3.入居申込み後のキャンセルを防ぐ
入居審査にあたって注意したいのが、「申込の意思の固さ」です。非対面が進み、内見が気軽になればなるほど、気軽な気持ちで入居申込みをすることが可能になっています。
不動産の売買契約では解約手付金の授受が認められており、売主が契約履行に着手する前に買主から契約をキャンセルしたいとなれば、手付金は解約手付金として売主のものになります。買主としても、購入の意思が固くないと手付金を支払わないでしょう。
しかし、不動産の賃貸借契約では手付解約が認められておらず、例えば申込金を受け取ったとしても契約前にキャンセルになれば、全額返金しなければなりません。つまり、申込者の立場で考えれば、契約まではペナルティ無しでキャンセル出来るため、気軽に申込みをしても困らないということになります。
契約直前にキャンセルになった場合を考えてみると、その間入居募集はストップしているため、オーナーにとっては大きな機会損失となります。キャンセルを防ぐためには、スピード感をもって、きちんとした入居審査を行い、契約日も早めに決めて、必要書類を揃えて頂くなど、契約締結に進めていくことが重要と言えるでしょう。
一度賃貸借契約を締結すれば、オーナー側の都合で簡単に解約できませので、入り口できちんと入居審査をすることが後のトラブル防止に繋がります。
非対面での入居申込みが増える時代には、入居申込書から垣間見える人物像に興味を持ち、「その人が入居申込に至った理由がすんなりと納得できるか」という視点を大切にして頂きたいと思います。