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50代の売却。~親から相続した不動産を売却するまでのステップ~第五話「相続時に慌てないために~親が元気なうちに済ましておきたいこと編」

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.69

公開日:2020年9月30日

この記事の概要

  •  親の所有する不動産に何らかの問題点がある場合は、早いうちに不動産会社に相談するなどして解消してもらう。
  •  資産の組み換えも検討し、相続対策・収益性のアップをはかっておく。
  •  エンディングノートを活用しながら、遺言書の作成も進めるようにする。

50代の売却。~親から相続した不動産を売却するまでのステップ~第五話「相続時に慌てないために~親が元気なうちに済ましておきたいこと編」
50代の売却。~親から相続した不動産を売却するまでのステップ~第五話「相続時に慌てないために~親が元気なうちに済ましておきたいこと編」

【Gさん】
Gさんの父親は30年前に他界。母親は20年前まで都内の中心部にある一戸建てで暮らしていましたが、整備計画により売却。そこで得た現金で、都内に区分所有マンションを三戸(一戸は自宅、二戸は賃貸)購入し、所有していました。そのような中、母親が室内で転倒し骨折。入院生活で次第に体力が低下し、他界してしまいます。遺言書はなく、慌てる2人兄弟のGさんとGさんのお兄さん。遺言書があればな・・・、不動産の組み換えをすすめておけばよかったな・・・など後悔しながら、売却へ向けて動き出しているところです。

親が元気なうちに済ましておきたいこととは?

第一話「相続の基礎編」のとおり、忙しい50代にとって相続の手続きはなかなか面倒なものです。Gさんのケースでは、親が元気なうちに出来ませんでしたが、慌てないためにも相続対策をはじめとした、親が元気なうちにできることをやっておくと安心する事柄があります。

所有不動産に問題点はないかを確認

親がいくつか不動産を所有していることは、資産がたくさんあるということで、一見安心材料に感じるかもしれません。しかし、いざ相続してみたら問題を抱えており、負の財産になってしまうこともあります。問題のある不動産とは、相続しても売却しにくいような不動産、賃貸に出しても借り手がつきにくい、老朽化が進みメンテナンスに多額の費用がかかってしまう収益性の低い不動産などがあたります。これらは相続しても有効に活用できる可能性が低いため、できれば親の代で不動産会社に相談するなどし、問題点を解消してもらうようにしましょう。
親に所有している不動産のことを聞くのはなかなかハードルが高いかもしれませんが、ここをするかしないかで相続後の負担が大きく変わってきます。ダイレクトに切り出すのは気が引けるという場合は、“知り合いの〇〇さんが、親の不動産を相続したらメンテナンスが大変で苦労したみたい”、“〇〇さんは、相続した不動産を売却したいが物件内容があまりよくなく、なかなか買い手がつかないらしい”など、知人の事例を引用して伝えるというのもひとつの手。第三者の話は意外と受け入れてもらいやすいという点は覚えておくといいでしょう。

資産の組み換えで、相続対策・収益性のアップをはかっておく

より家賃収入が得られる不動産に買い替えたり、他の資産へ変換して収益性を上げたりすることを「資産の組み換え」といいます。
相続対策としては、現金よりも相続税評価額の低い不動産への組み換えが有効とされています。ただし、ここで注意しておきたいのが、相続対策だけに気をとられないようにするということ。さほど収益が見込めないアパートやマンションなどに組み換えたとしても、収益が得られず手持ちの現金が減ってしまう可能性があります。理想的な物件を選ぶよう、話し合っておくといいでしょう。
また、相続後に遺産分配しやすい状況にしておくことも資産の組み換えでできることです。不動産は均等に分割できない可能性があるので、あらかじめ現金化しておく・複数の不動産に組み換えて各相続人が所有できるようにしておくなどの方法があります。

少し先を見越した準備を。エンディングノートを活用しながら遺言書の作成も進めるようにしましょう

少し先を見越して準備をしておくことで、スムーズな手続きにつなげることができます。エンディングノートなども活用しながら相続財産についての情報を整理し、事前にやっておくべきことを進めていくようにしましょう。一方、争族にならないためには遺言書の作成も必要です。エンディングノートには、どんな財産があるかを明記してもらい、遺言書ヘは、それらの相続財産をだれに・どのように分割するのかを記載してもらうようにしましょう。

遺言書には、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。
前者は、自筆で残す遺言書のことです。費用はかかりませんが、検認が必要なためその分時間を要します。検認時に記載に不備がある・内容が理解できないというような場合は無効となってしまうことがネックとなっています。“保管場所が分からず、見つけられないまま相続手続きが進んでしまうこともある”ということは覚えておきましょう。ただし、2020年7月10日より「自筆証書遺言の保管制度」がスタートしたことで、懸念点が少しクリアになりました。これは、法務局で自筆証書遺言を保管してもらえる制度で、保管時には形式の確認も行われます。この制度を利用すれば、検認は不要。保管場所は明確になりますし、形式の不備で無効になってしまうリスクが軽減します。
後者は、公証人に依頼して内容を作成してもらうというもの。費用や時間がかかりますが、専門家が内容をまとめるので不備がなく、原本が公証役場に保管される点が安心ポイントと言えます。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2020年9月30日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

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