3.新築やリフォーム時に注意する点
家事負担を軽減するのは設備だけではなく、そのための生活便利家電も増えています。そのため、築年数が古い投資用不動産ほどコンセントの数が足りないという事態が起きているのです。リフォーム時に合わせてコンセント増設を検討してみると良いでしょう。
コンセントの数や位置を決めるために、どんな生活便利家電が人気なのかを見ていきます。まずは料理に関する家電です。炊飯器、電子レンジ、トースター、コーヒーメーカー等、どの家庭にもある家電の次に欲しくなるのが、毎日の食事作りの時間を短縮する家電です。最近人気が急上昇しているのは自動調理鍋で、レシピに従って材料を入れてタイマーをセットしておけば帰宅時に料理が出来上がっています。フードプロセッサーも人気ですが、時短調理のためにはキッチンに出しっぱなしにするコードレスハンドブレンダーが好まれています。後片付けには食器洗い乾燥機が活躍しますが、設置に必要なのはアース付きコンセントです。ウォーターサーバーを導入している家庭も増えていますが、最近のものはデザイン性が高くなり、リビングやダイニングに置くケースも増えているようです。
次に、掃除関連の家電を考えてみます。外せないのはロボット掃除機で、今やリカちゃん人形の家にも付属品となっているほど当たり前の家電となりました。リビングにロボット掃除機を想定したコンセントが欲しいところです。コードレススティック掃除機も人気を集めていますが、日常的に使用するので出し入れしやすい場所に置きたいはずです。
次は、洗濯に関する家電を見てみましょう。面倒なアイロンがけの手間を軽減するため、ハンガーにかけたまま衣類のしわを伸ばせるスチームアイロンが人気です。クローゼットの近くや、ウォークインクロ―ゼットの内部の高めの位置にコンセントがあると便利です。また、ズボンの折り目を簡単に付けられるズボンプレッサーも、毎日スーツを着る会社員に人気の家電となっています。スタンド部分があってスペースを取りますが、使用したいのは寝室かクローゼットの近くだと思われます。
この他、今の入居者の生活でコンセントが必要なものに、スマートフォンの充電器、空気清浄機、電動アシスト付き自転車のバッテリーの充電器などが挙げられると思います。スマートフォンはベッド脇で充電したいというニーズが高いですし、空気清浄機はリビングや寝室で使用したく、電動アシスト付き自転車のバッテリーは玄関の近くで充電したいはずです。
このように入居者が所有しているであろう家電に合わせてコンセントを増設することは、空室対策だけでなく長期入居にも繋がると思います。しかしそのためには、入居者の家族構成、持っている家具の種類や配置、その暮らし方まで想像することが必要なのです。入居者の生活はこれから更に大きく変化することが予測されます。入居者のニーズやその暮らし方に興味を持ち、時代の変化に敏感でいることもオーナーとして大切であると思います。