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この記事の概要
J-REITにおける近年の住宅系アセット(一般的な賃貸マンションや学生向け賃貸住宅、高齢者向け住宅・施設)の取引利回り※1は、2006年~2008年頃のファンドバブル期の水準を下回って推移している[図表1]。東京都内で取引利回りが低い事例が多く[図表1左上・右上、図表2]、2024年には港区(三田駅徒歩5分)や江東区(住吉駅徒歩4分)の賃貸マンションで3.3%の事例がみられた[図表2①の7・8]。イールドギャップ※2は取引利回りの低下および長期金利の上昇により、2025年には2.0%まで縮小している事例がみられた[同①の9]。
東京都内以外でも一部の政令指定都市における築浅物件では取引利回りが低い事例がみられ、福岡市城南区(別府駅徒歩2分、2023年竣工)の賃貸マンションの3.4%や、川崎市中原区(武蔵中原駅徒歩15分、2024年竣工)の高齢者向け住宅・施設の3.9%など、3%台の事例がある[図表1左下、図表2①の3と同③の4]。一方、東京都内および政令指定都市以外の地域では3%台の事例は東京都周辺の一部(千葉県市川市や埼玉県川口市)に限られ、近年でも概ね4%以上の水準となっている[図表1右下、図表2②の4]。
※1:取得時における鑑定NOI(直接還元法の鑑定評価額に還元利回りを乗じて算定)を物件取得額で除したもの(還元利回り等の開示のなかった物件は除く)。2025年10月までに取得が公表された物件が対象
※2:不動産投資の評価指標で、取引利回りから長期金利(10年物国債利回り)を引いたもの
一般的な賃貸マンションにおける近年の取引利回りの最低水準が3.3%や3.4%であることに比べ、学生向け賃貸住宅や高齢者向け住宅・施設の同水準は4%前後と上回る水準にある[図表2]。利回りの差は各物件の立地や築年等の条件に加え、アセットタイプ別の運用上のリスクを反映したものとみられる。学生向け賃貸住宅や高齢者向け住宅・施設はオペレーターの事業運営能力や財務状況が大きく影響するオペレーショナルアセットであり、オペレーターの運営能力低下や破綻、オペレーターからの契約変更や契約解約の要請等によるリスクがある。また、長期間の賃貸借契約で投資法人がオペレーターに一棟貸しすることが多く、この場合には昨今の物価上昇局面において十分な賃料の増額改定を行うことが難しいこともリスクといえる。加えて、売却の際の流動性の低さや他施設への転用の困難性等がリスクとなるケースがある。アセットタイプ別では、学生向け賃貸住宅は周辺に立地する大学等の規模縮小や撤退などのリスク、高齢者向け住宅・施設は介護保険等関連制度の改定による収益減少や職員確保における昨今の人手不足の影響などのリスクが考えられる。
東証REIT住宅指数は2021年から低下基調が続いていたが、2025年4月を底に、他の用途別指数と同様に上昇基調へ転じている[図表3]。自己投資口の取得等による資本効率の改善や、米国の利下げに伴う相対的なJ-REITの分配金利回りの高さへの注目から海外投資家の買いが入っていることに加え、住宅系リートでは賃料の上昇や高水準で推移する稼働率により、賃貸事業収益が概ね増加していることから指数が堅調に推移していると考えられる。今後も投資口価格が上昇する場合、公募増資しやすい環境になる他、物件を取得する際の利回りの目安となるインプライドキャップレート※3の低下も見込まれ、住宅系リートによる物件取得が増加する可能性がある。
発 行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部
〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル
レポート作成協力:株式会社都市未来総合研究所 研究部
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※2026年3月27日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。
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