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この記事の概要
住宅取得者等を対象とする住宅市場の実態把握を目的とした「住宅市場動向調査※1」を国土交通省が2001年度から継続して実施している。同調査では、「景気の先行き感(以下、景気先行き)」、「家計収入の見通し(以下、家計収入)」、「地価/住宅の価格相場」、「住宅取得時の税制等の行政施策(以下、行政施策)」、「従前住宅の売却価格(以下、売却価格)」および「金利動向」といった経済的要因が住宅取得にどの程度影響したかを問うている。
これら各要因についての回答を指標化※2したところ、2020年度調査では、景気先行きを除く経済的要因は新築(分譲)・中古の戸建・マンションの住宅の取得においてプラスに影響した。そのうち、「金利動向」や「行政施策」は全ての住宅において比較的高いプラスの影響度であり、低金利政策や住宅政策が住宅取得のインセンティブになっているといえる。また、「売却価格」は中古戸建では高い影響度であるが、その他では影響度が低下している。景気先行きは新築マンションを除いてマイナスの影響となっており、2020年度調査ではコロナ禍の影響は一部であるとみられるが、足もとでは景気の先行き不透明感があり、より強く住宅取得にマイナスの影響を及ぼしている可能性がある[図表1]。
[図表1]住宅取得時に経済的要因が与えた影響度の推移
データ出所:国土交通省「令和2年度(2020年度)住宅市場動向調査」
※1 前年度中に住み替え等を行った世帯が対象。本レポートは三大都市圏(首都圏、中京圏、関西圏)のデータに基づく。
※2 上記6要因に関する5段階評価について、それぞれ「大きなプラス影響」に1、「多少のプラス影響響」に0.75、「影響なし」に0.5、「多少のマイナス影響」に0.25、「大きなマイナス影響」に0の点数を与え、この点数を5段階評価の回答数の構成比で加重平均して各要因の影響度を指標化している。各要因についてこの指標が0.5より大きければ住宅の取得等にプラスに影響したとみられ、0.5より小さければマイナスに影響したとみられる。
取得した住宅を選択した理由についての設問(複数回答)において、「新築/中古だから」、「戸建/マンションだから」、といった属性以外で回答を多く集めたのは、「価格の適切さ」と「立地環境の良さ」であった[図表2]。
新築住宅では「立地環境の良さ」が戸建で46.4%、マンションで69.4%とそれぞれ「価格の適切さ」を上回る回答を集め、中古住宅では「価格の適切さ」が戸建で56.0%、マンションで67.1%と、他の理由を上回る回答を集めた。
「立地環境の良さ」は、近年新築マンションで回答割合が7割前後と高い(2019年は61.3%で低かったが最多)。中古マンションでも6割前後の回答を集め「価格の適切さ」に次ぐ多さである。
[図表2]住宅選択の理由(複数回答)
2020年(令和2年)10月1日現在の我が国の人口は1億2622万7千人で、2015年に比べ、86.8万人減少(0.68%減)と引き続き人口は減少。人口が減少した市町村は82.4%にのぼる。世帯数は5572万世帯で、2015年に比べ、227.1万世帯増加(4.25%増)。東京都区部と政令指定都市20市について、人口と世帯数の増減率が全国を上回ったのは都区部と札幌市など11市で、両者とも全国を下回ったのは新潟市など5市であった。
[図表3]東京都区部および政令指定都市の人口・世帯増減(2020/2015年)
データ出所:総務省「令和2年(2020年)国勢調査 人口速報集計」
発 行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部
〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル
レポート作成:株式会社都市未来総合研究所 研究部
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※2021年8月11日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。
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