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この記事の概要
賃貸住宅が古くなると、以下のような困りごとが発生しがちで、建替えを検討し始めるオーナー様が多くなります。
建替えをうまく進めるためには多くの時間が必要となるため、何も問題の無いうちから長期的な計画を立てておくのがお薦めです。問題が起きてから検討を始めた場合、その対処のためにも急がなければならなくなり、十分な検討時間を確保できず、結果的に収益が下がったり、余分なコストがかかることも少なくありません。
建替えせずに建物を維持管理していくには、定期的に大規模修繕を実施し、室内設備の交換や修繕を行っていく必要があります。修繕で外観や機能が向上しても築年数は古いままなので、入居者を継続的に確保するためには築年数に負けない魅力付けが必要になります。
大規模修繕は足場を立てて、外壁補修や屋上防水、鉄部塗装などを実施しますが、バルコニー内部の防水工事などは、入居者の協力無しには実現しません。
また、漏水事故を防ぐためには室内の給排水管の継ぎ手や劣化部分の交換が必要ですが、住戸内に立ち入って床や壁を一部壊さないと出来ませんので、退去に合わせて各住戸ごとに工事するのが現実的です。退去のタイミングは予測不能なので、ある程度の期間コツコツと修繕を積み重ねて行く必要があります。
築年数を経た賃貸住宅の経営は難易度が高いため、引き継ぐ意向のある次世代がいない場合には、売却するのも選択肢の一つとなるでしょう。
賃貸物件の建物を「どのように運用していくのか」を決めていないというオーナー様はとても多いですが、建替えや維持修繕の難易度やコストが上がっている昨今では、大規模修繕を行うのか、将来は建替えか売却かなどを、なるべく早めに検討開始して欲しいと思います。
伊部尚子
公認不動産コンサルティングマスター、CFP® 独立系の賃貸管理会社ハウスメイトマネジメントに勤務し、賃貸仲介・管理業に20年従事。現在は不動産の利活用や相続支援業務を行っている。金融機関・業界団体等での講演多数。
※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。
※ 2022年9月29日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。
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