- 介護医療院とは、「医療機能」「介護機能」「生活施設」を備えている施設。
- 小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた自宅・事業をしていた土地について、一定の要件を満たせば、8割または5割まで評価額を減額するというもの。
- 2018年度の税制改正で小規模宅地等の特例に「介護医療院」も適用対象となった。
- 2018年9月28日本編公開時の要件であり、税制等は今後変更となる場合があります。
第7話「<改正>小規模宅地の特例。介護医療院編」
【Cさんファミリー】
夫43歳会社員、妻38歳の共働き夫婦で、日々仕事と10歳と8歳の娘の子育てに奮闘中。5年前に庭付きの一戸建てを35年ローンで購入。
介護医療院とは?
2018年4月1日から設置可能となった新しい形態の介護保険施設のこと。介護保険法第8条第29項では「要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」と定義されています。
つまり「医療機能」「介護機能」「生活施設」を備えているので、要介護高齢者が長期に渡って療養しながら生活していける施設ということになります。
小規模宅地等の特例に「介護医療院」も適用対象となりました
小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた自宅の土地や事業をしていた土地について、一定の要件を満たせば、8割または5割まで相続税評価額を減額するというもの。例えば、対象先として配偶者か同居をしている親族などで、自宅敷地の相続税評価額が1億円のケースでは小規模宅地等の特例を適用すると2,000万円の評価額となり、相続税を計算することができます。
小規模宅地等の特例には、「相続開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地等」という要件があります。しかし、このままを当てはめてしまうと被相続人が老人ホームなどに入居したまま亡くなった場合、小規模宅地等の特例は適用されないことになっていまいます。そこで、2014年1月1日以降から老人ホーム等に入居し自宅をそのままにしておいた場合でも、その他の要件に適用していれば小規模宅地等の特例の適用対象となるようになりました。
今までの対象施設をもう少し細かく挙げると、
- 認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホームまたは有料老人ホーム
- 介護老人保健施設
- サービス付き高齢者向け住宅
となりますが、2018年度の税制改正で「相続時に介護医療院に入院していても、相続の開始時において被相続人の居住の用に供していた宅地とみなす」と定められたため、介護医療院もその対象となりました。
注意点なども認識し、詳しいことは税理士などに相談を
適用を受けるためには要件を満たすことや指定の書類にもれなく記載し提出する必要があります。税理士などの専門家に相談しスムーズに進められるようにしましょう。
20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。
※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。
※ 2018年9月28日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。