アンケートから分かる購入・売却の「ポイント」vol.22
- 中古戸建住宅取得世帯は戸建、中古マンション取得世帯はマンションへのこだわりが強い
傾向にある。
- 注文住宅・分譲戸建住宅・分譲マンション取得世帯において、中古住宅を選ばなかった理由は「隠れた不具合が心配だった」「耐震性や断熱性など品質が低そう」などが目立つ。
- 中古住宅にした理由は、戸建・マンションとも「予算的にみて中古住宅が手頃だったから」がもっとも多い。
「国土交通省住宅局」が毎年実施している「住宅市場動向調査」。令和元年度で19回目を迎えたこの調査は、住み替え・建て替え前後の住宅や、その住居に居住する世帯の状況や住宅取得にかかわる資金調達の状況などについて把握し、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的としています。今回は、この調査結果から中古戸建住宅・中古マンションにおける住宅取得の実態について見ていきましょう。
中古戸建住宅取得世帯は戸建へのこだわり、中古マンション取得世帯はマンションへのこだわりが強い傾向。
住み替えに関する意思決定 比較検討した住宅は?(複数回答)
中古戸建住宅取得世帯が比較検討した住宅を見てみると、もっとも多いのが「中古戸建住宅」(70.3%)、ついで「分譲戸建住宅」(30.4%)、「中古マンション」(25.8%)という結果となりました。また、中古マンション取得世帯では、「中古マンション」(80.8%)、「分譲マンション」(27.7%)、「中古戸建住宅」(21.7%)という順になっています。
いずれも、同じ住宅の種類同士で比較検討した世帯がもっとも多く、ついで同じ住宅タイプの分譲、別の住宅タイプの中古という結果が出ました。
注文住宅・分譲戸建住宅・分譲マンション取得世帯において、中古住宅を選ばなかった理由でもっとも多いのは、「新築の方が気持ち良いから」。「隠れた不具合が心配だった」「耐震性や断熱性など品質が低そう」などの理由も目立つ傾向。
新築か中古かの選択について。「中古住宅にしなかった理由」(複数回答)
注文住宅・分譲戸建住宅・分譲マンション取得世帯において、中古住宅を選ばなかった理由でもっとも多いのは、「新築の方が気持ち良いから」で、いずれも60%以上を占めていました。
「隠れた不具合が心配だった」「耐震性や断熱性など品質が低そう」「給排水管などの設備の老朽化が懸念」という理由も目立つ傾向。中古という点で、築年の経過や設備の老朽化が気になっている人が多いようです。
中古住宅にした理由でもっとも多かったのは、戸建・マンションとも「予算的にみて中古住宅が手頃だったから」という結果に。
新築か中古かの選択について。「中古住宅にした理由」(複数回答)
中古住宅にした理由でもっとも多かったのは、中古戸建・中古マンション取得世帯とも「予算的にみて中古住宅が手頃だったから」という結果で、それぞれ約70%となっています。以下、「新築住宅にこだわらなかった」「リフォームによって快適に住めると思ったから」「間取りや、台所・浴室等の設備、広さが気に入ったから」が続いています。
インターネットでの住まい探しが主流になっているが、中古戸建は
不動産業者でとほぼ同数という結果に。
物件に関する情報収集方法は?(複数回答)
物件に関する情報収集方法について聞いたところ、中古戸建住宅取得世帯では、「インターネットで」(44.5%)、「不動産業者で」(42.4%)、「知人の紹介で」(20.1%)という順になっています。一方中古マンション取得世帯では、「不動産業者で」(53.9%)、「インターネットで」(43.9%)、「知人の紹介で」(11.5%)という順です。
インターネットで情報収集するのが主流という時代ではありますが、中古マンション取得世帯では、「不動産業者で」がもっとも多いという結果です。瑕疵(かし)などの懸念から、不動産業者で相談しながら情報収集をする人が多いことが伺えます。
<調査概要>
調査対象・・・平成30年度中(平成30年4月~平成31年3月)に住み替え・建て替え・リフォームを行った世帯。注文住宅、既存(中古)住宅については全国を、分譲住宅、民間賃貸住宅、リフォーム住宅については三大都市圏を対象。
調査方法・・・郵送・訪問・インターネットによるアンケート調査
20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。
※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。
※ 2020年4月30日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。