共働き世帯の家事のコツ~住まいの改善で負担を軽減~

マイホームで快適に過ごすコツvol.4

共働き世帯にとって、限られた時間の中でこなしていかないといけない家事は、肉体的にも精神的にも負担が大きいもの。家事が負担で家に帰りたくないと思う人も多いようですが、本来我が家は憩いの場所のはず。ここでは、家事の負担を減らすための、改善策について考えてみたいと思います。

女性にかたよる家事負担。男女の家事負担比率は「1:9」

アットホーム(株)が行った「家の“居心地”調査」で、子どもがいて夫婦共にフルタイム勤務をしている男女に家事について聞いたところ、男女の家事負担比率は「1:9」という回答が最も多く、家事は大変だと回答した男性は45.8%、女性は74%となり、家事に負担を感じている女性の比率が男性に比べて多いという結果となりました。仕事が終わっても帰宅後に家事をこなさなければならいために、「家に帰りたくない」と感じている女性も多く、自宅でゆっくり休んでいない実態が見えてきます。

Q.家事の分担の割合はご自身と配偶者ではどのくらいだと思いますか?近い割合をお選びください。
(対象:624名、有効回答:624名)

Q.家事は大変ですか?(対象:624名、有効回答:624名)

Q.仕事が終わっても「家に帰りたくない」と思った理由は何ですか?
(対象:仕事が終わっても「家に帰りたくない」と思うことがある人182名、有効回答:182名、複数回答可)

家事室の設置で家事動線の効率化を実現

ここ数年の新築物件やリフォーム物件では、家事動線を短くし、家事負担の軽減や時短の実現を目的としたものが増えています。最も行き来が多いキッチンと洗面室の動線に工夫が見られるほか、キッチンの隣に家事室(家事ルーム)を設置している物件もあります。

家事室はユーティリティルームとも呼ばれ、パソコンで家計簿をつける、会社・学校の書類を整理する、洗濯物をたたむ、アイロンをかける、裁縫をするなど幅広く活用することができます。例えば、洗濯物をたたみながらレシピの検索をするといったことも効率よく行えるというわけです。

リフォーム左の図面(リフォーム前)では、キッチンから洗面室に行くために、キッチンとリビングのドアを通って廊下に出て、さらに洗面室のドアを開けてやっと洗面室に到着。それに対して右の図面(リフォーム後)は、キッチンからドア1枚で洗面室に行けるため、料理と洗濯を効率よく進められる。

集約化が負担軽減のカギ

家事室を設置する目的は、家事をする場所を集約することで無駄を省くということです。例えば、洗濯する、洗濯物を干す、洗濯物をたたんで収納するといった一連の作業を一か所で行うことができれば、移動の手間や時間を省くことができます。適する空間に、作業スペースや収納を組み込むことによって、家事がしやすくなり、使い勝手を高めることが可能になるというわけです。「今の居住スペースから考えると、家事室を設ける余裕なんてない・・・・・・」とお考えの方も多いかもしれませんが、リフォームやリノベーションで間取りを変更すれば、ガラリと変えることが可能。負担の少ない生活は気分的なゆとりにもつながり、家に帰ることも苦ではなくなるのではないでしょうか。

家事について家族で話し合おう

ここまで家事室の設置による家事負担の軽減を考えてきましたが、家事室に子供の勉強スペースを置けば、家事をしながら子供の様子を見ることもでき、育児面でもメリットを見出すことができるでしょう。

家事を行う上で中心となる空間はキッチンです。ポイントは家事を一か所で管理すること。もし住み替えやリフォーム検討しているのであれば、家事の負担軽減や時短を意識した間取りを取り入れてみるのもいいのかもしれません。まずはご家族でどんな面で家事に負担を感じているか、それを軽減するにはどうしたらいいのかを話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。

調査概要 共働き夫婦の“家の居心地”に関する調査

調査方法・・・インターネットリサーチ
対象・・・全国の、子供がいて夫婦共にフルタイム勤務をしている男女各312名、計624名
調査期間・・・2016年11月18日(金)~11月19日(土)
※小数点第2位を四捨五入しているため、合計100%にならない場合があります

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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