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ガス?電気?ハイブリッド?最新給湯器でエネルギー節約

最新住宅機器で楽しく、財布に優しい生活を実現 vol.1

公開日:2016年6月30日

賃貸住宅で暮らしている場合、住宅設備機器は基本的に自分で選ぶのではなく建物所有者が用意したものを使うことになります。そのため、多機能だったり、省エネ性能に優れていたりする最新の機器を使いたい場合でも、思うに任せないことがあるでしょう。それに対して、マンションや一戸建てを購入すれば、住宅設備機器を自分で選んで設置したり、交換したりすることが容易になります。

住宅設備機器の性能は日進月歩です。省エネ性能に優れ、より生活を楽しくする機器が次々と開発されています。楽しい暮らしを実現するために、住み替えに合わせて住宅設備機器を見直してみてはいかがでしょうか。本連載では、それに役立つ住宅設備機器のトレンドを紹介します。連載の第1回は給湯器。家庭エネルギー消費量の比率を用途別に見ると約30%は給湯が占めています。省エネタイプの給湯器を買い換えれば、家計に大きなメリットがあります。

また、給湯器は住宅設備の中では比較的寿命が短く、8〜10年程度で交換するのが一般的です。給湯器が買い換えの時期に来ているようでしたら、最新の省エネタイプ給湯器をご検討してはいかがでしょう。給湯器の主な熱源はガスと電気があります。熱源別に最新機器のポイントをご紹介します。

排気熱を利用して省エネを図る潜熱回収型ガス給湯機(エコジョーズ)

従来から一般的に使われてきたガス給湯器に新たな仕組みをつけ加えた高効率タイプがエコジョーズです。これまで捨てられていた排気中の潜熱を利用することで効率を高めました。具体的には、ガス燃焼による高温の排気で、まず水を温めます。それをさらにガス燃焼で温度をさらに上げます。この仕組みにより、従来のガス給湯器の熱効率が80%程度だったのに対して、95%程度にまで高めることができました。

エコジョーズの魅力はなんといっても、省エネによりランニングコストが安くなることです。エコジョーズを販売しているメーカー各社のデータによると、従来タイプよりも10~15%程度ガス代が安くなるようです。サイズも従来型のガス給湯器とあまり変わらないので、既存の給湯器からの置き換えもしやすいのも魅力です。ただ仕組み上、運転時にドレン排水が発生しますから、その処理が必要になります。

エコジョーズの給湯器のメーカー希望小売価格は、一般的に使われることが多い24号のフルオートタイプで約45万円です。エコジョーズではない24号フルオートタイプは40万円程度なので1割強高いことになります。実売価格はリフォーム工事業者によっても異なりますが、半分近くになるケースもあるようです。設置工事費用なども含めて比較検討が必要です。

ちなみに、石油給湯器にも排熱を利用した省エネタイプとして「エコフィール」があります。石油給湯器を利用の場合の買い換え候補になるでしょう。

オール電化にするなら電気ヒートポンプ給湯機(エコキュート)

エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用した電気を熱源にする給湯機です。ヒートポンプで大気中の熱エネルギーを取り込み、内部にある自然冷媒(二酸化炭素)によってその熱を吸収。高温になった冷媒で水を温めてお湯をつくります。従来の電気式温水器は、ヒーターと呼ばれる電熱器でお湯を沸かしていましたが、エコキュートはヒートポンプ技術を使うことにより電気の使用量を大幅に減らしています。

料金の安い深夜電力を利用してお湯をつくっておき、断熱機能のある貯湯タンクにためておきます。そのため、給湯ユニットのほかに貯湯タンクが必要となり設置スペースはガス給湯器よりも広くなります。最近はマンションにも設置可能なコンパクトタイプも用意されています。

エコキュートの貯湯タンクとヒートポンプユニットを組み合わせたセット希望小売価格は70~100万円程度です。給湯器と同様に実売価格は異なるため、同じく比較してみましょう。

ガスと電気を使い分けるヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(エコワン)

