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この記事の概要
文部科学省「学校基本調査」※1によると、大学への入学者数は近年63万人前後で安定的に推移しており、2024年は62万9千人となった[図表1]。18歳人口は減少しているものの、大学への進学率が上昇していることが、入学者数が概ね維持されている理由となる。
2024年の進学率は男子が61.9%、女子が56.2%で、ともに上昇基調であるが、特に女子の上昇が顕著で、2024年の両者の差は5.7%ポイントまで縮小した[図表2]。
大学への入学者数のうち自宅生(実家に居住して通学する学生)以外が大学生向け新規賃貸需要と考えられる。独立行政法人日本学生支援機構による全国の学生を対象とした2022年度の「学生生活調査」※2によると自宅生の割合は59.1%、自宅生以外は40.9%であった。2年前の前回調査でも概ね同比であり、仮に2024年度も同様とすると、2024年の大学生向け新規賃貸需要は25万7千戸程度と推計できる。なお、学生向けに開発された賃貸住宅(学生寮や学生向け賃貸マンション等)は安全面(24時間警備等)や健康面(食事提供等)に配慮した物件も多く、一般的な賃貸物件と比べ費用はかかるものの、女子進学率の上昇(上記)や少子化(子ども一人あたり養育費の上昇)等がこれら物件の需要を高める可能性がある。
データ出所:文部科学省「学校基本調査」
2024年の大学所在地別の入学者数は、東京都が15万7千人で最も多く、次いで大阪府の5万7千人となった[図表3]。12位の宮城県までが1万人以上であり、12都府県で全体の78%を占める。
地元(同一都道府県)の高校以外から入学した2024年の入学者数※3について10年前からの増減を算定すると、増加数は東京都や大阪府で多く、約半数の23都道府県が増加した[図表4]。増加した都道府県では大学生向け新規賃貸需要が拡大した可能性がある。一方、減少数は埼玉県や神奈川県で多い。埼玉県や神奈川県では都区部へのキャンパス移転の動き※4があり、移転後のキャンパス周辺での大学生向け賃貸需要は縮小したと推察される。
文部科学省の推計によると、全国の大学への入学者数は、外国人留学生数が現状のままであった場合は2030年に63万3千人、2035年に59万人、外国人留学生数が増加すると仮定した場合は2030年に64万3千人、2035年に60万8千人と、10年後(2035年)まで60万人前後を維持できると見込まれている[図表5]。
ただし、2040年には18歳人口の大幅な減少や進学率の上昇幅の縮小から、外国人留学生数が現状のままであった場合は2035年比で22.1%減少し46万人、外国人留学生数が増加すると仮定した場合でも同20.2%減少し48万5千人となることが見込まれる[図表5]。
なお、2040年の大学定員に対する充足率は外国人留学生数が現状のままであった場合は72.8%、外国人留学生数が増加すると仮定した場合は76.8%まで低下するとされる。
データ出所:文部科学省 中央教育審議会 大学分科会 高等教育の在り方に関する特別部会(2024年11月12日開催)「進学率・進学者数推計結果について」
発 行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部
〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル
レポート作成協力:株式会社都市未来総合研究所 研究部
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※2025年6月26日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。
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