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ペットと生涯暮らすためのマンション選びとリフォーム

マンションを購入する際に、絶対に知っておくべきこと(第5回)

公開日:2019年12月26日

この記事の概要

  • 犬や猫といったペットと楽しく暮らしたいと考える方も多いと思います。ただ、戸建てと違ってマンションでペットを飼育するには、様々な制約があります。そうした制約のチェックポイントを解説するとともに、ペットと楽しく暮らすためのリフォームを紹介します。

ペットと生涯暮らすためのマンション選びとリフォーム

高齢化や核家族化が進む昨今、ペットとともに生活することで豊かな暮らしを送ろうとする方が増えています。愛玩動物というよりも、家族同様の生活パートナーとして考えるなど、ペットの位置付けも変わり、関係の密度が濃くなっているようです。戸建て住宅に暮らす場合でも鳴き声などでトラブルになるケースが見られますが、マンション暮らしでは、ペットの飼育はそれなりの制約があります。今回は、制約の厳しいマンションで、ペットと快適に暮らし続けるためのポイントを紹介します。

*本稿では、金魚や小鳥などの小動物ではなく、犬や猫などの一般的な愛玩動物をペットと規定し、居住ルール等についてご説明します。

マンションでペットを飼育すると近隣に迷惑がかかることも

自分たちは、我が子同様にペットを愛していても、他者が同じようにはしてくれるわけではありません。共同生活の場であるマンションではさまざまなルールが取り決められており、ペットの飼育についても管理規約や細則等によって規定されているのが一般的です。

そもそも、なぜ多くのマンションでペット飼育のルールが定められているのでしょう。それは、ペット飼育によって起きがちな近隣トラブルを未然に防ぎ、誰もが不快な思いをせずに日々過ごせるためといえます。ペットは生き物ですから、鳴き声を上げたり、夜間に室内を駆け回ったりするといった行動を完全には止めさせられません。

室内なら家族が容認できれば問題ありませんが、鳴き声が室外に漏れたり、足音が階下の部屋に響いたりすれば近隣問題になってしまいます。また、外に連れ出す際、廊下やホールですれ違ったり、エレベーターに同乗したりする際に、動物のにおいを気にする方もいるでしょう。これは好き嫌いの問題だけでなく、動物アレルギーの方がいる場合も考えられます。エントランスや廊下などに毛等が落ちていれば不快に感じる方が出るのも当然のことです。

このように、ペット飼育によってさまざまなトラブルが考えられるため、ルールが取り決められているわけです。定められたルールを十分に守らずに飼育する住人がいれば、管理が荒れ、マンションの資産価値を下げる要因になりかねません。

「飼育可」でも詳細なチェックが必要

マンションを購入後、ペットを飼いたいと考える場合、まず、「ペット飼育可」のマンションを選ぶことから始まります。ただ「ペット可」とあっても何匹(頭)もむやみに飼えるわけではなく、マンションごとに細かなルールが取り決められているのが普通ですから注意が必要です。

ペットに関するルールの例を挙げてみましょう。

  • ペットの種類による制限(「猫のみ」「犬・猫のみ」など)
  • 飼育頭数への制限(「1匹まで」など)
  • サイズの制限(「抱きかかえられる程度」「○kg以内」など)
  • 衛生・保健面などの管理義務(予防注射の実施、去勢など)

中には「ペット飼育は自己の愛玩用に限る」と規定しているマンションもあるようです。これは、ブリーダーなどが室内で多数の動物を飼育するようなケースを想定してのことのようです。

他に、エレベーターや廊下などの共用部では抱きかかえて移動することなど、ペットの飼い主にルールを課すこともあったりするようです。このように、ペット飼育に関するルールはマンションごとに細かく規定されているのが普通です。したがって、マンション選びの際、「ペット飼育可」の物件をまず探した上で、マンションごとにルールをチェックしておくべきです。

ただし、物件検索サイト等では細かなルールが示されていることは少なく、「ペット飼育可」程度であったりすることが多いようです。細かなルール記載がない場合は、不動産会社を通じてマンション管理組合や管理会社から情報をもらって、自分たちの希望をかなえられるか慎重に確認しましょう。

