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【シリーズ連載】40代50代で相続した空き家はどうする?(第四話「インスペクション編」)

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.12

公開日:2017年9月29日

この記事の概要

  •  インスペクションとは「住宅診断」「建物状況調査」のこと。日本は欧米に比べて、既存住宅の流通が遅れていることから、流通市場の拡大にはインスペクションの普及が重要と考えられてきた。
  •  インスペクションに関する規定(宅地建物取引業法改正)の施行は2018年4月。物件の状態を売主・買主ともに把握した上で取引できるよう、重要事項説明でインスペクションの結果を書面に記載し、買主に説明する義務が発生する。
  •  基本的な検査項目は、構造耐力上の安全性に問題があるもの、雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの、設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているものとなっている。

第4話 インスペクション編

【Bさんファミリー】
夫55歳会社員、妻54歳専業主婦。2人の息子(29歳、24歳)はそれぞれ独立したため、1年前に家族で過ごした住まいは売却し、夫婦2人暮らしに合ったコンパクトで利便性の高い住まいに住み替え。

インスペクションの意味と必要な理由

インスペクションとは、日本語に訳すと「住宅診断」や「建物状況調査」という意味で、既存住宅の欠陥や劣化を専門家がチェックすることです。日本で流通している住宅のうち、既存住宅の割合は約15%、アメリカやイギリスでは80%を超えています。このように日本は欧米に比べ、既存住宅の流通が遅れていることから、流通市場の拡大にはインスペクションの普及が重要と考えられてきました。既存住宅の流通がスムーズにならなかった要因のひとつとして、品質や性能についてリスクの高い物件というイメージが強いという点が挙げられます。そこでインスペクションをすることで、物件の状態を売主・買主ともに把握した上で、互いに納得した取引ができるというわけです。既存住宅の流通市場の拡大は近年問題となっている空き家の有効活用にもつながります。インスペクションに関する規定(宅地建物取引業法改正)の施行予定は2018年4月。売買契約前に行う重要事項説明でインスペクションの結果を書面に記載し、買主に説明する義務が発生することになります。

2017年9月現在、民間事業者によって行われているケースもありますが、技術・検査基準・料金に差異があるのが実情です。義務化することで平準化が可能となるので、明確な判断材料になったり、選択がしやすくなる点がポイントと言えます。

検査方法と契約までの流れ

基本的には目視や計測で確認します。足場を組むなどの大掛かりな作業は行わず、歩いて移動できる範囲が対象となります。依頼主が希望した場合以外は、門や塀などの敷地内にある工作物なども対象外。結果は重要事項説明時に買主に説明し、売主・買主の双方が建物の状況を把握したことを記載した書面が交付されます。

基本的な検査項目とは

インスペクションは下記の①~③の内容で行われます。
※平成25年6月国土交通省「既存住宅インスペクション・ガイドライン」より引用
①構造耐力上の安全性に問題のある可能性が高いもの
(例)蟻害、腐朽・腐食や傾斜、躯体のひび割れ・欠損等
②雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの
(例)雨漏りや漏水等
③設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの
(例)給排水管の漏れや詰まり等

インスペクションをして、スムーズな売却を

中古物件の売買にはポイントとなるインスペクション。日本における中古住宅は、築20年を超えると価値がなくなってしまうと言われてきましたが、インスペクションの定着によってこういった考え方も変わってくるかもしれません。不動産会社のアドバイスを受けて、スムーズな売却につなげましょう。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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