3.サブリースのメリット一般管理形態との比較
それでは、どんなオーナー様がサブリース契約に向いているのでしょうか。サブリース契約には、先の成功例や失敗例に出てきた以外にも、メリットとデメリットがあります。
サブリース契約のメリットの一つに、安定した収益が得られることが挙げられます。先に述べたようにサブリース賃料の見直しはありますが、例えばお部屋探しの閑散期に複数の部屋の退去が重なったり長期滞納が起こったりしても、資金計画が狂わなくて済むのです。
メリットの二つ目は、賃貸人として契約当事者にならなくて済むことです。昨今では入居者の要望も多様化し、細かい方も増えています。厳正に入居審査をしていても、経済面で優良顧客に見えた方が所謂モンスター入居者に変身してしまうこともあるので厄介です。
入居中の設備故障に対するクレームも深刻化する傾向があり、退去時の敷金精算での交渉事も増加しています。対応するのは管理会社だったとしても、ご自分の名前が賃貸人として前面に出ることを避けたいという場合、サブリースは便利です。もちろん所有者としての責任はありますが、入居者にとっての賃貸人はサブリース会社ですので、もめ事の当事者になることはなく安心できます。
サブリース契約のデメリットには、オーナー様自身の工夫で収益力の向上が図りにくいことが挙げられると思います。市況が良くなったり物件のある場所の人気が上昇したりして、入居家賃が上げられるチャンスが到来したとしても、サブリース賃料以上の収益を得ることは出来ません。また、リフォーム代を削減するためや、リフォームにこだわりがあって自分で業者を手配したい場合でも、サブリース会社指定の業者での施工が契約で決められている場合には不可能となります。逆を言えば、ご自分で賃貸人としての采配を振って収益向上を図りたい方で、かつその時間が作れる方ならば、サブリースより一般管理を選択することをお勧めします。
ご自身の賃貸経営についての知識量や、どの程度経営に関わりたいかによって、サブリースを活用したほうが良いかどうかは決まります。最近では、既存物件でも途中からサブリースする会社も増えていますので、ご自身の環境の変化によっても、契約内容の変更を検討されると良いでしょう。