テーマ:マーケット

住宅取得に影響する経済的要因New

みずほ不動産販売 不動産市況レポート

住宅取得に影響する経済的要因

この記事の概要

  • 『令和6年度(2024年度)住宅市場動向調査(国土交通省住宅局、2025年6月公表)*』によると、新築分譲及び既存中古の一戸建て取得において従前住宅の売却価格が強くプラスに影響した。一方、金利動向は、マイナスの影響に転じ、プラスとなったマンションにおいても弱いものとなった。
  • 購入資金総額の世帯年収に対する倍率は新築及び中古の一戸建てと新築マンションで前年から低下した。

*2024年度調査は2023年4月~2024年3月に住み替え・建て替え等を行った世帯を対象とした調査

住宅取得に際し金利動向がマイナスの影響となった

住宅取得者等を対象とする住宅市場の実態把握を目的とした「住宅市場動向調査※1」では、「景気の先行き感(以下、景気先行き)」、「家計収入の見通し(家計収入)」、「地価/住宅の価格相場(価格相場)」、「住宅取得時の税制等の行政施策(行政施策)」、「従前住宅の売却価格(売却価格)」及び「金利動向」といった経済的要因が新築分譲/既存中古の一戸建て/マンションの取得にどの程度影響したかを問うている。

これら各要因についての2024年度調査における回答の指標値※2をみると、「売却価格」が特に新築及び中古の一戸建住宅の取得においてプラスに強く働き、新築及び中古のマンションにおいてもプラスの影響となった。また、「行政施策」と「家計収入」は中古マンションを除いてプラス要因となり、取得を促したとみられる。「金利動向」はこれまで比較的強いプラスの要因であったが、2023年は長期金利が上昇するなど、物価上昇を背景に金利の先高観が強まってきたことから、新築マンションを除いてマイナスの影響となった。プラスとなった新築マンションにおいても金利動向の指標値は年々低下してきている。「景気先行き」は、景気先行きに悲観的な見方の購入者が多かったとみられ、新築・中古ともマイナスとなった[図表1]。

[図表1]住宅取得時に経済的要因が与えた影響度の推移

※1 本レポートは三大都市圏(首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、中京圏(岐阜県、愛知県、三重県)、関西圏(京都府、大阪府、兵庫県))の世帯データに基づく。

※2 上記6要因に関する5段階評価について、それぞれ「大きなプラス影響」に1、「多少のプラス影響」に0.75、「影響なし」に0.5、「多少のマイナス影響」に0.25、「大きなマイナス影響」に0の点数を与え、この点数を5段階評価の回答数の構成比で加重平均して各要因の影響度を指標化した。各要因についてこの指標が0.5より大きければ住宅の取得等にプラスに影響したとみられ、0.5より小さければマイナスに影響したとみられる。

新築分譲住宅の購入資金総額の年収倍率は低下

新築マンションの購入資金総額は直近のピークである2021年の5,279万円から2年続けて下落し、2023年は4,679万円であった。購入者の平均世帯年収も似たような傾向で、2021年をピークとして下落、2023年は891万円となり、年収倍率は5.3倍で前年から0.1ポイント低下した。新築一戸建ては購入資金総額が2023年に4,591万円と新築マンションに肉薄する水準に上昇、平均世帯年収も上昇が続き851万円に達して、年収倍率は5.4倍となり前年から0.2ポイント低下した。なお、マンションは一次取得者の購入資金総額と平均世帯年収の下落が大きく、比較的低廉な郊外立地物件等を購入した層の影響が強く表れた可能性がある。

既存中古は一戸建てとマンションで購入資金総額と平均世帯年収の双方が近い値となり、年収倍率はマンションが前年比0.3ポイント上昇の4.1倍、一戸建てが2年連続低下の4.2倍で、新築分譲との差は双方とも1.2ポイントとなった(マンションは前年から縮小、一戸建ては同程度)。

[図表2]新築分譲及び既存中古の購入資金総額と平均世帯年収(上図)、年収倍率(下図)の推移

住宅市場動向調査にみる省エネ設備の整備状況

注文住宅(新築と建替え)と新築分譲の一戸建て・マンションにおける省エネ設備の整備状況の近年の推移をみると、「二重サッシ又は複層ガラスの窓」については注文住宅で整備率が上がり、分譲一戸建てとマンションでは低下した[図表3左]。猛暑やエネルギーコストの上昇を背景に注文住宅では導入が進んだものの、分譲住宅では建設コストの総体的な上昇で導入を控えがちになったと考えられる。「太陽光発電装置」も同様の理由で、注文住宅で整備率が上昇傾向にあるが、分譲一戸建ては20%程度で頭打ちとなり、マンションは低水準で推移している[図表3右]。

[図表3]省エネ設備の整備状況(左:二重サッシ又は複層ガラスの窓、右:太陽光発電装置)

発    行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部

〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル

レポート作成協力:株式会社都市未来総合研究所 研究部

※本コンテンツは参考情報の提供を目的とするものです。

※2026年1月28日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

※当社は、読者に対し、本資料における法律・税務・会計上の取り扱いを助言、推奨もしくは保証するものではありません。

※本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成していますが、その正確性と完全性、客観性については当社および都市未来総合研究所は責任を負いません。本コンテンツに掲載した記事の無断複製・無断転載を禁じます。