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建築費が前回のピーク(2015年7月)を上回る水準まで上昇

みずほ不動産販売 不動産市況レポート 3月号

公開日:2018年3月16日

この記事の概要

  • 建築費指数が前回のピークであった2015年7月の水準を上回り、2016年11月以降の再上昇の基調が顕著となった。
  • 2017年は、建設資材価格、建設技能労働者の不足率がともに上昇した。
  • 建築費の再上昇は、円高の緩和や資源価格の上昇傾向、建設需要の増加等が背景と考えられる。

1)2016年11月以降の建築費再上昇の基調が顕著に

東京の建築費指数が、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造は2017年12月(暫定値)に、鉄筋コンクリート造は2018年1月(暫定値)に前回のピークであった2015年7月の水準を上回り、2016年11月以降の再上昇の基調が顕著となった[図表1]。

2)2017年は建設資材価格、建設技能労働者の不足率がともに上昇

建築費は、主にモノ(建設資材価格)、ヒト(建設技能労働者数と労務単価)および建設会社の利潤から構成される。2017年は建設資材価格、建設技能労働者の不足率がともに上昇した[図表2]。東京の建設資材価格は、2017年12月に前回のピークである2014年の水準を超えた。2017年の建設技能労働者不足率(全国)は2016年と比べ高い水準となり、2017年9月に前月の0.8%から1.3%に大きく上昇した。2017年における建設業の所定内賃金引き上げ額は、1人あたり月額8,411円と、全産業平均の5,627円を大きく上回り、全産業別の中で最高となった[図表3]。

3)建築費上昇の背景

建築費上昇の背景として、2016年に101円台まで上昇した円高が緩和したこと[図表4]、2017年の原油や鉄鉱石等の資源価格に2016年の水準と比べ上昇の傾向がみられたこと[図表5]等に加え、2018年以降の竣工に向けた建設需要の増加が考えられる。

2018年以降の各種物件タイプの新規供給の動向は以下のとおり。

  • ・東京都区部では2017年に減少傾向であった大型オフィスビルの供給が2018年以降増加し、年間200万m²(延床面積)前後の供給が予定されている[図表6]。
  • ・物流施設(東京圏)についても同様で2018年に近年で最高の300万m²(延床面積)程度の供給が予定されている[図表7]。
  • ・国内におけるホテルの新設・増設計画は2015年以降時点の調査で大きく増加[図表8左]。2017年12月調査時点で2018年は4万8千室の供給が見込まれており、地域別では関東が32%と最も多くなっている[図表8右]。

[図表1]東京の建築費指数(構造別平均・工事原価)

[図表1]東京の建築費指数(構造別平均・工事原価)

データ出所:(一財)建設物価調査会「建築費指数 時系列表」

[図表2]建設資材価格指数と建設技能労働者過不足率

[図表2]建設資材価格指数と建設技能労働者過不足率

データ出所:(一財)経済調査会「建設資材価格指数」、国土交通省「建設労働需給調査結果」

[図表3]産業別1人平均賃金の改定額の推移

[図表3]産業別1人平均賃金の改定額の推移

データ出所:厚生労働省「賃金引上げ等の実態に関する調査」

[図表4]為替の推移(円/USドル)

[図表4]為替の推移(円/USドル)

データ出所:(株)みずほ銀行「外国為替公示相場ヒストリカルデータ」

[図表5]原油・鉄鉱石価格の推移

[図表5]原油・鉄鉱石価格の推移

データ出所:IMF「Primary Commodity Prices」

[図表6]東京都区部の大規模オフィスビルの供給動向

[図表6]東京都区部の大規模オフィスビルの供給動向

注:2017年11月末時点。延床面積(概ね5,000m²以上が対象)
データ出所:(株)都市未来総合研究所「Office Market Research」

[図表7]東京圏の物流施設供給動向

[図表7]東京圏の物流施設供給動向

注:2017年9月末時点。延床面積。
データ出所:公表資料に基づき(株)都市未来総合研究所作成

[図表8]国内ホテルの新設・増設計画(客室数)の推移

[図表8]国内ホテルの新設・増設計画(客室数)の推移

注:左図は各調査時点において開業が予定されていたホテルの客室数。右図は2017年12月調査(2016年6月3日~2017年12月1日に把握・確認された計画)における開業予定時期・地域別のホテル客室数
データ出所:(株)オータパブリケイションズ「週刊ホテルレストラン」

発    行:みずほ不動産販売株式会社 営業統括部

〒103–0027 東京都中央区日本橋1–3–13 東京建物日本橋ビル

レポート作成: 株式会社都市未来総合研究所 研究部

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