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住宅購入やリフォーム時に活用したい『グリーン住宅ポイント制度』

グリーン住宅ポイント制度解説

公開日:2021年5月31日

この記事の概要

  • 高い省エネ性能を有する住宅を取得したり、リフォームで住宅の性能を向上させる方などを対象に、「グリーン住宅ポイント制度」が実施されています。対象は「住宅の新築(持ち家・賃貸)」「既存住宅の購入(持ち家)」「住宅リフォーム(持ち家・賃貸)」になりますが、本稿では既存住宅の購入と住宅リフォームに絞って、概要や注意点についてご紹介します。

住宅購入やリフォーム時に活用したい『グリーン住宅ポイント制度』

国はさまざまな住宅支援策を行っていますが、ここ数年、いろいろな「住宅ポイント制度」を実施しています。これは、一定の性能や仕様に沿った住宅を取得したりリフォームすることで、商品交換や追加工事に利用できるポイントが発行されるというものです。2019〜20年度にかけては消費税増税対応の観点から「次世代住宅ポイント制度」が実施されましたが、2021年度はコロナ禍でダメージを受けた経済の回復を目的として「グリーン住宅ポイント制度」が創設されています。

ポイントの発行数は対象の住宅や工事などによって異なりますが、一定条件の既存住宅を購入したり、リフォーム工事を実施した場合は最大30万ポイント発行されます。また、特定の条件を満たした場合にはポイントの上限が引き上げられ、今年度はとくに若者や子育て世代に手厚い制度となっています。

ポイントの交換商品をみてみると、家電(「冷蔵庫」1万2,000~100万ポイント)、寝具(「ふとん・毛布」4,500~30万ポイント)、子育て用品(「ベビーカー」1万7,000~12万ポイント)など多品目が設定されています。交換商品は随時更新されており、こちらでご確認いただけます。https://goods.greenpt.mlit.go.jp/apl/public/viewCategoryTop

では、ポイントの対象と発行のための要件、ポイント数などについて、対象別に見ていきましょう。

既存住宅の購入:旧居を解体して新規取得される方はチャンス

既存住宅の購入の際、グリーン住宅ポイントの発行対象となる住宅と発行されるポイントは以下のようになっています。

(表)グリーン住宅ポイント制度の対象となる既存住宅購入時の対象住宅

対象住宅 発行ポイント
① 空き家バンク登録住宅 30万ポイント/戸(住宅の除却を伴う場合は45万ポイント/戸)
② 東京圏の対象地域から移住するための住宅
③ 災害リスクが高い区域から移住するための住宅
④ 住宅の除却に伴い購入する住宅 15万ポイント/戸

新築住宅について、グリーン住宅ポイント制度は高い省エネ性能等を有することがポイント発行の対象となっていますが、既存住宅については住宅性能による区分はありません。代わりに、自治体が活用してもらいたい空き家を購入したり、古い住宅を除却(解体)しての新居購入の際にポイントが発行されます。つまり、利活用可能な建物は積極活用し、不要だったり危険な建物は除却するという、「住宅ストックの循環」を目指した制度といえます。

対象住宅の「①空き家バンク登録住宅」とは、全国の地方自治体がグリーン住宅ポイント制度の対象として認めた空き家住宅のこと。各自治体が運営している空き家バンクに登録されていますが、こうした空き家バンクの登録住宅を掲載している不動産ポータルサイトもあり、そこから検索などして探すことができます。

「②東京圏の対象地域から移住するための住宅」とは、東京23区内に一定期間在住する方、あるいは東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の1都3県)に在住し、東京23区内へ通勤する方が、東京圏外に移住する場合、ポイントが発行されます。ただし、東京圏でも一部除かれる地区があることに留意ください。

「③災害リスクが高い区域から移住するための住宅」とは、「土砂災害特別警戒区域」「建築禁止災害危険区域」内に立地する住宅に居住している方が、区域外に住み替えるようなケースを指します。

「④住宅の除却に伴い購入する住宅」とは、不動産登記されている住宅を除却(解体し、更地の状態にすること)したうえで住宅を購入するケースとなります。

いかがでしょう。一見、対象となる既存住宅が少ないようにも思われますが、④については、新たに購入する既存住宅のエリアや住宅性能などの諸条件がないので、使いやすい制度になっています。築古の一戸建てなど、ご自分たちが退去すると空き家になりそうな建物にお住まいの場合、更地にした方が売却や利活用がスムーズな場合もあるかと思います。また、購入予定の既存住宅が上記①〜④に当てはまらなくても、既存住宅購入者は購入後のリフォームで獲得できるポイントが2倍になるというメリットがありますから、うちには関係ないと諦めず、引き続き読み進めください。

