「部屋ごとのチェック」〜数や広さは足りているか
物件を探す際、面積(戸建ての場合は延床面積、マンションの場合は専有面積)は、誰しもがに気にされるかと思います。その面積を割り振ったものが間取りであり、大まかな構成について「○LDK」などと示されます。
間取りでまず気にするのは「部屋数」ではないでしょうか。寝室や子ども部屋、最近ではリモートワークスペースなど、家族数や使い方に見合った個室の数が求められます。
大切なのは、部屋数の確保で安心するのでなく、部屋ごとの広さもきちんと吟味するということです。というのは、地価や建設コストが高騰している影響で、分譲価格を抑えるために比較的、面積を絞った物件も登場しているからです。部屋数は同じでも、1部屋の専有面積がコンパクトになっている可能性があります。
また、部屋のサイズは「○帖」や「○㎡」などの数字で表されます。畳のサイズは、「京間」「江戸間」「団地サイズ」など、地域や物件によって広さが違います。古い物件など、分譲当初の呼称をそのまま使っている間取図も時折見かけます。
「○㎡」という表記の場合にも注意が必要です。マンションなどでは「壁芯(へきしん/かべしん)面積」で示されていることが少なくないからです。「壁芯」とは、その名の通り、壁や柱の「厚み」の中心で、それを基準にした計算値です。実際に住まい手が利用できる床面積ではありません。ちなみに壁を含まない部屋の実スペースは「内法(うちのり)」面積」と呼びます。つまり、数字で思い描いている部屋のイメージより、実際のスペースが狭く感じる可能性があるのです。
「LDK」もまた、イメージと実際の広さとのギャップを感じやすい場所です。というのも、LDKの形状は物件によって千差万別だからです、同じ面積でも正方形に近いものと細長いものとでは広さのイメージが違いますし、実際の使い勝手も大きく変わります。また、キッチンやLDKとして表示された床面積は、キッチン設備を置く前の面積です。大型のシステムキッチンが備え付けてあれば、狭く感じるかもしれません。
収納スペースが十分かのチェックも重要です。先に説明したようなコンパクトに設計された物件は収納スペースが削られている可能性があります。ただ、収納は、トランクルームや荷物預かりサービスなどの利用によって、カバーできる部位ともいえます。
実際に内見して「希望に合わない物件をわざわざ見に来るのではなかった」と落胆することを減らすためにも、事前に間取図からさまざまな情報を読み取る習慣を付けたいものです。