コロナ収束とともに賃料・稼働率が回復・向上
しかし新型コロナワクチンの接種が行き渡るなどの対策が進むなど、時間の経過とともに、社会や私たちの生活は徐々に落ち着いていきます。不要不急の外出自粛や大規模施設などの休業措置が求められた「緊急事態宣言」は2021年9月で終了し、緊急事態宣言期間外でも集中的な対策が取られていた「まん延防止等重点措置」も2022年3月までで終了。新型コロナウイルス感染症の位置づけも、当初2類相当でしたが、2023年5月から「5類感染症」に移行するなど、年とともにコロナ禍以前の生活に戻っていきます。
下記の図は、全国13都道府県14エリアの不動産仲介業者(アットホーム加盟店)への景気動向についてのアンケート調査になりますが、2020年に大きく下がった状況も、年とともに緩やかに回復し、現在はコロナ禍以前の状態にまで戻ってきています。
(図3)首都圏・近畿圏における直近1年間の業況の推移(賃貸)
出典:アットホーム「地場の不動産仲介業における景況感調査」
実際、仲介物件の取引量についても、2022年前半あたりから前年比プラスに転じています。賃貸投資用の一棟マンションについても、同様の動きを見せています。
(図4)居住用賃貸マンション成約件数前年比推移(首都圏)
出典:東日本不動産流通機構「『レインズシステム利用実績報告』首都圏会員登録状況成約数(住宅以外の建物を除く)」
国内最大の不動産投資プラットフォーム「楽待」を運営するファーストロジックによると、同サイト内における投資用一棟マンションの物件価格は、2021年あたりから上昇基調に転じ、2023年からは多少上下するものの2億円台をキープしています。
(図5)一棟マンションの物件価格と表面利回り
出典:ファーストロジック「2023年10~12月期 投資用不動産の市場動向」
また、物件価格が上昇しているにもかかわらず、表面利回りも微増しているということは、賃料が回復していることの傍証にもなりそうです。