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国だけじゃない!地方公共団体がおこなう住宅取得等の支援も積極的に使おう

リフォームや住宅取得の補助金・助成金

公開日:2020年4月30日

この記事の概要

  • すまい給付金や次世代住宅ポイントといった、国が設けている住宅取得やリフォームに関する助成金や補助金の制度はご存知の方も少なくないと思います。それだけでなく地方自治体が独自に住宅関連の支援制度を設けているケースもあります。そちらもチェックして活用を検討しましょう。そのための見つけ方と活用のポイントを紹介します。

国だけじゃない!地方公共団体がおこなう住宅取得等の支援も積極的に使おう

住宅取得やリフォームの際の支援制度には、所得税の控除や固定資産税の減額といった税制優遇を受けられる減税制度だけでなく、費用の一部を負担・給付してくれる補助金や助成金などの制度もあります。国の補助金や助成金の制度としては、「すまい給付金」や「次世代住宅ポイント」などが挙げられます。こうした支援制度は、国だけでなく都道府県や市区町村といった地方自治体も設けています。

国のように全国一律でなく、地域ごとに支援内容が違っていたりしますが、住宅の購入、リフォーム等を予定・検討しているのであれば、こうした制度の有無をチェックすることでよりリーズナブルに住宅取得やリフォームが実現できる可能性があります。

自治体の支援制度は地域価値を高めるためのサポート

地方自治体の支援制度は、その地域ならではの独自性が表れます。自治体ごとに「自分たちの暮らすまちにどのような地域資源が必要か」「どんなまちにしていきたいか」という観点や重要項目があり、それらの環境づくりを推進していくための施策のひとつとして、独自の支援制度が設けられていると考えれば分かりやすいのではないでしょうか。これが全国一律で実施される国の支援制度との相違点です。

例えば、ある自治体が地域に若い人口を増やしたいと考えれば「子育て世帯」向けの支援をはじめ、「移住促進」「空き家活用」のための支援制度を手厚くしたりします。また、木材産業の盛んな地域ならば、地場材を使用した場合に支援措置を設けるケースもあります。屋上や生垣などの緑化支援は地域にもっと緑を増やしたいという思いや、ヒートアイランドの防止を目的とした支援です。支援制度はその自治体の地域事情等と密接にリンクしています。

言うまでもなく住宅は個人の私有財産ですが、そのあり方は地域の居住環境と密接に関係していますから、家づくりは半公共的な面もあります。自治体の目的に沿った支援制度を活用することは、まちづくりの面でも意義があります。自治体の支援制度の利用は、自分のお財布にも優しく、その地域の価値を高めることにもなる一石二鳥なのですから積極的に活用しましょう。

地方自治体の支援制度の例

支援制度例 概要 備考
省エネ住宅化 住宅を高気密・高断熱にし、高い省エネ基準にマッチさせるための工事費を補助するなどの取組み ・健康的で光熱費等のランニングコストが低い省エネ住宅の普及促進を目指す等の目的
・CO2排出量の削減を目指す意図もある
地場材の使用 地場の木材や建材を使用した住まいづくりに対して一定額の補助を行うような取組み ・地位の風土に合った家づくり支援と、地域産業の保護という側面がある
耐震診断・耐震改修の補助 旧耐震基準の住宅(1981年5月以前に建築確認を行った戸建て目集合住宅)を現行基準に適合させるための診断・改修費用を補助する取組み ・万が一の大震災にも強い住宅の普及による住民の安全性の向上
・地域全体の防災力を高める取組みでもある
屋上緑化・壁面緑化 戸建て住宅やマンションに緑を増やすことでヒートアイランド化防止、防災性向上、デザイン性向上等のための取組み ・グリーン関連では他に、生垣の設置などもある
・地域価値の向上につなげる狙いもある
空き家活用 地域に多く残る空き家の利活用、リフォーム等を支援することで、地域の活性化や移住・定住の促進を図る ・危険空き家ストックの除却など、防災性を向上させる面も
水洗化・浄化槽設置支援 下水道の整備に伴ってトイレを水洗化させたり、下水道未整備の地域において浄化槽普及のための取組み ・汚水・下水の環境配慮を目的とする

ポータルサイトを活用してチェック

リフォームしたり、取得したり地域にどのような支援制度があるかは、該当地方自治体のWEBサイトに掲載されています。ただ、住宅に関する支援制度が、担当部署ごとにバラバラに掲載されていたりするなど、探しにくいケースもあります。そうした場合、WEBサイト内の検索を利用したり、インターネットの検索エンジンを使って、「○○市 新築 支援制度」、「○○市 リフォーム 補助金」などと入力して探す方法があります。

こうした方法でも、すでに物件が決まっている場合にはそれほど手間はかからないかもしれません。しかし、複数の物件の中で、助成金や補助金も含めて総合的に検討したいといった場合は個別に調べるのは大変です。そうした場合も含めて手間少なく、チェックしたいのなら、こうした支援制度を一覧化している「情報ポータルサイト」を利用する手があります。インターネットを検索すると、住生活関連の支援制度をまとめたポータルサイトがいくつか見つかるはずです(下表参照)。こうしたサイトは便利ですが、古い情報がそのまま更新されずに残っている可能性もあります。必ず自治体に確認するなどして正確な情報の収集に努めるようにしましょう。

(表)住宅関連の支援制度のポータルサイト例

名称(運営主体) URL 概要
「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」
(一般社団法人住宅リフォーム推進協議会)
http://www.j-reform.com/reform-support/ 地方公共団体が実施する住宅リフォームに関する支援制度を検索できる。

