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この記事の概要
課税対象となった被相続人数は全国ベースでは約10万3千人(対前年増加率83.2%)と大幅に増加し、課税割合は8.0%と、対前年比3.6ポイント上昇した[図表1]。都道府県別には、東京や名古屋など大都市を擁する都府県では総じて被相続人数、課税割合とも大きく、特に東京都区部の課税割合(16.7%)は全国平均(8.0%)の2倍にのぼり、死亡者の約6人に1人が課税対象の被相続人となっている[図表2]。区部以外の東京都市部(13.6%)も愛知県(13.8%)と概ね同等の高水準となっている。(東京都は「区部」とそれ以外の「市部」に分けて集計した。)
相続財産価額全体における土地・家屋価額の規模とその割合を国税局所管地域別に整理すると、東京、名古屋などの土地・家屋価額が大きい地域は相続財産に占めるその割合も比較的高い一方、価額が相対的に小さい広島、仙台などの地域はその割合も低くなっている[図表3]。
[図表1]課税対象となった被相続人数と課税割合の推移(全国)
[図表2]課税対象となった被相続人数と課税割合(2015年、都道府県別)
[図表3]相続財産における土地・家屋価額とその割合(2015年、沖縄を除く国税局所管地域別)
データ出所:図表1~3とも国税庁「統計情報:相続税(各年分)」、「平成27年分の相続税の申告状況について」。図表1、2は厚生労働省「人口動態統計」(各年分)もあわせて使用した。
※1:国税庁によれば、「統計情報:相続税」の最新の公表情報は、平成27年(2015年)分(2017年11月時点)。(平成28年分の公表予定時期は2018年4月)
2015年1月施行の税制改正における相続税の基礎控除額引き下げ等を契機に、従前と比べて土地や現金・預貯金などへの相続税課税の蓋然性が高まったため、新税制に基づく課税額の試算や、とり得る対策の検討など相続に備えた対応の必要性が高まっているものと考えられる。
1都3県(東京圏)の住宅所有者を対象とする、老後の生活および資産のあり方に関する意識調査※2によれば、資産を自分や配偶者で使うか、家族に残すかについては、自分や配偶者で使いたい意向が約4割、家族に残したい意向が約3割と態度が分かれている[図表4上]。
どのような資産を家族に残したいかについては、現金・預貯金・株式・国債などの金融資産(72.3%)に次いで、土地(49.0%)、建物(46.8%)の順に多くなっている[図表4下]。実際にどのような不動産資産を保有しているかについては6割近くが自宅用の一戸建て住宅を、4割近くがマンションを1都3県において所有している[図表5]。
また、住生活や資産等に関する諸課題への対処状況のうち、遺産相続への対処については「具体的な方策を実行している」のは約1割にとどまるものの、「具体的な対処方法を検討中」が25.7%、「対処方法について考え始めている」が27.5%となっており、これらをあわせて半数以上が、遺産相続について今後具体的な対処に取り組む可能性がうかがえる[図表6]。保有不動産の売却・活用への対処状況についても概ね似通った特徴がみられる[図表6]。
[図表4]資産を家族に残したいか(上図)
どのような資産を家族に残したいか(下図)
[図表5]保有している不動産資産の種類(1都3県)
[図表6]住生活や資産管理等の困り事に対する対処状況(遺産相続、保有不動産の売却・活用について抜粋)
データ出所:図表4~6とも(一社)全国住宅産業協会「住宅所有者等への維持管理と対処状況に関する調査」、「住宅所有者への老後生活に関する調査」
※2:本調査は、1都3県における住宅所有者(親が所有するケースも一部含む)を対象に、住生活や住宅・資産の維持管理等に関する困り事と対処状況、老後の生活や資産のあり方に関する意識等について調査し、2017年6月頃に公表したもの(調査名、調査主体は上のデータ出所に記載)
発 行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部
〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル
レポート作成: 株式会社都市未来総合研究所 研究部
※本コンテンツは参考情報の提供を目的とするものです。
※2017年12月15日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。
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