ママ必読。子育てしやすい住まいとは 第二話「気にしておきたい!安心・安全の家編」

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.53

この記事の概要

  •  親が不在時のことを考えて、セキュリティについても検討すると安心。
  •  高気密・高断熱の家は、冷暖房の効果が期待でき、快適な室内環境を維持できるのが特徴。カビの発生も軽減できるため、健康面でも安心感がある。
  •  適度な湿度を保つなどして、シックハウス症候群対策をすることが大切。
  •  長期優良住宅はさまざまな安心・安全を享受できる。
  •  建物や建材などに注力するだけでなく、家具や日常のこまめな清掃などにも配慮し環境を整えることも大切。

第二話「気にしておきたい!安心・安全の家編」

【Fさんファミリー】
結婚と同時に購入した郊外のマンションに住む、2歳の女の子、1歳の男の子の子育てに奮闘中のFさんファミリー。2人がよく動き回るようになり、目が離せない毎日を送っています。ママ目線で安全に配慮した居住空間造りに注力していますが、成長を考えるとこのままでいいのかと悩んだ末、子育てがしやすい快適なマイホームを探しているところです。

万が一に備えてセキュリティ面の配慮を

小学校に上がるころになると、子どもだけで親の帰りを待つというご家庭も少なくありません。そこで心配なのが防犯面です。訪問者の顔が確認できるモニター付きインターフォンはもはや定番。最近は、録画機能がついているタイプもあるので検討してみるといいでしょう。警備会社とホームセキュリティサービスの契約を結べば目立つところにステッカーがはられます。それだけでも抑止になるため、導入する家庭も増えているようです。
マンションは集合住宅という側面から多くの人が出入りすることになります。人の目が多いというのは安心ではありますが、住民以外が侵入しても気づきにくいという点は認識しておかなくてはなりません。簡単に建物内に侵入できないオートロックや防犯カメラが共有部に備わっているなど、セキュリティに配慮されている物件だと安心です。
室内に緊急ボタンがある、IoTで外出先から室内がチェックできたり施錠ができたりするなど、さまざまなセキュリティ設備も登場しています。検討時にはどのような生活を望むのかを不動産会社に相談し、アドバイスを受けるといいでしょう。

高気密・高断熱の家で快適な住環境を実現

夏は屋外の熱気、冬は屋外の冷気をシャットアウトするのが高気密・高断熱の家。冷暖房の効果が期待でき、快適な室内環境が維持できるのが特徴です。温かい空気が逃げにくいので省エネにつながるのもポイント。“暖房のある部屋は暖かいけれど、廊下に出ると屋外いるのと同じくらい寒い”といった従来の日本家屋で感じるような温度差はあまりありません。
高断熱の家は結露が発生しにくいため、カビの大量発生を防ぎます。カビは気管支炎、ぜんぞく、アトピー性皮膚炎などの原因になるとも言われているので、子育てファミリーとしてはぜひ注目しておきたい点です。

家族の健康を守るために。知っておきたい“シックハウス症候群”のこと

建材、壁材、家具などから発生する化学物質やカビ、ダニなどが原因で引き起こされる「シックハウス症候群」。症状が出る人、出ない人と差はありますが、めまい、吐き気、頭痛、湿疹などさまざまな健康被害が報告されています。建築基準法では、計画換気(24時間換気)や有害物質の放出が基準以下の建材を使うことを義務づけて発症の防止に努めています。


―シックハウス症候群対策―

  • ・適度な湿度を保つ
    湿度が高くなると、カビやダニが繁殖しやすくなります。だからといって乾燥した状態では、喉の痛みや風邪の原因にもなるので、湿度は50%ぐらいに保つようにしましょう。
  • ・珪藻土の天井や壁で調湿を
    自然素材の珪藻土。素材そのものが呼吸し、快適な湿度に保ってくれます。有害化学物質を吸着するほか、脱臭効果もあるので天井や壁に取り入れる方も増えています。
  • ・さまざまな効果が得られる壁材で、快適な空間をキープ
    調湿や脱臭機能が備わった壁材も発売されています。施工後でも簡単に設置できる点がポイントです。

耐久性の高い長期優良住宅で、ずっと安心な暮らしを

長期優良住宅とは、「長期優良住宅認定制度」の基準をクリアし、認定を受けている住宅のことです。認定を受けた住宅は、税制や融資面でメリットがあります。
長く安心・快適に暮らせる家として、強い地震が発生しても建物が全壊しないように、構造や骨組みはしっかりとした造り(耐震等級2以上、免震建築物)にすることが必須。将来的に想定できる多様なライフスタイルにも対応できるよう、バリアフリー仕様へ変更できること、間取りの可変性なども求められています。長期にわたってスマートで快適に過ごせるように、断熱性能などの省エネルギー性、環境維持への配慮、維持管理・リフォームのしやすさ、面積(戸建ての場合、75㎡以上、ワンフロアの床面積は40㎡以上)などの基準も設けられています。
長く暮らせる家とは、さまざまな面で機能性の高い家といいかえることができます。安心や安全にももちろん配慮されているので、子育て世帯も快適で健やかな生活を送ることができるでしょう。

細かな配慮も忘れずに

子どもはいつでも元気いっぱいです。室内でも走って移動したり、高いところから飛びおりたりするなどハラハラするシーンが多いという方もいらっしゃるのではないでしょうか。いくら注意していてもケガをしてしまうことはありますが、可能な限り対策をしておくことで最小限におさえることは可能です。
10カ月ぐらいになると、手にしたものはなんでも口に入れてしまいます。誤飲による事故を防ぐためにも床や子どもの手が届くところには、危険なものを置かないようにしましょう。また、こまめに掃除をする、家具はにはコーナークッションを付ける、ドアには指鋏みを防止するグッズを取り付けるなどの配慮も必要です。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2019年9月27日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

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