得られるメリットはさまざまです。

注意点や把握しておきたいこと

一方、注意点もチェックしておく必要があります。例えば、Aという不動産が遺産としてあったとします。前述の流れでも少し触れていますが、相続人で売却を決めたとしても亡くなった方そのままの名義でA不動産は売却できません。相続登記をして名義変更をする必要がありますが、単独登記(便宜上、相続人の1人が代表者として相続登記をすること)の場合は、遺産分割協議書上で、換価分割をすることや単独登記は便宜上のものであることを記載しておかないと贈与税の課税対象になってしまう可能性があります。遺産分割協議書を提出した後に慌てないためにも、単独登記をして換価分割する場合は、遺産分割協議書の作成を司法書士などの専門家に依頼すると安心でしょう。また、本編では省略しますが、換価分割における「譲渡所得税」や「所得税の確定申告のしかた」なども複雑なポイントがあり、こちらも事前に税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

そもそも換価分割は、不動産が売却できないと成立しません。不動産会社を選ぶ際は、売却実績なども加味すると良いかもしれません。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2021年2月26日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

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