該当する分譲マンションの物件情報が集められたデータベース的なウェブサイトもありますので、検索で探して確認する方法もあります。ただしこうした民間サイトの情報は正確性を欠くこともあるので、該当のマンション管理組合等に、きちんと“公式”に確認することが大切です。

室内も快適にともに暮らせるようにリフォームしたい

さて、折良く希望の条件にマッチするペット可マンションを見つけられたとしましょう。新築マンションでなければ多くの場合、ある程度のリフォームをするわけですから、その際、可愛いペットと楽しく暮らすための配慮をしてはどうでしょうか。室内における、ペット配慮の例を挙げてみましょう。

臭いへの配慮

室内でペットと暮らす場合、まず対策したいのは臭いへの配慮です。ペットを飼育する場合、多かれ少なかれ、ある程度の臭いが発生することは避けられません。消臭や換気などの機能を持った建材などを選ぶことで、それを最少化し、ストレスを減らすことができるはずです。例えば、臭いを吸着・消臭する壁紙や天井材などが建材メーカーから発売されています。天井や床のリフォームにはこうした素材を選ぶ手があります。エアコンや空気清浄機もなども消臭機能が強化されたタイプを選びましょう。

壁紙や床材などは、ペットが粗相しても簡単に洗え、臭いが付きにくいタイプを選ぶことも大切です。そういう意味では、耐水性のある素材が良いかと思います。

音への配慮

室内でのペットの生活音が外に漏れないよう、音への配慮も大切です。とくに床については、床材の選択等に配慮し、階下に振動を与えない工夫が必要です。フローリングなど硬い素材の床材は、動物の爪でコツコツと歩行音を発生させがちですので、遮音性を高めるか、コルクタイルなど柔らかい素材の床材を選択するなどの配慮が有効です。

傷に強い建材等の採用

動物のツメは、各所にひっかき傷を付ける要因になります。耐久性の強い床材や壁材を採用すると傷が付きにくくなります。ただ硬い床は動物にとって歩きにくかったりもします。傷付いても分かりにくい素材やカラーを選ぶという方法もあるでしょう。

ペットのための動線確保

リビングや寝室などのドアは通常閉めておくことが普通でしょうが、猫などの小動物が室内間を移動したいこともあるでしょう。ドアは閉まっていても、猫が出入りできる「くぐり戸」付きの機能ドアなどが販売されています。間取りを変更する場合には、そうした機能を壁につけることも可能です。

最近は、多くの住宅設備・建材メーカーはペット対応の商品を用意しています。せっかくですから、そうしたアイテムを活用してリフォームするのもよいでしょう。リフォーム会社によっては、ペット共生の住まいづくりを得意としているところもあり、ペットの種類やサイズ、年齢等にマッチした空間を提案してもらえます。

こっそり飼うのは絶対にダメ!

家族同様にペットと暮らしていくためには、室内環境だけでなく、マンション内のルールを遵守することが、快適なマンション住まいの基本です。マンション内でペットと共生していくためには、第三者=他のマンション生活者にストレスをかけることなく、自立した環境で飼う意識が不可欠です。

絶対にしてはいけないのは、ペット飼育が不可でありながら、室内でこっそり飼ったり、飼育ルールを守らなかったりする行為です。鳴き声や生活態度で近隣の方にいずれは気づかれます。そうなると管理組合や管理会社を通じて相応のペナルティを求められることになります。せっかくの可愛いペットと別れなくてはならないことにもなりかねません。賃貸住まいなら退去という選択肢もありますが、分譲マンションだと簡単に住み替えできるものではありません。近隣の住人や管理組合等と気まずい関係のままのマンション生活が快適であるはずがありませんから、そうならないように万全の注意を払いましょう。

執筆

谷内 信彦 (たにうち・のぶひこ)

建築&不動産ライター。主に住宅を舞台に、暮らしや資産価値の向上をテーマとしている。近年は空き家活用や地域コミュニティにも領域を広げている。『中古住宅を宝の山に変える』『実家の片付け 活かし方』(共に日経BP社・共著)

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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