ここ数年、自動車で人気を集めているのがガソリンと電気の両方をエネルギーとするハイブリッドタイプです。給湯器にもガスと電気のハイブリッドタイプが登場しています。ガスによる加熱と電気を使ったヒートポンプ方式を組み合わせたエコワンです。比較的少なめのお湯を使う時は、ヒートポンプで沸かして貯めておいたお湯を使い、バスタブへのお湯張りやシャワーなど大量のお湯が必要な時にはエコジョーズタイプのガス給湯器を稼働させます。

エコワンの魅力はなんといっても、非常に高い省エネ効果です。販売メーカーの調査によると従来型のガス給湯器に比較すると約6割も給湯のランニングコストを減らすことができるということです。もう一つの魅力が緊急時への対応です。震災などによって、ガスや電気の供給が止まることがあります。その際には、「電気だけ」「ガスだけ(非常用電源がある場合)」でも給湯が可能になっています。

やはり、こちらもヒートポンプユニットとタンクユニットで構成されているので、設置スペースは一般的なガス給湯器よりも広くなります。タンクユニットの容量は、ガス給湯器部分があるのでエコキュートよりも小さくなっています。

ヒートポンブユニットとタンクユニットを合わせたシステム価格が70~90万円です。こちらも実売価格は異なるため、比較してみましょう。

▲ エコワンはヒートポンプユニット(左)とタンクユニット(右)で構成されている。

電気とお湯を両方つくる家庭用燃料電池コージェネシステム(エネファーム)

上記の機器はお湯を沸かす住宅機器ですが、ガスをエネルギー源に、電気とお湯をまとめてつくりだすシステムとしてエネファームがあります。電気は照明や家電製品などの家庭用電源として使い、お湯は貯湯ユニットを通じてキッチンやバスルームなどで活用します。

エネファームは、まず、都市ガスと水蒸気を化学反応させて水素を取り出します。この水素を燃料電池スタックへ供給し、空気中の酸素も取り込み、直流の電気と水を発生させます。電気は交流に変換して使用。燃料処理装置や燃料電池スタックから発生する熱を回収し、排熱利用して貯湯タンクの水を加熱してお湯をつくり、給湯として利用します。太陽光発電との相性がよいのもエネファームのメリットです。HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)によって電気を管理して、ガスと太陽光の「ダブル発電」で省エネ性能が高く、地球に優しい住まいが実現します。

エネファームの2016年時点の製品希望小売価格は160~170万円程度です。これでも販売がスタートした2009年と比較すると約半額になっています。エコジョーズなどと比べると非常に高価ですが、値引きと補助金により、希望小売価格よりもかなり安く買うことができます。

ガスを利用して、発電と給湯を行うシステムとして、他に「エコウィル」(ガスコジェネレーションシステム)があります。こちらはガスを燃やして発電します。エネファームと比べると仕組みが簡単なこともあり、希望小売価格は90万円程度です。

補助制度・減税制度が活用できるチャンスを逃さない

紹介した省エネタイプの給湯器は高性能な分、一般の給湯器よりも価格が高くなっています。しかしランニングコストも低くなるため、長期間で見たトータルコストは安くなる可能性があります。また、国や自治体の補助金制度や減税制度が設けられているケースもありますから、活用を検討しましょう。

フルオートタイプなら快適性もよりアップ!

給湯器の進歩は省エネ性能だけではありません。使い勝手も向上しています。最近主流になっているのは、スイッチ1つでお湯張りをしてくれたり、自動で保温や足し湯をしてくれたりする「フルオートタイプ」です。

従来の「オートタイプ」でも、お湯張りや、追い炊き、保温は自動ですが、「フルオートタイプ」なら、お湯が減ったら自動で足し湯してくれたり、配管内を自動洗浄してくれたりと、快適性やメンテナンス性がアップしています。

残り湯の沸かし直しも、「オートタイプ」だと湯量にバラツキが出たりすることがありますが、「フルオートタイプ」なら設定水位まできちんと適温で沸かしてくれます。後で入浴する人が「お湯が少ない」「ぬるい」などと不満を持つこともありませんから、家族数の多いお宅では「フルオートタイプ」がお勧めです。

執筆

谷内 信彦 (たにうち・のぶひこ)

建築&不動産ライター。主に住宅を舞台に、暮らしや資産価値の向上をテーマとしている。近年は空き家活用や地域コミュニティにも領域を広げている。『中古住宅を宝の山に変える』『実家の片付け 活かし方』(共に日経BP社・共著)

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