自分の住む地域の支援制度を調べてみよう

住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」では支援内容について、大きく7つの項目に分類しています。概要は以下のようなものです。

  • ①耐震化

    耐震診断や耐震改修のための補助制度が多くの自治体で用意されています。主に1981年5月以前に建築確認を受けた、いわゆる「新耐震基準以前」の住宅を耐震化するための支援が多いようです。戸建て住宅だけでなく、マンションなど集合住宅向けの制度を持つ自治体もあります。

  • ②バリアフリー化

    高齢者が安心して自宅で暮らせるよう、バリアフリー改修工事の補助制度が診られます。中には、どんな工事をすべきか専門家(建築士等)を派遣するような、プランニングに関するサポートがあったりします。

  • ③省エネルギー化

    住宅の省エネルギー性を高めるための工事を対象にした支援制度。室内の断熱性・気密性を高めるリフォーム工事のほか、高効率給湯器の設置、屋根への遮熱塗料の採用など、自治体によってさまざまな省エネ改修工事に対応しているようです。太陽光発電や蓄電池システムなど、「創エネ」に対する支援制度を持つところもあります。

  • ④環境対策

    地球温暖化防止やヒートアイランド対策など、地域の環境を向上させるために自宅にも適用できる支援制度を用意しているようです。屋上緑化や生垣・プランターの設置、壁面緑化をはじめ、下水道の整備に伴ってのトイレ等の水洗化や、浄化槽設置補助、生ゴミ処理機やコンポスト化容器の購入補助など、建物内外についての支援があります。また、地域材の活用や防音対策なども実施するところもあります。

  • ⑤防災対策

    建物や地域の防災効果を高めるための工事や機器導入等に対しての支援制度です。雨水を集水・貯留し、必要に応じて処理後、雑用水として給水・利用する「雨水貯留設備」の設置や、水害防止のために雨水を地下に浸透させる「浸透ます、浸透トレンチ」等の設置、その他克雪対策や火災報知機の設置などが挙げられます。あと、築年の古いマンションなどでは防火用建材として壁材などにアスベストを使用しているケースがありますが、人体への影響による健康被害のリスクがあり、封じ込めや除去などが進められています。こうしたアスベスト対策の調査費用や工事費用の支援を設けている自治体があります。

  • ⑥同居対応

    自宅を二世帯住宅に改修するなど、同居対応リフォーム工事を行う場合に使える制度です。玄関やトイレ、キッチン、浴室などを増設し、2つ以上にする工事などが挙げられます。

  • ⑦その他

    防犯対策、ガス設備普及、空き家活用、景観整備、地域商品券、給付金・給付券、相談・助言など。

※「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」の掲載情報は各自治体が作成・入力しています。各制度に関する質問等については、住宅リフォーム推進協議会でなく、各自治体の担当窓口に問い合わせる必要があります。

※「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」は、年度ごとに情報が更新されますが、毎年4〜7月頃は前年度の情報が掲載されていたり、新年度の情報が未掲載だったりすることがあります。最新の情報は各自治体の担当窓口に確認しましょう。

支援制度が適用できる要件に注意しよう

地方自治体の支援制度を利用する場合の注意点を挙げておきましょう。例えば、1つのリフォーム工事において、国の支援制度と地方自治体の制度の両者を同時利用できるのかという問題。これについては、制度の内容や財源等によってケースバイケースですが、一般的には、財源が同じであれば併用できないというのが一般的です。

例えば、耐震性や省エネ性能など、性能向上を目指す「長期優良住宅化リフォーム」を実施する際、要件を満たすことで補助が受けられます。これとは別に、地方自治体の支援制度について、国費が充当されていない場合は併用が可能です。「国費が充当」というのは、地方自治体が用意した支援制度であっても、実はその財源として一部(または全部)について国から交付されているケースです。

地方自治体が財源も含めて独自に用意したものであれば、併用できる可能性があります。また、1つのリフォームでも、対象となる工事部位が違うのであれば併用可能というケースもあります。フルリフォームを行った際、断熱改修工事について国の補助制度、耐震改修工事について地方自治体の補助制度を利用するといった活用法です。こうした併用の可否については、建設会社やリフォーム会社を通じて国の補助制度事務局や地方自治体の担当部署に必ず確かめましょう。

なお、利用する補助制度が国のものであっても地方自治体のものであっても、補助制度と減税制度の併用は可能です。例えば、国や地方自治体の補助制度を利用して耐震改修や省エネ・バリアフリー改修を行った場合、適用要件を満たしていれば所得税の控除や固定資産税の減額措置が受けられます。

こうした地方自治体の支援制度は、住宅の所有者本人が申し込むものと、建設会社やリフォーム会社等、事業者が申し込むものがあります。新築やリフォームの場合、使えそうな制度については依頼する業者に相談する際に「この制度を活用したい」と意思表示しましょう。また、こうした多くの支援制度は上限が定められていることが多く、一定枠を超えると期間内であっても適用されないケースがあります。そうした確認のためにも、業者の選定時からこうした支援制度を活用したい旨を伝えたほうがいいでしょう。

補助金など公的な支援制度の活用によって、住宅建設や購入、リフォームをよりリーズナブルでコストパフォーマンスの高いものにすることが可能です。国だけでなく、地方自治体の支援制度を上手に活用していきましょう。

解説

谷内 信彦(たにうち・のぶひこ)

建築&不動産ライター。主に住宅を舞台に、暮らしや資産価値の向上をテーマとしている。近年は空き家活用や地域コミュニティにも領域を広げている。『中古住宅を宝の山に変える』『実家の片付け 活かし方』(共に日経BP社・共著)

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

※ 2020年4月30日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。

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