犬・猫を室内で飼うためのポイント~ペットが快適に暮らせる環境づくり~

マイホームで快適に過ごすコツVol.5

犬や猫などのペットを家族の一員や必要不可欠な存在と考える人が増えています。核家族化や少子高齢化が今後も進んでいく中で、この傾向は一層顕著になっていくのではないでしょうか。そこで今回は、ペットを飼われている方に向けて、快適に暮らせる住まいのポイントについて考えてみたいと思います。

マンションでペットを飼う場合のポイント

マンションなどの共同住宅でペットと暮らすことを考えている場合、ペットの飼育が可能かどうかの確認が必要になります。ペットの飼育が可能であっても管理規約で飼育細則が規定され、飼育に制限がある場合があるので事前に内容を理解しておきましょう。また、住民の中には動物が嫌いな人、動物にアレルギーがある人がいる可能性もあるので、共用部では抱っこして移動する、あまり長居はしないなどの配慮は必要です。

近年増えているペット共生型マンションは、住宅設備や管理方法などがペットとの居住を前提に考えられています。居住者もペット好きの人が多いため、ペットへの苦情を受ける可能性は比較的低く、ペットを通じた居住者間のコミュニケーションが活発になることもあるようです。屋外にはペット専用の洗い場やドッグラン、屋内にはペット対応床材やクロス(壁紙)などが備わっており、ペットと共に快適に過ごすための設備等があります。

犬・猫がストレスフリーで過ごせる環境づくり

ペットと暮らすにあたって重要なことは、人間だけでなくペットも快適に過ごせるような環境を整えること。住環境の改善によってペットの健康が回復したり、吠え癖・噛み癖が治るなどのケースもあるようです。ここでは、犬と猫を例にして見ていきましょう。

犬を室内で飼う場合、できるだけ落ち着いて過ごせるところに居場所(サークルスペース)を設けることが重要です。快適な住環境が整っていないために、警戒心や狩猟本能、防衛本能が刺激され、吠える、かみつくなどの行動につながることもあります。また、寒暖差が激しい窓際や、人の出入りが多いところは緊張状態が続き、リラックスできないので避けるようにしましょう。

サークルスペースの広さはハウス(ベッド)とトイレ、遊べるスペースがあるのが目安。収納や棚の下に組み込むと空いたスペースを活用できる

猫は散歩の必要がない分、室内での遊びや運動がストレス解消のポイントとなります。また、高いところや狭いところにいると落ち着く習性を持っていますので、キャットウォークやキャットタワーを設け、猫がのびのびと過ごせる環境を整えることが重要です。猫の爪とぎができるキャットタワーにすれば、壁や家具を傷つける心配も軽減できるでしょう。

☆設備選びなどのポイント

  • 床材…滑りにくく、メンテナンスのしやすいもの
  • クロス…ひっかき傷に強く、汚れの落としやすいもの。防臭機能のあるもの
  • トイレ…ペット用トイレスペースの確保
  • その他…玄関まで階段がある場合は、犬が歩きやすい蹴上と踏面を意識する
            玄関近くに犬用シャワースペースを設ける

など。

ペット目線で住まいさがしを考えてみる

主な住み替え理由として、結婚、出産、就職などのライフステージの変化があげられますが、最近はペットによりよい環境を求めてリフォームや住み替えを行う人も増えているようです。ペットの立場になって環境を整えることが、互いが快適に過ごすためのポイント。記事を参考にしながら、快適な我が家を見つけてください。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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