【シリーズ連載】初めての不動産購入(第八話「日々のメンテナンス編」)

漫画で見る不動産購入・売却のポイントvol.23

この記事の概要

  •  うっかりつけてしまった傷だけでなく、長く住んでいたり子供やペットがいる場合などは、よごれや傷が目立ってくるもの。クロスのはがれ、フローリングの傷、落書きの消し方、畳の凹みなどのお手入れ方法を紹介。
  •  きちんとメンテナンスや維持管理をすることは建物の寿命を延ばすことにもつながるため、長期的なメンテナンス計画も必要。

第8話 日々のメンテナンス編

【Aさん夫婦】
結婚3年目のA夫婦。夫は29歳、妻は27歳。世帯年収は700万円程度で、1LDK・家賃8万円の賃貸アパートに居住していたが、中古マンションを購入し、最近引っ越しを済ませたばかり。

簡単にできる住まいのお手入れ

クロスがはがれてしまった!

物を引っ掛けたり、熱や湿気による影響でクロスがはがれてしまうことがあります。小さなはがれであれば自分で直すことができるので早めに修復を。
【手順】
①ぞうきんなどでクロスの汚れを取る
②壁紙用接着剤を塗る
薄く均一に塗ることがポイント。布や紙製のクロスであれば木工用の接着剤で問題ありませんが、ビニール製の場合は、壁紙補修用接着剤を使用してください。
③クロスを貼る
仕上がりをきれいにするために、壁と壁紙の間に空気が入らないように仕上げるようにしましょう。はみ出した接着剤は雑巾などでふき取り、しっかり接着するまではマスキングテープなどで留めておきましょう。

フローリングの傷を目立たなくしたい

物を落としてできてしまった傷、ペットの爪などでついてしまった引っかき傷なども、自分で目立たなくすることができます。
【手順】
①表面を滑らかにする
汚れていたり傷がガサついていたりする場合は、紙やすりで表面を滑らかにし、補修しやすい状態にしておきます。
②クレヨンタイプの補修剤で傷を埋める
クレヨンタイプの補修剤はホームセンターなどで手に入ります。色が豊富に揃っているので、補修したいフローリングに合ったものを選ぶようにしましょう。補修剤はそのままではなく、ドライヤーなどで軟らかくし、傷の部分を埋めていきます。最初は少し盛り上がるくらいにし、再度ドライヤーなどで軟らかくしたら楊枝などを使って平らに仕上げます。
③最後にワックスをかけるとベスト
補修が終ったら、床全体にワックスをかけるとより傷が目立たなくなります。また、表面がコーティングされるので傷や汚れががつきにくくなる点もメリットです。

子供の落書きを消す方法は?

クレヨンやペンで書かれてしまった落書き。なかなか落とすことができず、せっかくのマイホームが・・・とがっかりした経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここではご家庭にあるものを使って落とせる方法を紹介します。
・ビニールクロスであれば住宅用洗剤でふき取れます※水性インクやクレヨンの場合
普段のお掃除などでも使用している住宅用洗剤をスポンジにしみこませ、落書き部分をこすればきれいに落とせます。壁に凹凸がある場合は、歯ブラシなどを使うといいでしょう。
・紙や布製の場合は慎重に
紙や布製の場合はビニールクロスと同じやり方をしてしまうと、インクが染みて汚れの範囲が広がってしまいます。水性ペンの落書きであれば、マニュキュアの除光液を軟らかい布にしみこませ、丁寧にふき取ってください。クレヨンであればあて布をし、中温のアイロンで溶かします。溶けたクレヨンは布にしみこむのでふき取る必要はありません。

家具を置いたら畳が凹んでしまった・・・

なるべく早く対処すると、修復もできます。
【手順】
①水をしみこませる
まずは霧吹きを使って、凹み部分を充分に湿らせます。
②アイロンを使って凹みを回復
凹んだ部分にあて布をし、スチームにダイヤルを合わせたアイロンを軽くあてます。これを何度か繰り返すことで凹みが目立たなくなります。アイロンは高温の蒸気をあてるために使用するので、強く押しあてないようにしましょう。

計画的なメンテナンスもしっかりと

できてしまった傷に対して補修をするのはもちろんのこと、快適な居住空間を長期に渡って維持するためには、計画的にメンテナンスをすることも必要です。日々の掃除だけでなく、季節ごとの手入れや大掃除、設備をメンテナンスするタイミングなどもしっかりおさえておくようにしましょう。例えば雨風にさらされる外壁などは、見た目に問題がなくても、年に1回トップコートを塗っておくのが効果的です。問題がないと思って何年もそのままにしておくと外壁だけでなく内部の補修が必要になるなど、多額な費用がかかってしまうこともあるからです。とはいっても素人ではなかなか判断をしにくいのも事実。不動産会社を通して専門家などに相談し、必要であればリフォームプランなどを提案してもらいましょう。

執筆

橋本 岳子 (はしもと・たかこ)

20年勤めた不動産情報サービスの会社での経験を活かし、住まい探しが初めての方にも分かりやすい、生活者の目線に立った記事の執筆活動を手がける。

※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。

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