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この記事の概要
地価は全国的に上昇が続いており、全国の地価は全用途平均+2.7%(前年+2.3%)、住宅地+2.1%(+2.0%)、商業地+3.9%(+3.1%)、工業地+4.8%(+4.2%)とすべての用途で上昇し、三大都市圏、地方圏についてもすべての用途で上昇となった[図表1]。
データ出所:国土交通省「地価公示」
全用途平均の上昇・横ばい・下落の地点数の推移を圏域別にみると、三大都市圏や地方四市の上昇割合が非常に高く、都市部での需要増や再開発などにより地価の上昇が継続している。地方圏では地方四市以外のその他地域でも上昇地点が増加しており、地方圏全体では上昇となった地点が50%に達するなど全国的な地価上昇が顕著となった[図表2]。
住宅地については、低金利環境の継続や共働き世帯の増加、職住近接志向の高まり、更に都心部における投資マネーの流入などからマンション需要が地価の上昇を後押ししている。
一方、交通接近性や生活利便性の良好な周辺地域のうち不動産価格の上昇が続く都市中心部に対して相対的に割安感がある地域では、需要が高まり地価が上昇する傾向が続いてはいるが、一部の地域では地価の上昇に伴う割安感の減退から地価の上昇幅が縮小あるいは下落に転じるケースがみられた。
なお、少子高齢化や過疎化が進む地方都市の住宅地では依然下落が続き、人手不足によるバスの減便なども相次いでおり、交通利便性の低下により更なる地価の下落も懸念されるなど都市部との差は拡大傾向にある。
商業地は、国内外の観光客が増加している地域や、再開発が進む地域を中心に地価の上昇が顕著となった[図表1]。また、利便性が高い都心部ではマンション需要が強く、オフィスや店舗、ホテルなどの商業系用途との競合が引き続きみられる。しかしながら、都市中心部における地価の上昇や建築費の高騰により徐々に上昇幅が縮小している地域もみられるなど、地価の動きには地域や用途において差が生じている[図表3]。
工業地はeコマース市場の拡大による大型物流施設用地等に対する需要からすべての圏域で上昇率が高く、特に地方圏その他の地域においても+2.7%と高い上昇率となった[図表1]。
今後の金利上昇が地価に与える影響については、当面は急激な金利上昇などの動きはないと予想されるが、住宅ローン金利や資金調達コストの上昇に対する懸念から、住宅需要や設備投資など需要者の意思決定に影響を与え、地価の下押し要因となる可能性がある。
地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)の住宅地では、近年、地価上昇が都市中心部に集中する一方で、周辺都市ではその割安感を背景に地価が急上昇した地域も多い。特に札幌市では2023年に約15%の高い上昇率を示したが、地価水準の差※から周辺都市は20%超の急騰を示し割安感を背景に需要が流入したことがうかがえる。ただし、2024年以降は地価急騰を反映して割安感が薄れ、2025年には上昇幅が大きく鈍化し、一部で下落に転じる地域も現れている。対照的に広島市とその周辺都市では、地価上昇が他の主要都市と比較して緩やかで、中心部と周辺都市との地価のバランスが保たれたまま安定的な地価上昇が継続していると考えられる。
発 行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部
〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル
レポート作成協力:株式会社都市未来総合研究所 研究部
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