住宅侵入強盗件数、21年以降2年連続増
防犯が重要な社会課題に

みずほ不動産販売 不動産ニュース 1月号

この記事の概要

  • 住宅侵入犯罪のうち、住宅侵入窃盗が1万7469件(2023年)に達し、前年比で11・3%増加した。特に一戸建ての被害が住宅全体の73・3%を占めた。住宅侵入強盗件数は152件(同前年比+17・8%増)、21年以降2年連続で増加した。また、警察庁も「宅配業者を装う」「窓ガラスを破壊して押し入る」という悪質な手口に警戒を呼びかけるなど、住宅の防犯が重要な社会課題となっている。関連商品やサービスも増えてきた。

コンセントやセキュリティ専用コントローラーが不要

「スペースコアアプリ」のイメージ

「スペースコアアプリ」のイメージ

アクセルラボが提供するスマートホームサービス「SpaceCore(スペースコア)」は、住宅セキュリティを強化するため新型デバイス「サイレン」の提供と「ホームセキュリティ機能」を導入した。IoT技術を用いて住宅の防犯性を向上させるソリューションとなる同機能は、スマートフォンを活用した操作の利便性が特徴。

外出前や外出中でもスマートフォンでセキュリティのオン・オフを切り替えることができ、防犯を強化できる。設置が簡単で、住宅の美観を損なわず「コンセント不要」「セキュリティ専用のコントローラー不要」としている。

「サイレン」の「DEFED Indoor Siren」は、ドアや窓に取り付けたセンサーが侵入を感知すると警報音を鳴らすため、侵入者を撃退しユーザーへ直ぐに警告が届く。記録したデータは警察への被害届の証拠として役立つ。また、建物にセキュリティが設置していることを示すステッカーを提供することで抑止効果を期待できる。

全体として、「スペースコア」は防犯の4つのポイント〈抑止・気づく・撃退・記録〉を重視し、総合的な住宅セキュリティの向上が目的。不動産業にとっても新たな住宅オプションの提供源となる半面、スマートインターホンや監視カメラと併用することで、高度な防犯環境を可能にする。

集合玄関機(Akuvox X915SとAkuvox S539)のイメージ

集合玄関機(Akuvox X915SとAkuvox S539)のイメージ

一方で、集合住宅向けには顔認証対応のスマートインターホン「Akuvox X915S」「Akuvox S539」を発表した。この製品は、入居者が在宅時や外出先でもスペースコアアプリを通じて来客対応が可能なほか、顔認証によるエントランスのスムーズな通過もできる。

同社は22年4月からスペースコアとAkuvox社の集合住宅向けスマートインターホンの連携を進め、セキュアかつ利便性の高い顔認証解錠が求められる市場のニーズに応え、この連携による新サービスの提供を開始し、居住者の生活利便性向上を目指している。

顔認証スマートインターホンは、入居者の顔を登録することで、顔認証のみでエントランスの通過が可能になるのが特徴。またICカードキーによる解錠も可能で、物理的な鍵の廃止とICカードキーによる鍵運用の円滑化が進み、鍵の紛失や退去後の鍵交換作業も不要となり、業務効率の向上と不正利用の防止に寄与する。

賃貸入居者の管理機能では、退去後にアプリから自動ログアウトされることで、高セキュリティが保たれ運用の手間を軽減する。

世界No・1ウォークスルー顔認証

Bio—IDiomエッジソフトウェアのイメージ

Bio—IDiomエッジソフトウェアのイメージ

日本電気(NEC)は「Bio—IDiomエッジソフトウェア」の販売を開始した。このソフトウェアは高速かつ半屋外対応のウォークスルー顔認証世界No・1(米国国立標準技術研究所≪NIST≫)で、2024年顔認証ベンチマークテストの顔認証技術を搭載しているという。

歩きながらでも高精度で顔認証を行うことができ、なりすまし防止機能もある。生体認証の利用が増加するなか、高いセキュリティと利便性の両立を図っている。NECのAI Acceleratorを基礎に開発し、最新の市場ニーズを反映したもの。このソフトウェアは、4台までのカメラを同時に接続でき、導入コストの削減にもつながる。

