- 売却を選択した非単身赴任者は37.5%で、最も高い割合になっている。
- 売却のメリットは、得たお金を住み替え先の資金に充てられること。転勤がきっかけで、手狭だった住宅から現在のライフスタイルに合った住宅に住み替えることもスムーズに行える。
- なかなか売却できずに、住み替え先への支払い予定が想定外となることもある。困らないためにも、いつまでに売却したいかなどを事前に不動産会社に伝えておくことが重要。
- 賃貸の場合、空室になった場合のリスクを考えておくことが必要。空室対策などもきちんとやってくれる管理会社を選ぶとよい。
- 物件によって売却にすべきか賃貸にすべきかは異なるので、不動産会社に相談を。
第1話 『売却』『賃貸』のメリット・デメリット編
【Dさんファミリー】
秋の異動で転勤が決まったDさんは35歳の営業マン。妻は現在専業主婦で35歳、来年小学校にあがる5歳の娘と一緒に、宮城県のマンションに暮らしている。25歳で結婚。それを機に購入した中古マンションのローンは、すでに完済している。
マンションを売却。そのメリットは?
マンションなどの不動産を所有していても、転勤や異動などで住めなくなってしまうこともあります。その時に迷ってしまうのが売却するのか、賃貸するのかということではないでしょうか。
アットホーム株式会社の「転勤中の既婚サラリーマンに聞く、「住宅購入と転勤の関係」調査」によると、売却を選択した非単身赴任者が37.5%と最も高い割合となっています。
Q.転勤前に購入した住宅は、現在どうしていますか?(対象:非単身赴任者 339名、有効回答:339名)
売却のメリットとしては、売却で得たお金を住み替え先の資金に充てられることです。Dさんのケースでは、宮城県のマンションはローンを完済していることから、売却で得たお金を頭金にして新しい住宅の購入が可能となります。最近では、頭金0円で購入できる住宅も増えていますが、頭金があることで月々の返済額が抑えられるという点もポイントです。娘さんが小学校に入学するということで、これから教育費などもかかってきます。少しでもランニングコストが少なくて済むというのは、長い目で見ると重要と言えるでしょう。また、きっかけがないとなかなか住み替えに踏み切ることができず、手狭になった住宅に住み続けているご家族も多いようですが、転勤や異動を機にお子様用のお部屋が確保できる住宅に買い替えるというのもいいかもしれません。
売却時のデメリットや注意点
売却時のデメリットとしては、なかなか売却できない場合、住み替え先への支払いが想定外となることが挙げられます。転勤先で新たに購入する物件が決まっていて、売却した金額を頭金にあてようと考えていても希望の期限までに売却できない場合もあることを認識しておきましょう。「間に合わなかった。どうしよう!」と困らないためには、売却を依頼している不動産会社に「いつまでに売却したい」など売却時の希望条件を具体的に伝えて、共有しておくことが重要です。営業マンが期日重視と認識していれば、適切な方法で進めてくれるでしょう。
賃貸する場合に知っておきたいこと
賃貸するメリットは、月々の賃料が収入となるので、住み替え先の返済や賃料に充てられるということです。但し、空室が続いてしまって賃料が入ってこないと、返済が滞ってしまうなども考えられるのでその点は注意しておきましょう。また、住み替え先が賃貸ではなく購入した住宅だった場合は、両方に固定資産税がかかる点も忘れないことです。
管理会社もきちんと選定しておく必要があります。管理会社に依頼すると、入居者の募集から物件の管理まで行ってもらえることがメリットですが、空室が続いても何もしない管理会社の場合は変更を検討することが必要です。空室を解消するために、賃料の見直し・リフォームなどさまざまな改善点を提案してくれたり、募集広告の出し方を工夫してくれたりするところに依頼するようにしましょう。
さまざまな条件を加味して、売却か賃貸かを選択
売却か賃貸にするかを検討する際には、それぞれのメリット・デメリットを事前に把握してくことは大切です。また、物件の立地や条件によってもどちらが向いているかは変わってくるので、その点も加味するといいでしょう。急な転勤となると、売却や新居探し、引っ越しの手配などと平行して、社内での引き継ぎなども期限までに行わなくてはなりません。不動産会社に相談し、スムーズに進められるようにしましょう。
調査概要 転勤中の既婚サラリーマンに聞く、「住宅購入と転勤の関係」調査
調査方法… インターネットによるアンケート調査
対象… 全国の、住宅購入後に転勤を命じられ、現在転勤先で生活をしている、20~60代の既婚会社員男性598名
調査期間… 2016年4月28日(木)~4月30日(土)
※小数点第2位を四捨五入しているため、合計100%にならない場合があります
20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。
※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。