「賃貸住宅」と「住宅購入」自分らしく暮らすための選択肢はどっち?

住まいのかたち Vol.1

更新日:2024.04.15

「賃貸住宅」と「住宅購入」自分らしく暮らすための選択肢はどっち?

結婚や子どもが生まれたタイミングで、「賃貸住宅に住み続けるのか」、「住宅を購入すべきか」と悩む方が多いようです。でも、購入したいと思っても住宅は高額で一生に一度となるかもしれない大きな買い物。頭金を用意して、毎月住宅ローンを支払ってなど、お金や返済のことが気になって、なかなか一歩を踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここではお金の面だけではなく、様々な面から賃貸と購入の違いをご紹介します。それぞれの特徴を理解し、ご自身にとって、どのような住まい方がいいのか判断する目安としてください。

「賃貸住宅」と「住宅購入」の違い

住み心地の違いは?

住み心地の違いは?いずれも毎月家賃や住宅ローンの支払いが発生しますが、同エリアで同じぐらいの支払い額であれば、購入の方が部屋数や広さが確保されている傾向にあります。また、新築の物件を購入する場合は、賃貸に比べて最新の設備が備わっているケースが多いようです。ただし、賃貸でも最新設備にこだわっている物件もありますので、今住んでいる賃貸住宅の設備や広さに不満を感じているのであれば、ご自身の希望条件に近い別の賃貸住宅へ引越して不満を解消することもできます。引越しするたびに費用はかかるものの、その時々のライフスタイルにあわせて住み替えが気軽にできる点は、賃貸のメリットといえるでしょう。

自分らしくリフォームしたい場合は?

最近は、DIY可の物件が出てきてはいるものの、基本的に賃貸は、入居者が室内の内装や設備を好きなように変更することはできません。例えば、子どもたちにそれぞれの部屋を作ってあげたいと思っても、勝手に壁を施工したりすることはできませんので、今の住まいでかなわない場合は引越しを検討する必要があります。一方、購入した住宅は自分の所有物となりますので、躯体に影響のない範囲内であれば自由にリフォームすることが可能です。壁を取りはらって広々としたLDKを実現してスタイリッシュな空間に仕上げたり、より機能性のあるキッチンに取り替えたり、ひとつの部屋を区切って子ども部屋にあてたりなどフレキシブルにできるため、引越しをしなくても自分らしい暮らしが実現しやすいでしょう。コロナ禍以降は、リモートワークを取り入れる企業も増えてきたので、仕事部屋として3畳程度のスペースをDIYで確保するというのも購入した住宅であれば可能です。
建ぺい率や容積率の問題もありますが、増築をして居住スペースを増やすというのもいいでしょう。

やっぱり心配な老後のことは?

やっぱり心配な老後のことは?30歳で30年のローンを組んで住宅を購入した場合、完済するのは60歳。途中で繰り上げ返済をすれば返済期間を短縮することが可能ですが、いずれにしても返済後は月々の住居費の負担が軽減されるので、その分生活費のやりくりも楽になります。また、住宅を資産として残せるというのもメリットのひとつ。相続人が複数いる場合でも、売却して現金化することで、分配することができます。
賃貸の場合は、老後も家賃を支払い続けることになりますが、リタイア後はそれまでのような収入がなくなるため、貯金や年金から家賃を捻出する必要があります。ただし、固定資産税等の支払いや相続手続の心配がないので、購入に比べて煩わしさは少ないといえます。

引越す場合は?

賃貸は、家族が増えたのでもっと広い家に住み替えたい、急な転勤が決まったのですぐに引越さなくてはならないとなった場合でも、今住んでいる家をどうするかを考えずに引越しや次の物件探しに注力することができます。一方購入した住宅に住んでいる場合は、引越しが決まったら、今の住まいを売却するか賃貸にするかなども平行して考えていかなくてはなりません。購入した住宅は自己の財産になるため、その分手続きなどが多くなってしまうというのは認識しておきましょう。

これらを踏まえて、賃貸と購入のメリットとデメリットを表にまとめてみましたので、参考にしてみてください。

賃貸と購入 メリット・デメリット

メリット デメリット
賃貸
  • 間取りや立地が気に入らなければ気軽に引越しができる
    (今住んでいる家をどうするかは考えなくてよい)
  • 購入に比べて入居時の出費が抑えられる
  • 固定資産税、都市計画税、相続手続の心配がない
  • 同エリア、同じ支払い額(月)でも、購入した物件に比べて狭いことが多い
  • 自由にリフォームができない
  • リタイア後も家賃を支払い続けなければならない
  • 家賃を支払い続けても資産にはならない
購入
  • 同エリア、同じ支払い額(月)でも、賃貸に比べて広い居住スペースが確保できることが多い
  • 新築の場合、最新の設備が備わっている
  • 自由にリフォームができる
  • ローンを完済してしまえば、月々の負担が軽減し、資産にもなる
  • 購入時には、物件価格以外にも諸費用がかかる
  • 引越す際には、今住んでいる家をどうするのかという点も考える必要がある
  • 毎年固定資産税、都市計画税がかかる
  • 建物のメンテナンス費用がかかる

ライフスタイルやライフプランを加味して検討しましょう

ライフスタイルやライフプランを加味して検討しましょう賃貸は引越しなどでライフスタイルの変化に対応していくといった気軽な点、購入は資産として残せたり、より自分らしく快適で安定した暮らしが実現できたりする点がメリットといえます。よって、一般的にどちらがおすすめの住み方かというのをジャッシするのは難しく、賃貸か購入かを選ぶ際には、「どのような生活を送っていきたいか」というのを明確にして判断することが重要になってきます。賃貸か購入かを迷ったときは、ライフスタイルやライフプランを整理し、ご自身にとってベストだと思ったほうを選択するといいでしょう。

執筆

橋本 岳子(はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。