3.現地を見に来た人を逃さないつもりで挑む
ご自身の物件の見学者がいたならば、入居者が決まるまであと一歩です。そしてご案内しても決まらなかった場合は、その来場者の内容を把握するとともに理由も合わせて、仲介会社に確認してみてください。
インターネットで豊富な情報を得られるようになったため、一回のお部屋探しで見学する物件数は年々減る傾向にあります。住みたい街にある不動産会社を訪問して相談をしていた時代から、お目当ての物件を絞り込んでそれだけを見学しに来る時代へと大きく変化しているのです。そんな中で現地を見に来る人がいるというのは、オーナー様の物件が膨大な空室情報に埋もれずに勝ち残ったということになります。入居者ニーズは多様化していますので、ご案内が入っても必ず決まるとは限りませんが、この貴重なチャンスを生かすためには少なくとも「現地を見てがっかり」という事態は防がなくてはなりません。そのために気を付けたいポイントを挙げてみます。
まずは共用部をチェックしましょう。放置された粗大ゴミ、雑然と置かれた自転車、ポストから溢れたチラシ、廊下に置かれた入居者の私物などが目に入ると、お部屋がいくら魅力的でも申し込みには至らないということになります。
次はお部屋の中を見てみましょう。空室期間が長くなると、排水臭がこもったり埃でスリッパの裏が黒くなったりしがちです。臭いも埃も問題なければ、次は見に来た人の気持ちになって室内の可動部分に触れてみてください。部屋の扉、収納の扉、引き出し、スイッチ、サッシ、リモコン、蛇口、キッチンのグリル、換気扇などです。スムーズに動くか、異音がしないかも大切ですが、是非チェックして欲しいのは前入居者の生活感が伝わる汚れがないかどうかです。最近は「建物が古くても綺麗ならば良い」という方が多いのですが、逆を返せば「汚いのは許容できない」ということになります。手が触れる部分の汚れは目に付きやすく、特に水まわりの汚れやカビや水垢は女性客に嫌われます。もし発見したならば、重点的にクリーニングしたり、落ちない場合は部品交換、コーキングのカビや汚れならば打ち替えをお薦めします。
繁忙期は過ぎてしまいましたが、焦らずじっくり部屋探しをしたいという理由で、好んで閑散期にお部屋探しをする方も増えています。また、去年に引き続き「引っ越し難民」問題があったため、引越し代金の高い繁忙期を避けて引っ越しをしたいという方が今年もまだまだいるはずです。そういう方を狙って準備をすれば、今からでも遅いということはありません。管理会社や仲介会社も巻き込んで原因究明と対策を実行し、満室経営を目指しましょう。