- 一口にマンションといっても、新築と中古があり、それぞれ特徴がある。まずは違いと比較ポイントを知ることが大切。
- メリット、デメリットもあるが自分のライフスタイルや希望条件を見て、どちらが適しているのか見極めることが重要。
- 不動産は大きな買い物となるので不安も多い。不動産会社に相談し、納得しながら進めることがポイントとなる。
第4話 新築・中古マンション比較編
【Aさん夫婦】
結婚3年目のA夫婦。夫は29歳、妻は27歳。世帯年収は700万円程度で、現在は1LDK・家賃8万円の賃貸アパートに居住している。
新築マンション・中古マンションの違いは?
一口にマンションといっても、新築と中古では大きな違いがあります。ここでは項目ごとにそれぞれの特徴や比較ポイントを見ていきましょう。
比較項目 |
新築 |
中古 |
比較ポイント |
物件の探し方 |
ホームページ、フリーペーパーなどで物件を検索。 |
不動産仲介会社や不動産ポータルサイトなどで物件を検索。 |
新築はインターネットやフリーペーパーから主な情報を得るのがメインとなりますが、中古は不動産仲介会社のアドバイスなども物件探しの重要なポイント! |
物件を探す範囲 |
希望の駅周辺に限定してしまうと新築はなかなか見つからないもの。通勤・通学の時間や譲れない希望条件を加味しながら、ある程度広い範囲で探すことが必要。 |
新築に比べると希望のエリアで探しやすいが、物件の築年数や設備の程度などに差がある点は念頭に置いておく必要がある。 |
エリア限定で探してもなかなか物件が見つからないのが新築。一方、中古は希望エリア内に多様な物件があるのが特徴。特に生活エリアを変えたくないという方には向いています。 |
購入する物件の見学先 |
最寄り駅の近くに販売拠点としてモデルルームが設置されるケースが多く、そこに見学に行くのが一般的。現地は竣工中のケースが多い。 |
実物を見学することが可能。居住中のマンションを見ることもあるが、生活がイメージしやすいことがメリットといえる。 |
モデルルームの見学で気をつけたいのが、実際の部屋とは異なるということ。中古は、実物を見学できますが、リフォームなどを検討している場合は構造上できること、できないことがあるのでしっかり確認しましょう。 |
入居タイミング |
大規模なマンションであれば、入居予定時期の1~2年前から販売がスタート。よって竣工済みの物件でない限り即入居は不可。 |
即入居可の物件も多い。売主の退去やリフォーム、リノベーションが終わるタイミングにもよって違いがある。 |
「○日までに入居したい」という希望条件がある場合は、中古で探したほうが叶えられやすい傾向です。入居を急いでいない方の場合は、新築でゆっくり探すというのもいいでしょう。 |
構造の確認方法 |
モデルルームで模型などが展示されているケースが多い。販売員も構造について熟知しているのでより詳しく解説してもらえる。建築中の見学会を行っているところもある。 |
構造内部までは見てチェックできないが、物件概要などからどんな構造なのかは確認可能。耐震性や気になることは仲介会社にしっかりヒアリングすることが大切。 |
建物の安全面は関心のあるところ。構造だけでなく、新築では将来的にどんな修繕が行われるのかなど、入居後に必ず把握しておくこと。中古であれば物件を検討する際に修繕履歴や計画なども確認しましょう。 |
購入価格 |
一般的に、同条件の中古よりも高い。 |
一般的に、同条件の新築よりも安い。 |
新築が高く、中古の方が安いというのはどのエリアでも同じですが、郊外に行くほどその差は顕著に現れる傾向にあります。 |
諸費用 |
・税金:印紙税・登録免許税
・手数料:司法書士報酬・ローン手数料
・保険料:火災保険料・修繕積立基金・団体信用生命保険
※修繕積立基金は、中古にはかからない |
・税金:印紙税・登録免許税
・手数料:司法書士報酬・ローン手数料・仲介手数料
・保険料:火災保険料・団体信用生命保険
※仲介手数料は、新築にはかからない |
新築だけ、中古だけという費用があるので購入時には必ず確認しましょう。また、中古は仲介手数料がかかりますが、物件価格によっても変わってきます。いずれの場合も検討時に試算してもらうと安心でしょう。 |
設備・共用部 |
最新の設備が備わっている。以前より省エネやエコにつながるものが充実している。 |
築10年程度であれば新築とあまり変わりないが、交換のタイミングになっている可能性もある。 |
設備よりも共用部で違いが見られるケースが多いかもしれません。最近は、カーシェアリングや非常用の発電機が備わっているなど、省コスト・防災を意識したマンションが増えているようです。 |
それぞれのメリット・デメリットは
新築・中古それぞれにメリットとデメリットはあります。新築であれば、便利なだけでなく省エネ効果も期待できる最新設備が整っていて、耐震性なども心配ないというのがメリットとして特筆すべきことです。中古では、実際の物件が確認できる、駅から近く、希望エリアで探せる可能性が高いなどがメリットと言えるでしょう。デメリットとしては、新築は間取りの可変の自由度が少ない、実際の建物が確認できないなどが挙げられます。中古は建物の耐震性などに心配がある、などがデメリットと感じる点と言えます。「どちらも一長一短で決められない」と悩んでしまう方もいらっしゃると思いますが、いずれにしても、自分たちのライフスタイルや希望条件を明確にすることで取捨選択ができます。まずはゆずれない条件を優先順位順に書き出してみることが重要です。
不動産会社に相談し、納得して進めることがポイント
不動産の購入は大きな買い物となるので、なかなか決断できなかったり不安も多かったりするものです。どんな小さなことでも迷ったら不動産会社に相談して、納得しながら進めることがポイントとなるでしょう。
20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。
※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。