リフォーム:既存住宅購入者はポイント2倍、若者・子育て世帯は上限アップ

さて、続いてリフォームする場合についてご紹介しましょう。個々の工事のポイント紹介の前に、獲得可能なポイントの上限について見ていただくことが、概要やメリットの把握に早いかと思います。

(表)住宅リフォームにおける獲得ポイント数

世帯の属性 既存住宅購入の有無 1戸あたりの上限
一般世帯 なし 30万ポイント
あり(*「安心R住宅」に限る) 45万ポイント
若者・子育て世帯 なし 45万ポイント
あり 60万ポイント

*一定の条件を満たす既存住宅を購入してリフォームを行う場合、各リフォームのポイントを2倍カウント

発行されるポイントの上限は30万ポイントになりますが、既存住宅を購入したり、若者・子育て世帯の実施するリフォームについては、ポイントの上限がアップします。また注記にあるように、一定の条件を満たす既存住宅を購入してのリフォームの場合、工事ポイントが2倍になりますから、ポイントを獲得しやすいといえます。

今回のポイント制度は「若者・子育て世帯」に手厚いものになっています。「若者世帯」とは2020年12月15日時点で40歳未満の世帯、「子育て世帯」とは同時点で18歳未満の子どもを有する世帯などを指します。新築の建設や購入はハードルが高くても、既存住宅を購入してリフォームしたり、親から相続した現在の持ち家を性能向上させるよい機会にできるのではないでしょうか。

上限について理解したところで、どんなリフォームならポイントが発行されるのか、対象となる工事について見ていきましょう。省エネルギー、バリアフリー、耐震等の住宅性能を高める工事が対象となっています。

(表)対象となるリフォーム工事と発行ポイント数

対象工事等 発行ポイント数
いずれか必須 断熱改修 窓・ドア ガラス 0.2〜0.7万ポイント/枚
内外窓 1.3〜2万ポイント/箇所
ドア 2.4、2.8万ポイント/箇所
外壁、屋根・天井、床 外壁 5、10万ポイント/戸
屋根・天井 1.6、3.2万ポイント/戸
3、6万ポイント/戸
エコ住宅設備 太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯機 2.4万ポイント/戸
節水型トイレ 1.6万ポイント/台
節湯水栓 0.4万ポイント/台
任意 耐震改修 15万ポイント/戸
バリアフリー改修 手すり 0.5万ポイント/戸
段差解消 0.6万ポイント/戸
廊下幅等拡張 2.8万ポイント/戸
ホームエレベーター設置 15万ポイント/戸
衝撃緩和畳の設置 1.7万ポイント/戸
リフォーム瑕疵保険等への加入 0.7万ポイント/契約

表の上下で色分けされていますが、「いずれか必須」の工事を1つ以上実施することが、今回ポイント発行の基本条件になっています。一見ハードルが高いようにも思えますが、便器や水栓金具の交換だけでもポイントが発行されますから、対象となるリフォーム工事の種類は幅広いといえます。バスルームやキッチン更新など、水まわりの多くのリフォームも適用されそうです。ただし、ポイントの発行が最低5万ポイントからになることにはご注意ください。

申請期限の前倒しに注意

今回の「グリーン住宅ポイント制度」で発行されたポイントは、ポイント数に応じてさまざまな商品と交換できます。また、ポイントは追加のリフォーム工事にも使用できます。同じリフォーム事業者に依頼すること、ポイント使用できる追加工事の内容が決まっていることには注意が必要ですが、例えば省エネリフォーム後、獲得したポイントでワークスペースの設置工事といった使い方もできます。

さて最後に、ポイント発行のためのスケジュールについてご紹介しましょう。既存住宅購入の場合は、2021年10月31日までに契約締結していること。リフォームの場合、2021年10月31日までに契約締結し、工事が完了していることが前提になります。ただし1000万円以上の工事については、2021年10月31日までの契約締結と工事着工のみで申請可能です。

申請期限は2021年10月31日ですが、本制度の事業予算に達した場合、締切前でも制度を終了し、申請できずポイントも発行されなくなりますので、ご注意ください。

その他、ポイントの発行に際してはさまざまな条件があり、ここに書き切れなかった注意点もあります。制度の概要や詳しい内容については、国土交通省の専用ウェブサイトでご確認ください。

*国土交通省『グリーン住宅ポイント』 https://greenpt.mlit.go.jp/

著者

谷内信彦

建築&不動産ライター。主に住宅を舞台に、暮らしや資産価値の向上をテーマとしている。近年は空き家活用や地域コミュニティにも領域を広げている。『中古住宅を宝の山に変える』『実家の片付け 活かし方』(共に日経BP社・共著)

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2021年5月31日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

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