ママ必読。子育てしやすい住まいとは 第九話「マンションの高層・低層階それぞれのメリット・デメリット編」

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.63

この記事の概要

  •  高層階に住むメリットは何といっても眺望の良さだが、バルコニーや共用部分の廊下からの落下や階下への足音などには注意が必要。
  •  低層階は高層階に比べて、外出や緊急時の避難がしやすい。
  •  1階は階下への足音を気にしなくていいため、子育て中のファミリーに向いている階層。
    通行人などの視線や車の騒音などが気になる場合もある。

第九話「マンションの高層・低層階それぞれのメリット・デメリット編」
第九話「マンションの高層・低層階それぞれのメリット・デメリット編」

【Fさんファミリー】
結婚と同時に購入した郊外のマンションに住む、2歳の女の子、1歳の男の子の子育てに奮闘中のFさんファミリー。2人がよく動き回るようになり、目が離せない毎日を送っています。ママ目線で安全に配慮した居住空間造りに注力していますが、成長を考えるとこのままでいいのかと悩んだ末、子育てがしやすい快適なマイホームを探しているところです。

高層階で期待できるのは、眺望・風通しの良さ。
落下や階下への騒音には注意が必要

高層階に住むメリットは何といっても眺望の良さです。周りに高い建物がなければ遠くまで見渡すことができ、その開放感が日常で手に入るというのは格別といえるでしょう。日の出・日の入りの時間で季節の移ろいをお子さんと感じたり、夜空を眺めながら食事をしたりと、心にゆとりをもてるような時間が過ごせそうです。

階層が高くなればなるほど、周囲からの視線が気にならなくなるというのも高層階の特徴のひとつ。風通しがよいので、空気を入れ替えて快適な空間をキープすることも可能です。“窓を開けると夏場は蚊が入ってくるのでは”という疑問をお持ちになるかもしれませんが、風の強い高層階では生息が困難となるため、あまり見かけることはありません。

高層階でもっとも注意したいのは、バルコニー等からの落下です。バルコニーや窓の近くに、踏み台になるようなものを置きっぱなしにしない、数分であっても子どもを室内に置いたまま外出しない、などを徹底するようにしましょう。また、意外とトラブルになるのが階下への騒音です。子どもに“じっとしていなさい”“足音がしないように歩きなさい”と伝えて、理解してもらうのはなかなか難しいもの。内見時に遮音性について確認するのはもちろんのこと、遮音性の高いマットを設置するなど、できる限りのことをしておくようにしましょう。

盲点なのが、最寄り駅までの徒歩分です。広告で徒歩3分とあっても、高層階に住めばエレベーターの待ち時間を加味する必要があります。朝は、想定以上にエレベーターが混み合いなかなか乗れないということも。保育園に送ってから出勤される方もいらっしゃると思いますが、高層階ならではの特性を理解し、ゆとりをもって外出するようにすることが必要です。

外出しやすく、緊急時にも避難しやすい低層階。騒音を気にせずに
暮らせる1階は、子育て中のファミリーにはうれしい階層

2階や3階の低層階であっても、落下に注意するのは高層階と同様です。階段・エレベーターとも使えるので、混雑時でも移動がしやすい点、高層階に比べて気軽に公園などに出かけやすい点がメリットと言えるでしょう。災害時に避難しやすいというのも低層階ならではです。外部からの視線は、高層階に比べて気になるポイントかもしれません。

低層階の中でも、1階は独自の特徴があります。メリットは、なんといってもアクセスのしやすさです。エントランスが近いだけでなく、エレべーターを使うこともないため、スムーズに行き来することが可能です。“子どもが車で寝てしまった”という場合でも、高層階に比べれば、部屋まで連れていくのに大変な思いをすることがないでしょう。小学校に通うようになると、通学途中に忘れものに気付いて戻ってくるというのもよくあること。1階であればすぐに部屋に戻ることができるので、その分ゆとりをもって対処できます。

階下にだれも住んでいないことから、上階に比べれば騒音を気にせずに暮らせるというのは子育てファミリーにはうれしいポイント。専用庭や専用車庫が付いている住戸を選べば、平屋感覚で生活することができるのも1階ならではと言えます。専用庭で子どもと一緒にお花を育て、自然に触れられるのは良い思い出になりそうです。

1階でデメリットに感じてしまうのは、通行人などの視線が気になる点。部屋が車道に面していれば、車の騒音が気になることもあるでしょう。ほかにも、室内に虫が入ってくる、高層階に比べると部外者が侵入しやすいといったデメリットがあります。子育て中のファミリーにとって、防犯面は気になるポイントだと思いますが、1階を検討する場合は、オートロック防犯カメラなどの設置状況、マンションの管理体制についてはチェックしておくようにしましょう。

選択時のポイントは、“自分たちの希望条件に合っているか”
ということ

低層階、高層階では、それぞれかなえられることや注意ポイントが異なります。家族で話し合って希望条件を明確にし、自分たちに適した住まいを選択するようにしてください。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2020年4月30日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。