3.在宅勤務が快適になる賃貸とは
入居者募集のための原状回復工事の際に、快適なステイホームを実現するための工夫をプラスする方法を考えてみましょう。
在宅で仕事をすることを考えると、単身物件でも部屋の一角にデスクにもなるような作り付けの棚があると便利です。手持ちの椅子と合わせて仕事スペースに出来るだけでなく、趣味や家事やお化粧スペースなど、そこに住む人が多目的に使うことが出来ます。
ファミリー物件だと事情は少し異なります。オンラインミーティングの時に家族の見ているテレビの音が入ってしまったり、子供が面白がって邪魔しに来ないような工夫が求められます。また、家族構成によっては複数の人が同時にオンラインミーティングやオンライン授業を行うことも想定され、リビングとは離れた部屋の一角や押入れなどの収納を改修して、仕事で使わないときには多目的に利用できるようなスペースを複数確保できると良いと思います。オフィスで言うならフリーアドレスのようなスペースです。
単身でもファミリーでも、多目的スペースには電源が必須です。付近にコンセントがない場合はコンセントの増設工事を一緒に行いましょう。
間取り変更を行う場合も、これまでは2DKを1LDKに、3DKを2LDKにするなど、人が集まる場所をなるべく広くするのが主流でしたが、今後は可変性が求められるようになると思います。普段は開放して広く使い、必要なときには間仕切りで分けることができ、そこに住む方が目的に合わせて使えるような間取りの工夫が必要となるでしょう。
在宅勤務を快適に過ごすには、通風も大切です。窓が少ない場合、風が通り抜けやすくするために玄関を少し開けられると良いのですが、網戸が無いと虫が入ってきてしまいます。最近ではマグネットで取り付けられる開閉式の網戸も安価なものが出ており、備品として支給しても良さそうです。室内の扉は風で煽られないように、リフォームの時にドアストッパーを設置すると、風でバターン!と閉まらないので便利です。