また、さまざまなソフトウェアとの連携が可能で、入退出システムとの連動を1つの小型エッジデバイスに統合し、中間サーバが不要になったことで運用コストを削減した。そのほか、NEC製エッジ管理基盤との連携によって、システムの構築や運用の効率化を実現できる。

無人で鍵の受け渡し/「誰が」「いつ」「どこで」を自動記録

連携デバイスで24時間鍵の無人受け渡しが可能

連携デバイスで24時間鍵の無人受け渡しが可能

クラウド鍵管理システムを提供するKeeylsが提供する無人鍵の受け渡し管理システム「KEY STATION」は、鍵(物理鍵・デジタル鍵)のやり取りを効率化し、さまざまな国籍の人が多く利用する都市型賃貸住宅の安全でわかりやすい受け渡し体制を可能としている。利用履歴をリアルタイムで自動記録するため「誰が」「いつ」「どこで」鍵を受け取ったのか管理することができる。導入の背景には、週末や営業時間外によるセキュリティの強化という課題があった。

2017年にサービスを開始後、サービスアパートメントやマンスリーマンションでの鍵の受け渡しのほか、駅・商業施設・マンション・コインランドリーなどで利用。家族でのカギのやり取りやハウスキーパー、キッズシッター、ペットシッターに対する鍵の受け渡し、不動産の物件内見、店舗や施設の従業員間による鍵の受け渡しなど、日本全国で毎月5万回以上利用しているという。

具体的には10月1日、アジア太平洋地域を中心に都市型の家具付き賃貸住宅を展開するWeave Living Japan(本社=中華人民共和国香港特別行政区)の「Weave Place —Asakusa South」(全39戸)の導入によって、賃貸住宅の新たな可能性を示しつつ、入居者により安全で快適な生活環境を提供するためのツールとなった。

エントランス、玄関ドア一体型電気錠

「edロックPLUS」のイメージ

「edロックPLUS」のイメージ

LIXILは11月1日、新築用「リジェーロα」とリフォーム用「リシェントアパートドア」に電気錠「edロックPLUS」を追加し販売を開始した。共用エントランスと各住戸の玄関ドアが1枚のカードキーで解錠可能になり、利便性が向上。

この商品の特徴として、従来の「リジェーロα」の「ランダムテンキー」では手動シリンダーとテンキーのみの解錠だったが、「edロックPLUS」を追加することでカードキーを用いた解錠が可能になる。

同電気錠は手動タイプに後付けが可能で、鍵の利便性を高める。参考価格は「リジェーロα」22万4500円、「リシェントアパートドア」が35万1000円(消費税、工事費、運搬費別)。

防犯カメラ設置とネット環境のワンストップサポート

イッツ・コミュニケーションズが新たな集合住宅向けソリューションとして、「イッツコム 共用部カメラサービス」の提供を開始。このサービスは防犯カメラ設置の際にインターネット回線、機器、工事、そしてアフターサポートをワンストップで提供する。

東急線沿線に光回線を敷設し、光高速インターネットサービスを提供している同社の新たな取り組みとして、地域の安全性向上を目指す。集合住宅のオーナーや管理会社のセキュリティニーズに応えるためのサービスで、IP方式のカメラを活用しPCやスマホから遠隔でリアルタイム視聴が可能になる。そのほか、イッツコム指定のサービスプランを契約することで、カメラ設置とネット回線工事費を同社が負担する。

今後も東急線沿線の物件価値向上を図る新たなソリューションの提供を行っていくとしている。オーナーや居住者に安全かつ快適な生活環境を提供し、地域社会の発展に寄与していく方針を示している。

ホワイトLED照射と500万画素で暗い場所も鮮明記録

「ホワイトLED照射あり」の画像

「ホワイトLED照射あり」の画像

ティービーアイが販売を開始した「NW 5M AI ホワイトLED カメラ」は、AIを駆使した侵入者検知機能が特徴。

このカメラは常時赤外線で撮影を行う。人や車を検知するとホワイトLEDを照射し、侵入者に監視カメラの存在を知らせる。また、500万画素の鮮明なカラー映像を暗い場所でもクリアな状態で記録を残すことができるため、犯人の特定や逮捕のための重要な証拠の記録も可能という。

「週刊住宅」(株式会社週刊住宅タイムズ)2024年11月25日号
「不動産流通特集」より転載

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