テーマ:マーケット

東京圏分譲マンションの価格帯別の供給・販売動向New

みずほ不動産販売 不動産市況レポート 7月号

この記事の概要

  • コロナ前の2019年度を底に、供給戸数は全価格帯で回復基調。契約率は70%を超え売れ行きは好調
  • 長期間、供給が細っていた一次取得向け価格帯で供給が上向きに
  • 1億円以上の高額帯の供給戸数が2021年度に大幅に増加し、過去10年で最高値を更新

1)供給戸数は2年連続して増加。全価格帯で契約率は70%を超え販売は好調

東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の分譲マンションの供給戸数は、消費増税の影響などから供給が大きく減少した2019年度を底に回復基調にあり、2020年度、2021年度と2年連続して前年度から増加した。特に一次取得向けと1億円以上の高額帯が供給をけん引している。

不動産経済研究所によると、2021年度の供給戸数は3万2,872戸で3年ぶりに3万戸を超える水準となった。価格帯別には、多い順に、ボリュームゾーンの4千・5千万円台が約1.44万戸で、以下6千・7千万円台が約7.1千戸、3千万円台以下が約6.0千戸、1億円以上が約2.9千戸、8千・9千万円台が約2.4千戸で、1億円以上の高額帯が8千・9千万円台を2021年度に逆転している[図表1左]。

全価格帯で2019年度から供給戸数は増加し、また2021年度の契約率はいずれも70%を超え、販売は好調に推移した[図表1右上、右下]。

2)コロナ下、一次取得向けの供給戸数が長期の供給減から反転・増加

コロナ前まで長期にわたり供給戸数が大きく減少していた一次取得向け(3千万円台以下、4千・5千万円台)で、コロナ下、供給の反転・増加がみられた[図表1左、右上]。販売も好調で、特に3千万円台以下では、2021年度、契約率が約80%と高い水準であった。一次取得層は、従前は比較的狭小な賃貸住宅等に居住する世帯であり、これら一次取得層が、コロナ下にテレワーク対応などから顕在化した広い間取りの住宅ニーズにより分譲マンションの取得に動いたこと、またデベロッパーが需要増にあわせて供給を強化したことが、一次取得向け価格帯での供給増と好調な販売につながった可能性がある。

[図表1]価格帯別の供給状況(供給戸数推移、コロナ前/コロナ下の供給戸数増減、直近2021年度の供給戸数と契約率)

[図表1]価格帯別の供給状況(供給戸数推移、コロナ前/コロナ下の供給戸数増減、直近2021年度の供給戸数と契約率)

※3千万円台以下、4千・5千万円台、6千・7千万円台の区分はそれぞれ、4千万円、6千万円、8千万円を含む

データ出所:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向」

[図表2]2021年度の価格帯別エリア別供給戸数分布

[図表2]2021年度の価格帯別エリア別供給戸数分布

※3千万円台以下、4千・5千万円台、6千・7千万円台の区分はそれぞれ、4千万円、6千万円、8千万円を含む

データ出所:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向」

これらの価格帯は従来から東京23区外の郊外部での供給が中心で、2021年度も東京23区の占める割合は2割前後で、約8割は郊外部で供給された[図表2]。

その上の価格帯の6千・7千万円台でも供給戸数が増加している。マンション価格が上昇を続けるなか、一次取得層の需要を一部取り込むかたちで供給が増加したと考えられる。

3)1億円以上の高額帯の供給が東京23区で大きく増加

2021年度は、1億円以上の高額帯の供給が、過去10年の最高値を大きく更新した[図表3左]。そのほとんどは東京23区での供給であり、都心部での供給が一層進んだ格好となった。なおストックでは、東京23区で直近10年間に供給された住戸のうち、最近5年間に供給された築浅住戸の占める割合は6割を超えている[図表3右]。

[図表3]1億円以上の価格帯の供給戸数推移と直近10年間のストック構成(東京圏)

[図表3]1億円以上の価格帯の供給戸数推移と直近10年間のストック構成(東京圏)

データ出所:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向」

2021年度、東京23区を中心に全エリアで即日完売戸数が増加し即日完売率も上昇

分譲マンションの売れ行きや人気を測るバロメーターとなる即日完売戸数(各期分け分譲戸数のうち販売当日に売り切れた戸数)は、2021年度に全エリアで昨年度を上回る水準となった。即日完売率(即日完売戸数が供給戸数に占める割合)も全エリアで昨年度を上回った。

即日完売戸数は東京23区で大きく増加した。臨海部の大規模物件が人気で、東京オリンピック・パラリンピック大会の選手村住宅を転用し整備された「HARUMI FLAG」のほか、1億円以上の高額住戸からなる大型タワーマンションの分譲で即日完売となった。そのほかでは、東京23区内や郊外部における、都心へのアクセス性の高いエリアに立地する駅近物件などで即日完売がみられた(東京都渋谷区・葛飾区、神奈川県川崎市、千葉県流山市、埼玉県川口市所在物件など)。

即日完売率は東京23区での上昇幅が大きく、2021年度は8%を超える高い水準となった。次いで千葉県で大きい伸び幅がみられた。

[図表4]2020年度、2021年度の即日完売戸数と即日完売率(東京圏)

[図表4]2020年度、2021年度の即日完売戸数と即日完売率(東京圏)

※物件名、所在地、戸数等が開示された分を集計

データ出所:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向」

発    行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部

〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル

レポート作成:株式会社都市未来総合研究所 研究部

※本コンテンツは参考情報の提供を目的とするものです。

※2022年7月27日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

※当社は、読者に対し、本資料における法律・税務・会計上の取り扱いを助言、推奨もしくは保証するものではありません。

※本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成していますが、その正確性と完全性、客観性については当社および都市未来総合研究所は責任を負いません。本コンテンツに掲載した記事の無断複製・無断転載を禁じます。