J-REITによる賃貸マンションの運用状況は堅調(東京23区)
J-REITの賃貸マンション(東京23区)の平均稼働率※4は2010年度以降上昇基調である[図表5]。2017年度に都心6区の平均稼働率がその他17区に追いつき、2018年度下期には98%前後の水準まで上昇している。
東京23区の貸室賃料収入単価※4、5は2008年度上期にピークに達しており、2018年度下期は都心6区で2008年度上期の91%の水準、その他17区で96%の水準まで回復している[図表6]。都心6区はその他17区の回復をやや下回るものの、2014年度上期から2018年度下期の上昇率は3.6%で、その他17区の1.4%を上回る。
平均稼働率や貸室賃料収入単価の上昇を背景に2014年度下期以降のNOI※4、6は増加基調である[図表7]。2018年度下期の都心6区は2008年度上期のピークの83%の水準、その他17区は91%の水準まで回復している。NOIの2014年度上期から2018年度下期の増加率は都心6区で6.7%と、その他17区の2.7%を上回る。
東京23区の期末鑑定評価額※4は2007年度下期にピークに達しており、2018年度下期の都心6区は2007年度下期の97%の水準まで回復、その他17区は102%と2007年度下期を上回る[図表8]。2012年度上期から2018年度下期の増加率は都心6区で23.4%と、その他17区の18.0%を上回る。
以上、J-REITの賃貸マンションの運用状況は堅調に推移しており、近年は都心6区でその傾向が顕著にみられる。
※4 2018年度下期時点にJ-REITが保有している賃貸マンションで2007年度上期から2018年度下期まで連続して各データを取得できる物件で算出、※5 貸室賃料収入÷(賃貸可能面積×平均稼働率)、※6 Net Operating Income(賃貸収入-賃貸費用で算定)