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地方政令指定都市(三大都市圏以外の政令指定都市)の人口動態と地価動向

みずほ不動産販売 不動産市況レポート 9月号

この記事の概要

  • 2015年国勢調査によれば、地方圏(三大都市圏以外の圏域)では沖縄県、福岡県を除くすべての道県で人口が減少
  • 他方、地方圏の政令指定都市(以下、地方政令指定都市という。)に関しては、過半の都市で人口が増加、同一道県内では地方政令指定都市へ人口が集中する傾向
  • 地方政令指定都市の地価(住宅地)は同一道県内では上昇率が高い(もしくは下落率が小さい)傾向

*本レポートの分析対象期間には東日本大震災が発生した2011年が含まれるため、宮城県および同県内の仙台市、石巻市、大崎市のデータに関しては定常的な状態を示すものではないが参考として掲載した。

1) 地方圏の政令指定都市の過半が人口増加。同一道県内では地方政令指定都市へ人口が集中する傾向

2015年国勢調査によれば、2010~2015年(各年10月1日時点)の5年間に人口が増加したのは三大都市圏を中心とする8都県にとどまった。地方圏においては、政令指定都市が所在する道県、すなわち地方の中核的な道県ですら、福岡県を除き、人口が減少している[図表1]。

他方、地方圏の政令指定都市(以下、地方政令指定都市という。)に関しては、10都市のうち6都市で人口が増加している(新潟市、静岡市、浜松市および北九州市が減少)[図表2]。また、地方政令指定都市が所在する8道県の大半で、政令指定都市の人口増減率が各道県の市部平均を1~4%程度上回っており(静岡市(同水準)、北九州市(下回る)除く。)、同一道県内では地方政令指定都市へ人口が集中する傾向がうかがえる[図表2]。

[図表1]2010~2015年の5年間の人口増減率(都道府県別、人口増減率の高い順)

[図表1]2010~2015年の5年間の人口増減率(都道府県別、人口増減率の高い順

データ出所:総務省「平成27年国勢調査」

[図表2]2010~2015年の5年間の人口増減率(地方政令指定都市が所在する8道県、各項目は平均値)

[図表2]2010~2015年の5年間の人口増減率(地方政令指定都市が所在する8道県、各項目は平均値)

データ出所:総務省「平成27年国勢調査」

2)地方政令指定都市の地価(住宅地)は同一道県内で比較すると上昇率が高い(もしくは下落率が小さい)傾向

2016年地価公示(基準日1月1日)によれば、地方政令指定都市10都市のうち6都市で地価公示価格(住宅地)の対前年変動率がプラスもしくは横ばいであった[図表3]。また、地方政令指定都市が所在する8道県について、人口10万人以上の都市※1を抽出し、2011~2016年※2の地価公示価格(住宅地)の対前年変動率の推移を比較すると、大半の道県で地方政令指定都市の地価は上昇率が高い(もしくは下落率が小さい)傾向にある(仙台市、静岡市、浜松市および北九州市は該当せず。)[図表3]。こうした地価動向の優位性は、前述した人口動態の優位性を反映している側面があると考えられる。

地方圏にあっても、多くの政令指定都市は、同一道県内で人口が集中する傾向にあり、また、地価動向においても優位性が高い傾向がうかがえる。

※1 2016年1月1日時点(国土交通省「地価公示(平成28年)」による。)。

※2 前述の国勢調査の分析期間(2010年10月1日~2015年10月1日)に合わせて、2011年1月1日~2016年1月1日の5年間としたもの。

[図表3]2011~2016年の地価公示価格(住宅地)の対前年変動率の推移(地方政令指定都市が所在する8道県を対象に人口10万人以上の都市を抽出)

 [図表3]2011~2016年の地価公示価格(住宅地)の対前年変動率の推移(地方政令指定都市が所在する8道県を対象に人口10万人以上の都市を抽出)

データ出所:国土交通省「地価公示(各年)」

<参考>2015、2016年の地価公示価格(住宅地)の対前年変動率(都道府県別、2016年変動率の高い順)

<参考>2015、2016年の地価公示価格(住宅地)の対前年変動率(都道府県別、2016年変動率の高い順)

データ出所:国土交通省「地価公示(各年)」

発    行: みずほ不動産販売株式会社 営業統括部

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レポート作成: 株式会社都市未来総合研究所 研究部

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