2.リフォームはどこまで必要か
自宅・実家を賃貸したいというお客さまのご相談を受ける際に、多くの不動産会社が難しいと感じるのが、リフォームの提案についてです。自宅・実家として使われていた一戸建てや分譲マンションの一室は広めのファミリータイプであることが多く、壁紙貼り替え一つとっても高額になるため、なるべくお金をかけないで入居者募集をしたいと考えるオーナー様は少なくありません。
自宅・実家を賃貸に出す場合、ライバルとなるのは賃貸用に建てられた一戸建てや、ファミリータイプの広めの賃貸マンションです。それらは賃貸市場で戦い続けてきているだけあって、不動産ポータルサイトを見ても壁も床もきれいで写真映えするものが多いです。特に、汚れが目立ちやすい壁紙は頻繁に貼り替えられています。
一般的に自宅・実家用の物件は、賃貸用のものと比べて設備も仕様もグレードが高い場合が多いのですが、借り手目線で考えると、設備や仕様のグレードの前に「清潔感」が求められます。お部屋を借りようとする方は、不動産ポータルサイトでエリアや間取り、賃貸条件を入力し、候補物件を絞っていきます。昨今のお部屋探しでは、実際に現地を見に来る前に写真で物件を絞り込むので、前の居住者の痕跡が感じられる物件は、実際に見学を申し込む候補から外れてしまうことが多いのです。
自分や家族が生活する上で少しずつ付いてしまった汚れは見慣れてしまうものですが、借りる人にとっては気になるものです。ましてや比較する他の物件がきれいであれば尚更です。実際に、リフォームをあまりしなかったことで入居者が決まるまでに時間がかかってしまい、空室期間を考えるとリフォームしたほうが良かったなどということも起こっています。想定していたより家賃を下げなければならなくなる場合もあります。そんな事にならないよう、リフォームをどこまでやるかについては借り手目線で客観的に判断する必要があります。