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2020年度上半期の中小オフィスビル売買動向

みずほ不動産販売 不動産市況レポート 11月号

公開日:2020年11月13日

この記事の概要

  • 2020年度上半期の国内オフィスビルの売買取引額は、大型オフィスビル※1が1,440億円で前年同期比78%増加したのに対し、中小オフィスビル※1は507億円となり、前年同期比65%減少した。
  • 「J-REIT」によるオフィスビルの取得額は前年同期に比べて半減、過去2番目に小さい金額となった。一方、売却額は155億円で、いずれも資産入替に伴う売却であった。

1)2020年度上半期の国内中小オフィスビルの売買取引額は前年同期比12.6%減少

都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」※2によると、2020年度上半期(2020年4月~9月)に公表された、主に法人による国内のオフィスビルの売買取引額は1,963億円(「約」の表記は省略。以下同じ。)となり、前年同期(2019年度上半期)に比べて12.6%減少した。大型オフィスビルが1,440億円で前年同期比78%増加したのに対し、中小オフィスビルの売買取引額は507億円で前年同期比65%減少した[図表1]。中小オフィスビルの売買取引額が1,000億円を下回ったのは2011年度上半期以来9年ぶりのことであり、コロナショックの影響は中小オフィスビルに色濃く表れる結果となった。

四半期別では、2020年Ⅱ期(4月~6月)の中小オフィスビルの取引額は454億円であったが、Ⅲ期(7~9月)は53億円にとどまった[図表2]。コロナショックの影響が顕在化してくる中で、大型ビルに比べて中小テナントやサービス系テナントが多いとみられる中小オフィスビルでは、賃料の支払い猶予や退去の動きが一部で出てきていると報じられている。賃料収入の減少に伴う中小オフィスビルの価格の下落懸念が、中小オフィスビルの売買取引事例が大幅に減少した理由の一つとして考えられる。

2)J-REITによる中小オフィスビルの取得額は過去2番目に少ない212億円にとどまる

買主セクター別では、「J-REIT」の取得額が212億円で最も大きいが、前年同期に比べ半減(51%減少)した。この額は2009年度上半期の208億円に次いで、過去2番目に小さい金額である。2番目に大きい「不動産・建設」は前年同期比23%減で184億円となり、上位2業種で全体の取引額の約8割を占めた[図表3]。

売主セクター別では、SPC(外部の不動産会社が組成)が163億円の物件をJ-REITに売却した事例が寄与して、「SPC・私募REIT等」が最大となった。次いで、「J-REIT」の売却額が155億円で、いずれも資産入替に伴う売却であった[図表4]。

3)都心3区所在の物件の取引額は354億円で全体の7割

売買取引額を物件が所在する立地別※3にみると、2020年度上半期は都心3区に立地する物件の取引額は354億円で、前年同期に比べて32%減少した。しかし、都心3区以外の取引額がいずれの圏域やエリアも大幅に減少したことから、都心3区だけで全体の取引額の7割を占めた[図表5]。

売買取引額の規模別取引件数は、10億円未満と50億円以上がいずれも2件で、10億円以上50億円未満の件数が4分の3を占めた[図表6]。

※1:本稿では、建物延床面積が5,000坪未満のオフィスビルを中小オフィスビル、同5,000坪以上を大型オフィスビルという。なお、本稿の集計では、区分所有権等での取引は除き、1棟単位の取引を対象としている。また、複数取引は除いている。

※2:不動産売買実態調査は、「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則(適時開示規則)」に基づき東京証券取引所に開示される固定資産の譲渡または取得などに関する情報や、新聞などに公表された情報から、上場企業等が譲渡・取得した土地・建物の売主や買主、所在地、面積、売却額、譲渡損益、売却理由などについてデータ(概数の事例も含む)を集計・分析したもの。情報開示後の追加・変更等に基づいて既存データの更新を適宜行っており、過日または後日の公表値と相違する場合がある。また、本稿の集計では、海外所在の物件は除いている。

※3:本稿における圏域、エリアの区分は次のとおりである。

  ・東京圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県

  ・大阪圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県

  ・名古屋圏:愛知県、三重県、岐阜県

  ・都心3区:東京都千代田区、中央区、港区

  ・都心6区:都心3区に、東京都新宿区、渋谷区、品川区を加えたもの。

[図表1]1棟オフィスビルの建物規模別売買取引額

[図表1]1棟オフィスビルの建物規模別売買取引額

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表2]中小オフィスビルの売買取引額

[図表2]中小オフィスビルの売買取引額

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表3]中小オフィスビルの買主セクター別取得額(左)と構成割合(右)

[図表3]中小オフィスビルの買主セクター別取得額(左)と構成割合(右)

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表4]中小オフィスビルの売主セクター別売却額(左)と構成割合(右)

[図表4]中小オフィスビルの売主セクター別売却額(左)と構成割合(右)

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表5]中小オフィスビルの立地別売買額

[図表5]中小オフィスビルの立地別売買

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

[図表6]中小オフィスビルの価格規模別売買件数

[図表6]中小オフィスビルの価格規模別売買件数

データ出所:都市未来総合研究所「不動産売買実態調査」

発    行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部

〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル

レポート作成:株式会社都市未来総合研究所 研究部

※本コンテンツは参考情報の提供を目的とするものです。

※2020年11月13日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

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