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2020年の一棟賃貸マンションの売買取引動向

みずほ不動産販売 不動産市況レポート 2月号

公開日:2021年2月12日

この記事の概要

  • 2020年の一棟賃貸マンション※1の売買取引額は7,205億円で、2000年以降の最高を記録。主に外資系法人が取引主体の複数物件の一括取引が寄与。2020年は複数物件の一括取引の売買取引額、売買取引件数ともに、2000年以降最高となった。
  • 外資系法人と不動産・建設セクターは取得、売却ともに前年比増加。新型コロナウイルスの感染拡大による1回目の緊急事態宣言の発令に伴う取引活動の制限などから一時的に取引が停滞した局面はあったが、2020年後半は相当数の取引がみられた。

1)2020年の一棟賃貸マンションの売買取引額は複数物件の一括取引が寄与して前年比大幅増

株式会社都市未来総合研究所の「不動産売買実態調査※2」によると、2020年に公表された国内に所在する一棟賃貸マンションの売買取引額は7,205億円(前年比61%増)で、2000年以降最高となった。売買取引件数※3は152件(前年比12%減)で、2015年以降は概ね150件前後で推移している[図表1]。近年は外資系法人を中心に複数物件の一括取引が目立つようになってきており、2020年は複数物件の一括取引の売買取引額、売買取引件数ともに、2000年以降最高となった[図表2]。

四半期ごとにみると、2020年1~3月期の売買取引件数は42件で、前年同期(41件)と同水準であったのに対して、売買取引額は米Blackstone Group が賃貸マンション220棟を中国の安邦保険集団から約3,000億円で取得した事例(2020年1月公表)が寄与して前年同期(681億円)を大幅に上回る4,458億円となった。2020年4~6月期は19件(前年同期比21%減)、511億円(前年同期比15%減)で、1回目の緊急事態宣言の発令に伴い取引活動が大きく制限された面があるとみられる。2020年7~9月期は36件/1,104億円、2020年10~12月期は55件/1,131億円で、2019年同期と比較すると概ね減少しているが、2018年同期と比較すると増加している[図表3]。

[図表1]一棟賃貸マンションの売買取引額と売買取引件数(暦年ベース)

[図表1]一棟賃貸マンションの売買取引額と売買取引件数(暦年ベース)

データ出所:(株)都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表2]一棟賃貸マンションの複数一括取引の売買取引額と売買取引件数

[図表2]一棟賃貸マンションの複数一括取引の売買取引額と売買取引件数

データ出所:(株)都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表3]一棟賃貸マンションの売買取引額と売買取引件数(四半期ベース)

[図表3]一棟賃貸マンションの売買取引額と売買取引件数(四半期ベース)

データ出所:(株)都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

※1:国内に所在し、建物用途が住宅、利用用途が賃貸不動産に区分されるものから、区分所有等を除いて集計した。

※2:不動産売買実態調査は、「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則(適時開示規則)」に基づき東京証券取引所に開示された固定資産の譲渡または取得などに関する情報や、新聞などで報道された情報から、譲渡・取得した土地・建物の売主や買主、所在地、面積、売却額、譲渡損益、売却理由などについてデータの集計・分析を行うもの。情報公表後の追加・変更等に基づいて既存データの更新を適宜行っており、過日または後日の公表値と相違する場合がある。また、本集計では、海外所在の物件は除外した。金額は報道機関等による推計額を含む。数値化のため、「約」などの概数表記を省いたものや範囲表記の中間値を採用したものなど、報道された値を修正したものを含む。

※3:売買取引件数とは、適時開示情報や報道情報など不動産売買に係る公表情報の情報件数をいう。売買された(される)物件ごとの売買金額が公表された取引においてはそれぞれを1件とし、複数物件の一括取引で売買金額が個別物件ではなく合計額で公表された取引は、これらをまとめて1 件とした。なお、複数物件の一括取引で、個々の物件の属性が非公表の場合の物件の所在地や用途等は、公表情報からみて最多と判断される種別に一括して分類した。

2)複数物件の一括取引が寄与して外資系法人の取得額が大幅増

買主セクター別では、「外資系法人」は複数物件を一括取得する事例が多く、2000年以降で最高となる4,613億円の取得額となった。取得件数も前年比大幅に増加した(3件→14件)。

「J-REIT」の取得額、取得件数はそれぞれ1,195億円、89件で、前年(1,199億円、88件)と同水準であった。

「不動産・建設」は収益不動産の取得を目的とする複数物件の一括取引が複数あったことなどから取得額は前年を大きく上回り(138億円→419億円)、取得件数も前年を上回った(10件→16件)[図表4、5]。

[図表4]買主セクター別の取得額

[図表4]買主セクター別の取得額

データ出所: (株)都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表5]買主セクター別の取得件数

[図表5]買主セクター別の取得件数

データ出所: (株)都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

3)J-REITによる売却が減少した一方、不動産・建設セクターと外資系法人による売却が増加

売主セクター別では、「J-REIT」は2019年は小型物件・築古物件の売却を中心とする資産入替が多くみられたものの、2020年はかかる動きが減少し、売却額、売却件数ともに前年比減少した(953億円→410億円、58件→23件)。

一方、「不動産・建設」は傘下のJ-REITや私募REITへの物件供給の売却が目立ち、売却額、売却件数ともに前年比増加した(1,045億円→1,536億円、65件→76件)。また、「外資系法人」も複数物件の一括売却が目立ち、前年比増加した(1,428億円→3,433億円、2件→4件)[図表6、7]。

[図表6]売主セクター別の売却額

[図表6] 売主セクター別の売却額

データ出所: (株)都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表7]売主セクター別の売却件数

[図表7]売主セクター別の売却件数

データ出所: (株)都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

4)東京23区で売買取引件数が増加

物件所在地別※4に売買取引件数をみると、「都心6区」および「都心6区以外の東京23区」は前年比増加、それら以外の分類は前年比減少となった[図表8]。

[図表8]物件所在地別の売買取引件数

[図表8] 物件所在地別の売買取引件数

データ出所: (株)都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

※4:物件所在地の区分は次のとおりである。

  ・都心6区:東京都の千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区

  ・その他東京圏:東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)から東京23区を除いた地域

  ・大阪圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県

  ・名古屋圏:愛知県、三重県、岐阜県

  ・その他:東京圏、大阪圏、名古屋圏を除く国内地域

発    行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部

〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル

レポート作成:株式会社都市未来総合研究所 研究部

※本コンテンツは参考情報の提供を目的とするものです。

※2021年2月12日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

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