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この記事の概要
サブリースの仕組みは、サブリース事業者がオーナーの物件を借上げるマスターリース契約(特定賃貸借契約)と、サブリース事業者が借上げた物件を入居者に転貸するサブリース契約(転貸借契約)の二つから成り立っており、二つの契約の差益がサブリース事業者の収益となる仕組みです。以下表にて、メリットを4点挙げてみます。参考にしてみてください。
サブリース方式にはメリットがある半面、デメリットもあります。サブリース新法では、メリットのみを伝えて勧誘する行為が禁止されています。
事業経験の浅いオーナーがよく理解せずに契約しがちなデメリットを、同じく以下表にて4点挙げてみます。
サブリース方式は、きちんと理解して活用できればとても便利な仕組みです。しかし、世の中で発生しているトラブルの大半は、オーナーが賃貸経営のリスクやマスターリース契約書の内容を十分理解しないままに、契約締結していることから発生しています。
サブリース方式も一般の賃貸も、収益の源泉は入居者が支払う家賃であることには変わりありませんので、賃貸経営がうまくいくためには、そのエリアのニーズに合った物件が相場の賃料で提供されていることが大前提となります。オーナー自身でも不動産ポータルサイトなどを見て市場性を調べるべきでしょう。
また、賃貸住宅は新築当初は入居者が決まりやすいですが、築年数がある程度古くなってくると決まりにくくなってくるため、家賃を下げて募集するのも一般的です。賃貸経営は長期間行うものなので、事業計画に値下がりリスクを織り込んでおく必要があります。
さらには、賃貸経営をうまく行かせるためには大小の修繕が欠かせませんので、事業計画にその修繕費用を見込んでおかなければなりません。退去した後のリフォームをきちんとしなければ次の入居募集が難しくなりますし、エアコンや給湯器などの設備が故障した場合には修理や交換が必要となります。建物の大規模修繕も、10~15年周期で実施しなければなりません。
サブリースの仕組みをうまく使うには、これらをオーナーがきちんと理解することが重要です。
サブリースは魔法の杖ではなく、基本の考え方は一般的な賃貸経営と変わりません。そのことに留意しつつ、事業計画書やマスターリース契約書の内容を精査し、契約締結へと進めるようにしてください。
伊部尚子
公認不動産コンサルティングマスター、CFP® 独立系の賃貸管理会社ハウスメイトマネジメントに勤務し、賃貸仲介・管理業に20年従事。現在は不動産の利活用や相続支援業務を行っている。金融機関・業界団体等での講演多数。
※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。
※ 2023年3月29日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。
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